入社2ヶ月で「今まで社内になかった仕事」を創出━━“経営陣でも勝てない若手”を次々と生み出すX Mile。年率500%事業成長の裏に隠れた育成環境に密着

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インタビュイー
渡邉 悠暉

国際基督教大学(ICU)在学中に、人材系大手エン・ジャパンの新規事業企画にてHRtech(SaaS)の企画開発・営業を担当。その後、HRtechスタートアップで、営業兼キャリアコンサルタントに従事。全社MVPを獲得。2018年7月に株式会社ネクストビートでメディア事業・人材支援事業の2つの新規事業を経て、2019年8月よりX Mile株式会社のCo-Founder COOとしてのキャリアをスタート。

藤本 隆

1999年生まれ。早稲田大学人間科学部人間環境科学科を卒業。2022年4月に新卒でX Mileに入社。人材ソリューション事業部のインサイドセールスを経て、新規事業部へ配属。現在は新規事業部のマーケターとして、マーケティング施策の企画・運用・分析の舵取りを行う。セールスのオペレーション改善、CRMの構築などにも従事。

胡麻 和喜

1997年生まれ。大阪市立桜宮高等学校 体育科卒業。森ノ宮医療大学 保健医療学部理学療法学科卒業。2019年4月に新卒でメガベンチャーである株式会社DYMに入社し法人営業に従事。その後、2020年8月X Mileに入社。人材ソリューション事業部にて法人向けの新規営業を経て、現在は新規事業の立ち上げに携わる。経営陣直下で事業開発をリードし、1年で売上規模を10倍規模に拡大。人材マネジメント、予在・予実管理、課題抽出・対策立案を実行。またCRMの構築や、全社総会などの会社イベントの立案・予算策定・実施等を中心としてX Mileの経営にあたる。

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スピード感、裁量権が魅力的なスタートアップ。スケールの大きさ、組織力、仕組みが強みであるメガベンチャー。将来、起業家や事業家になりたいと考える若手にとって、どちらがキャリアの初期段階に相応しいかは議論が尽きない。

そんな悩みを抱える若手にぜひ注目してほしいのが、“急激な成長スピード”דスケーラブルな組織”の両輪で成長を遂げる創業期スタートアップの存在である。

これまでFastGrowで3記事に渡り密着を続けているX Mileは、まさにそのようなスタートアップの一つだ。創業1日目から1,000億円規模の企業になる前提で組織づくりを行い、年率500%の事業成長を維持している。

1記事目では、CEO・野呂寛之氏から事業創造の極意を。続く2記事目では、CEO野呂氏とCOO渡邉悠暉氏の対談から組織戦略の極意を。そして前回3記事目では、他社での実績を引っ提げてジョインしたメンバー3名の鼎談を通して、急成長を続けるX Mileのカルチャーと組織環境を明らかにした。

とはいえ、まだまだ疑問は尽きない。2記事目で、X Mileは創業1年目から積極的に新卒や第二新卒を採用していることが明らかとなったのだ。一体どのようにして、創業期ながら新卒が活躍する仕組みをつくり出しているのだろうか?

そこで連載4記事目となる今回は、全社の組織戦略から人事設計を一手に担うCOO渡邉氏に加え、新卒入社の藤本隆氏と、第二新卒でメガベンチャーから転職した胡麻和喜氏を交えた3名対談を実施する。X Mileの若手の成長環境を紐解いていこう。

  • TEXT BY MAAYA OCHIAI
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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新卒一年目が「これまで社内になかった仕事」
を自ら創出。大胆すぎるほどの権限移譲の背景とは

まず話を伺うのは、X Mileに入社してまだ2年の胡麻和喜氏だ。新卒ではメガベンチャーであるDYMに入社し、医療機関への法人営業を経験。その後第二新卒で、X Mileへとジョインした。

同氏は既にX Mileの事業責任者として、多くの成果を残している。入社後2年目にて、新規事業の立ち上げをほぼ1人で実行し、わずか1年で売上を10倍規模にまで拡大した実績を持つ。

早速当時のエピソードが胡麻氏の口から語られた。

胡麻CEOの野呂さんが新しく事業を立ち上げようと画策していたときに、「実行の部分」をお手伝いできるのではないかと思い手を挙げたのがきっかけです。

初めは、他の業務と“兼務”という形で、新規事業に着手したのですが、開始2ヶ月目で早くも売上の計上という成果をあげることができまして。

そんな実績もあって、経営陣がこの新規事業にアクセルを踏む決断をしてくれたタイミングで、事業責任者に抜擢していただき、正式に事業部として走り出しました。

前回までの記事で明らかにされた通り、X Mileでは現在、野呂氏を筆頭に1年間で3つの新規事業を立ち上げている。そして、胡麻氏のような第二新卒の若手メンバーを積極的に事業責任者として抜擢しているのだ。

その中でも胡麻氏を事業責任者に選んだ理由は一体なんだったのだろうか。

渡邉胡麻さんは、今よりも狭い雑居ビルオフィス時代にメガベンチャーから転職を決めてくれた稀有な存在です。

前職のDYMで培った営業スキルを、社外/社内問わず活かして、交渉・調整などを遂行する能力に長けていました。新規事業を誰に任せるかという議論が経営陣の中で起きたときも「胡麻さんなら大丈夫だろう」と、いや「胡麻さんしかいないだろう」との思いで任せることができました。

新規事業の事業責任者として、「事業づくりに必要なことはとにかく全部やる」というスタンスで、集客やCRMの設計、新卒・中途メンバーの採用なども進めてくれており、非常に頼もしいです。

渡邉氏が言うように、胡麻氏は「経営陣の求めていることを先んじてくみ取って行動に移す」ことを意識していると言う。

胡麻X Mileでは新規事業をどんどん立ち上げますが、僕はどちらかというと、もともと0→1は得意ではない方だと感じています。何かやったことがあるわけでもない。だから僕は、経営陣が構想したものを形にする人材になりたいと思い、2人の意図を把握して、「こういうことをしてほしいのではないか」と常に思考し行動するようにしています。

一方の藤本氏は、2022年4月に新卒入社してまだ1年に満たないものの、新規事業部のマーケターとして、マーケティング施策の企画・運用・分析の舵取りを行っている。事業責任者から受けたオーダーを毎月120%水準で達成し続けるなど、新卒入社1年目からX Mileの中でも圧倒的なバリューを発揮している。

しかし、注目すべきはそのパフォーマンスだけではない。“新規事業部のマーケター”という役割を藤本氏自らつくり上げたのだと言う。

藤本元々学生時代から長期インターンなどで、Webマーケティングに触れる機会があったんです。そこで、施策の細かい効果検証をするといった、数字を見る仕事が好きだなと感じていたので、マーケターというキャリアに憧れはありました。

とはいえ、新卒で最初からマーケティング担当になんてなれるとは思っていませんでしたし、営業職などで1年間くらいは基礎を固めるものだと思っていました。

しかし、入社後わずか1ヶ月で、渡邉さんから新規事業に興味はないかと問われまして。迷わず手を挙げたところ、新規事業部にはまだなかったマーケティング担当というポジションを切り拓くことができたんです。

渡邉藤本さんは、新規事業に足りていなかった、そして誰もしていなかったマーケティング業務を自分で定義して取り組み、かつ成果も出してくれています。

現在、着手している事業において、広告運用をはじめとした集客全般を推進してくれています。しっかり成果を残し、社内でも半期に一度の総会で新人賞を受賞しています。

そのポテンシャルは入社前から表れていて、特に印象的だったのが、採用面接が終わったあとに「なぜX Mileがいいのか?」をスライド30枚くらいでまとめてきてくれたこと。変わり者といえば変わり者かもしれませんが、すごく真面目に、そして主体的かつ論理的に考えることができる。

新卒・第二新卒であっても経営陣から確かな信頼と権限を勝ち取り、高いパフォーマンスを実現している胡麻氏と藤本氏。これまでの取材で再三語られたX Mileの「大胆すぎるほどの権限移譲」の実例が垣間見えた。

しかし、一方で「ただ胡麻氏と藤本氏が特別優秀なだけではないのか?」との声も聞こえてきそうなところ。そこで、次章ではX Mileの若手躍動の秘密を“若手の育成環境”といった観点から紐解いていきたい。

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新卒に新規事業のコア部分を任せ、同時に育成も行う

胡麻氏、藤本氏が入社間も無く成果を上げられている所以に、もちろん両氏の優秀さがあることは否定できない。しかし、2人は口をそろえて「社内のアシストなくしては成果は得られなかった」と振り返る。

藤本正式にマーケティング担当として新規事業部にアサインされるとすぐに、僕が直接求職者を集め、その経路から売上を立てるチームが組成されたんです。つまり、僕が求職者を集めてこないとそもそも売上が全く立たない状況です。「チャレンジングな仕事を任せてもらえた」という高揚感とともに、正直かなりのプレッシャーも感じていました。

というのも、当初は集客に関する実務経験は皆無だったので。媒体の仕組みもわからなかったですし、何もかもが手探りでした。

そんな悩みを全て率直に、事業部長に相談することにしてみたんです。

結果的に、人材業界の経験があった事業部長からいただいたアドバイスから試行錯誤を重ね、高い返信率で求職者を集められるようになったのですが、事業部長のフィードバックの仕方に“X Mileらしさ”というか、若手の成長に懸ける思いが伝わってきました。

X Mileはまだ新しい会社ですが、ロールモデルとなるいろんなメンバーがいるというのも魅力の一つだと思います。

事業部長は最初から“答え"を与えるのではなく、あえて「ゼロから仕組みづくりを進めていくためにはどうすればいいか」という視点から相談に乗ってくれたんです。「意思決定の部分」は僕に任せていただいて、必要があれば相談して解決していく形で進めることができたので、短期間で多くのことを吸収できました。

新規事業の、しかも売上の入り口とも言えるマーケティングの領域を新卒に任せる。かつ教育も同時進行で行う。そんなX Mileの意思決定は、ややもすれば「博打的な打ち手なのでは」とツッコミを入れたくなる読者もいることだろう。

しかし、これまでの連載でも取り上げた通り「創業1日目から1,000億円規模の企業になる前提」で組織づくりを行っていた同社は、若手のチャレンジによるリスクのコントロールという観点でも抜かりない。任せる業務範囲やそもそもの任せ方についても、渡邉氏はきちんと戦略を設計しているのだ。

渡邉そもそも、新規事業は事業内容やビジネスとしての攻め方が事前にかっちり決まっているわけではありません。だからもちろん、失敗したときの保険は常に考えています。

例えば今回の藤本さんの件でいえば、事業部長を直接アサインしてカバーしようとか、いざとなったら経営陣が入れば解決できるだろうというところを押さえた上で任せるようにしています。失敗を絶対にその人のせいにしないところまで考えてから渡すのが、X Mileとして大切にしたいと思っているポイントです。

僕は採用面接で語られたメンバー全員のやりたいことや、個人的なビジョンをしっかり覚えるようにしています。なので、新規事業ありき、というより、メンバーのWillとCan(スキル)を前提にチームを構成し、そこから起点に新規事業を考えていくといった手法を取ることが多いですね。

大前提となる全社戦略を向こう3〜5年分考えて、経営陣と毎週のように議論しているからこそできる、このフェーズならではの柔軟な対応だとも思います。

もちろん、前回の取材にもあった通り、アサインの仕方や組織戦略といった上流の設計だけでなく、経営陣が現場で積極的に若手にフィードバックすることもX Mileの特徴である点も忘れてはいけない。

胡麻野呂さん、渡邉さんは若手メンバーに対しても、それぞれの伸び代を個別でフィードバックしてくださいます。僕の場合は「根拠は?」「数字は?」といった類の声かけをされることが多いですね。

僕は前職時代から感覚的に営業をしていて、「とにかく頑張る」みたいな習慣がついてしまっていたのですが、X Mileに入ってからは定量的な数値や根拠に対する意識が日に日に高まっています。

しかし、恥ずかしながら、実はこれまで何度も同じフィードバックを経営陣にさせてしまった過去がありまして...…(笑)。一般的な企業であれば3回、4回と指摘しても改善しなければ見限られるものだと思いますが、野呂さん、渡邉さんは繰り返し繰り返し、熱意をもって言ってくださいます。人を見捨てたり、見切ったりしないところに、本当に感謝しています。

藤本氏も深く頷きながら、日々の経営陣とのやりとりを口にした。

藤本数字に関しては当初僕も課題を抱えていました。

人材事業はどうしても肌感覚で語ってしまうことも多いのですが、渡邉さんは妥協を許さず徹底的に数字ベースで考えさせてくれます。

例えば、感覚的に「こういう課題があると思います」と言ったときに、「その根拠となる数字はあるんですか?」とか、「分母が50を下回る場合はサンプルとして妥当性に欠ける」みたいな、「具体的な数値の意味」をフィードバックしてもらえます。そこに一貫性があるので納得感を持って改善し、また新しい提案をしていくことができますね。

渡邉お二人が営業とマーケターということもあり、数字に関するフィードバックが多いですが、やはり、目の前の数値をどう読むか、どう数字を解釈するかは流派があると思っていまして。

組織のスケールを前提にしたときに、そこで解釈のズレが起きないように言語化して認識をすり合わせることを意識しています。X Mileとして、その考え方にズレがあると、意思決定の仕方にブレが発生してしまいますから。

また、フィードバックが多いと聞くと「マイクロマネジメントなのか」と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。仮説の立て方、根拠の部分を確認できればいいと考えています。そこが正しければ、失敗したとしてもそれは“ただの結果”でしかありませんからね。

また、前回の3名対談でX Mileのカルチャーとして挙げられた「圧倒的な意思決定のスピード」は、両氏もひしひしと感じていると言う。

胡麻意思決定のスピードがものすごく早いからこそ、PDCAの回転が早くなって、その分自分の経験値をどんどん積めていくのはX Mileならではだと思います。

また、事業サイドの意思決定だけでなく、社内の人材開発という点でも僕たち「若手メンバーが成長できるかどうか」を元に意思決定をしてくださっていると強く感じますね。

例えば、何か提案したり相談したりすると、経営陣のお二人も忙しいはずなのに、ものすごいスピードでボールが返ってくるんです(笑)。我々も進めるスピードを早くせざるを得ないんですよね。

藤本僕がスピード感を覚えるシーンはアイデアの提案時ですね。きちんとした根拠や背景のもと、整合性が取れている、かつ熱量の高いアイデアであればすぐにでも通してくださるんです。

やはり、いくら綺麗なアイデアでも、新しい取り組みへの腰が重く、いったん保留となる企業は多いと思いますが、X Mileではそういうことが一切ないですね。

このような日々の若手とのコミュニケーションの意図を、渡邉氏はこう説明する。

渡邉「ロミンガーの法則」では、メンバーがビジネスにおけるリーダーシップを発揮できるための要素として、7割が業務経験、2割が薫陶、1割は研修と示しています。つまり、どれだけ研修を受けたかよりも、どれだけ打席に立って自分で手を動かして経験したかが実力の差に現れるということです。だからこそ、その人が主役になって仕事をする機会をつくり出すことを重視しています。

また、新しいアイデアの提案に関しては、そもそもですが、会社のミッションやビジョン、経営状況の共有を毎週全メンバーに対して行っているので、発散しすぎず、大きな意味での整合性が取れたものが上がってくるんです。

若手が打席に立つ機会をなるべく多く創出すべく、スピード感をもった意思決定とフィードバックを行う。そしてミッションやビジョンの定期的な共有を行うことで、経営状況に即したクリティカルなアイデアがどんどん現場から生まれてくる。

これらは、「創業1日目から1,000億円規模の企業になる前提」で組織設計の細部にまでこだわる野呂氏、渡邉氏率いるX Mileだからこそなせる技であろう。

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経営陣2人の相性の良さが、若手を惹きつける

前回の記事にて、年間50億円を動かした大手商社マン、リクルートにて全国TOPクラスの表彰実績を持つ凄腕セールス、大企業2社と戦略コンサルの経歴を持つMBAホルダーといった、前職で輝かしいキャリアを収めるプロフェッショナル人材が、X Mileに続々とジョインを決めていることが明らかとなった。

そして、今回の取材では新卒・第二新卒という立場ながら、上述したベテランメンバーに勝るとも劣らない活躍を見せる優秀な若手メンバーが在籍していることが判明した。一体なぜX Mileは、創業4期目にしてこれほどまでに優秀な人材を惹きつけることができるのだろうか? その所以を胡麻氏と藤本氏の視点からも紐解いてみたい。「経営陣と出会ったときの印象は?」という質問を皮切りに、両氏はX Mileに惹かれた理由を語り始めた。

胡麻野呂さんの第一印象は「ロボットみたいな人」でしたね(笑)。

オンラインでの面接だったこともあり、感情が見えづらかったのでそう思ったのですが、話をしていく中で、「熱い想いを内に秘めている人」「冷酷なわけではなく、ビジネスパーソンとしてプロフェッショナルな人」なんだなと思いました。

一方で渡邉さんは人間味のある方で、初対面なのに自分のことを話しやすいと思わせる、独特な雰囲気がある方だと感じました。ただ話しやすいだけではなく、論理的かつ理解できるように話してくださるので、納得感を持ちながらお話しできたのを覚えています。

その後も選考を通じてお二人と話していくにつれ、経営陣のバランスの良さ、役割分担がとてもしっかりしていることが伝わってきたんです。

野呂さんはどちらかといえば果敢にアクセルを踏みたがる方。渡邉さんは野呂さんのそういった性格を理解した上で、あえて適切にブレーキを踏んでいる。それでいて、ここぞという場面では2人で意思決定を加速させている。

そんな2人のバランスの良さ、お互いがお互いの強みを理解した上でメンバーにも自己開示をしているところに、率直に「気持ちいいな」と惹かれました。

また、僕は正直ノンデスク領域には全くと言っていいほど興味がなかったのですが、選考のときに事業計画を見せていただきまして。「この段階で5~10年後までこんなに細かく見据えているんだ」と驚きました。

「令和を代表するメガベンチャーを創る」と大風呂敷を広げている一方で、足元にはしっかりとした緻密な計画がある。「この2人についていけば何か面白いことができるんじゃないか」との直感から、すぐに入社を決めました。

藤本僕も胡麻さんと似たような印象を受けました。

2次面接で渡邉さんとお話ししてみて、やはり「心地よかった」のです。ロジカルだけどパッションもあって、その人間性にも惹かれましたし。

とにかく事業・組織全てにおいて“再現性のある仕組み”をつくって会社を成長させていきたいと話していて。「本当に『令和のメガベンチャー』を目指して会社を大きくしていこうとしているんだ」という熱量に圧倒されました。

選考の時点では野呂さんとはお話ししたことがなかったのですが、「渡邉さんのような方がついていく社長ってどんな人なんだろう」とすごく興味が湧きました。

また、自分はノンデスク業界というところにも興味を持っていました。ノンデスク業界自体に、と言うよりは「なんでその領域に、あえて目をつけるんだろう」と。

一般的にですが、頭の良い方や優秀な方は、投資とかコンサルティングとか、そういうドメインを見ると思うんです。

でも、彼らと同じ、もしくはそれ以上に優秀な経営陣なのに、”あえて” 彼らが目をつけない業界に当たりをつけて事業を展開しているところにも、他とは違う戦略があるんじゃないかとワクワクしました。

2人の入社の経緯を聞き、渡邉氏は「スタートアップに入ることに不安はなかったか」「大手企業やメガベンチャーに行こうとは思わなかったか」と問いかけた。

それもそのはず、両氏のポテンシャルを持ってすればどんなフェーズの企業でも十分に活躍できそうなところ。なぜ彼らはビジネスパーソンとして特に重要な20代を、“創業4期目のスタートアップ”に投じることを決意したのだろうか。

しかし、2人はともに実感がない様子。なにしろ創業期のスタートアップ将来性への不安を覚えたとしても不思議はない、と我々取材陣も考えていたのだが、なぜ彼らはそれを感じていないのだろうか。

藤本実は、僕はもともと安定志向で、大学1年の頃までは「安定した大企業に行ければいいな」と思っていました。

でもいざ就職先を考えたときに、今の時代には、大きな組織でポジションを積み上げていくよりも、個の力をつける方が安定につながると考えるようになりました。

そこでメガベンチャーかスタートアップで迷っていたのですが、どうせチャレンジするのなら、より規模が小さくて、仕組みが整っていないであろうカオスな状況に飛び込む方が楽しそうだなと思いました。

一方で、スタートアップであればどこでもよかったかと言うと、全くもってそうではありません。どうせなら「この企業は未来のメガベンチャーになる」と、自分で確信が持てる企業に入ろうと。

X Mileに関しては、会社の方向性や現状を毎週定例会議で開示してくれて信頼感がありますし、先ほど胡麻さんが話していた経営陣2人の相性の良さ、そして事業計画の解像度の高さがあるので、全く不安はありませんでしたね。

胡麻僕は、会社の将来性が不安というより、自分が30歳になったときに能力が身についていない方が怖いと思っていました。だから、大きな裁量を持って、自分で考えていろいろなチャレンジができる会社に身を置いた方がいい。仮に会社が潰れても、どこにでも転職できて活躍できるようなコアスキルを身につけたいと考えました。

前職のメガベンチャーでの経験も今に活きている素晴らしいものでしたが、やはりX Mileのような企業のフェーズで得られるそれとは違うものです。

まだ創業5期目でありながら年率売上成長率500%と、業績は右肩上がり。そんな伸びている会社で、マチュアなメンバーに揉まれながら働ける経験は、非常に得難いものだと感じています。どこに行っても通用するスキルは確実に身についているので、不安はないですね。

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「それってスケーラブルじゃないですよね」
が既に新卒社員の口癖に。
バリュー浸透の実態に迫る

既にこれまでの取材から、X Mileの成長を支える組織のカルチャーは十二分に読み解けたことだろう。そして、そのカルチャーは若手メンバーである胡麻氏と藤本氏にもしっかりと浸透している。

ともに新規事業部に所属し、業務上でも連携し合うことが多い2人。社歴、社会人歴ともに先輩である胡麻氏に対しても、藤本氏は積極的に意見すると言う。

胡麻僕たちは実際にメンバーと接点を持ってマネジメントしているから、判断の中に「この人ならこれはできるだろう」という希望的観測が入ることがあります。そんなとき、藤本さんが「いや、数字は出ていないじゃないですか」とはっきり言ってくれる。思わずハッとさせられますよね。年次関係なく意見してくれるのでとても助かっています。

藤本僕はそこまで直接メンバーと関わることがないので、その分バイアスなく、客観的に数字を見ることができると思っています。数字としてしか見ていないからこそ、逆に新しい観点から意見が言えるという意味では、特有のポジションにいるのかなと思っています。もちろん、「意見を言っても受け入れてくれるだろう」という安心感があるから言えているのもありますね。

「フラットな社風」を標榜する企業は多い。しかし、X MileはDay1から1,000億円規模・1,000人規模を見据えた組織づくりを進めてきたからこそ、ただの対外的なアピールではなく、実際の仕組みやカルチャーとして全体にこのようなフラットさが根付いているのだ。

胡麻X Mileには特徴的なカルチャーが多いですが、とりわけ「スケーラブルな仕組みをつくろう」というバリューは全ての社員が意識していることです。事業の成長を考えたときにも、人に依存しているとアッパーが見えてしまうと感じるので、いかに属人性を排除し、誰でも成果を上げられる仕組みをつくるかを、マネジャー陣のみならず現場のメンバーも常に考えています。

藤本X Mileでは「それってスケーラブルじゃないよね」といった会話が頻繁に行われています。目先の数字を優先したくなるときがあっても、このバリューに立ち返ることで優先順位が明確になります。そして、若手である僕たちも当たり前のようにこのバリューを意識できているからこそ、X Mileの組織的な強さが生まれていると感じます。

2人の発言からも、ミッションやビジョンから落とし込まれたバリューがきちんとワークし、着実に1,000人規模の企業へと歩みを進めていることが伝わってくる。

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「CEO、COOでも勝てない2年目社員がいます」。
スキルを“縦”にも“横”にも広げられる稀有な環境

今後、さらに「ノンデスク産業」の変革を推し進めるX Mile。先にも述べた通り、直近1年間で3つ以上の新規事業を立ち上げ、なんとうち1つは既に数十名の組織規模、そして数億円の売り上げに達していると言う。

そんなX Mileだが、当然のことながら今後も新たな新規事業を仕込み、組織も拡大させていく。それゆえ今後ジョインする人材にも、活躍できる場は豊富に用意されているそうだ。

そんなベンチャーパーソン冥利に尽きる瞬間に、若くして立ち会うことができた幸運な両氏。一体今後のキャリアについてどのように考えているのだろうか?

胡麻短期的には、今の事業を育てて会社の柱となる事業部にすることです。そのために、今行っている人材ソリューション事業に加えて、SaaSやマッチングプラットフォームなどの方向に展開していきたいと思っています。

もう1つ僕が構想しているのは、野呂さんが海外進出を決めたときには、必ず手を挙げようということです。海外事業は0→1が苦手な自分1人だったら想像もつかないところなので、野呂さんが行くと言ったならば即座に手を挙げて、野呂さんが構想したものを実現する役割を担いたいと思っています。

藤本僕も胡麻さんと同じで、直近では現在の事業ドメインの中での横展開に貢献したいと思います。個人的なキャリアで言うと、僕はマーケやエンジニアといった裏側の役割に興味があるので、軸はマーケに置きつつ、エンジニアの知見も身につけたいなと思っています。幅広く経験を積んで、プロダクトの開発から拡販までを管理できる人材になりたいです。

おそらくX Mileは、マーケ領域からエンジニアという大胆なキャリアチェンジにも寛容であろう。その理由は前回の記事にて紹介した、「マーケ領域にも挑戦したい」と自ら手を挙げて仕事を切り開いているセールスの事例をご参照いただきたい。未経験領域への挑戦によって自らの幅を広げていくことも、X Mileでは歓迎されている。

胡麻僕も藤本さんもそうですが、手を挙げればやりたいことがやれて、成長していける環境がX Mileにはあります。中には、事業部側から人事を希望するパターンもあるんですよ。

新たな領域にチャレンジすることは自分のためになると思いますし、しかも初めからノンデスク産業に興味がなくても十分戦えます。結局はコアスキルが大事なので、例えばここで3年働いて、やっぱり興味ないなと思えば退職してもいい。その頃には、次の会社でも必要とされるような人材に成長しているはずです。

藤本「自分の市場価値を上げたい」と考えている人にX Mileは合っているのではないかと思います。ノンデスク産業は大きな社会課題を抱える分野でもあるので、そこに参入して成果を出したとなれば、将来的に大きな実績になります。

また、社内にいる各職種のプロフェッショナルから学ぶ機会も多いので、自分の市場価値を上げられるチャンスがたくさんある会社だと思います。

X Mileのロールモデルの多様さについ目が行きがちであるが、もちろん縦にスキルを伸ばしていくことも可能だ。X Mileには各職種に卓越したスペシャリストが揃っている。「そういえば」と手を打った渡邉氏は、新卒2年目でありながら、既に経営陣も敵わない専門性を身につけているというメンバーの名前を挙げた。

渡邉創業期のスタートアップでは、どうしても経営陣がその事業領域を一番よく理解している場合が多いかと思います。

しかしX Mileでは、既に「この領域では、野呂さんも私も敵わない」というメンバーがいます。マーケティングのSEOを専門で担当している2年目のメンバーがいるのですが、その人のスキルの高さを見ると「この分野は絶対に勝てない」と舌を巻いてしまいます。

新卒でX Mileを選んでくれたメンバーが、わずか2年で経営陣の専門性を上回る人材に育つような育成の仕組みには、非常に手応えを感じていますね。

新卒・第二新卒であっても、既存のマチュアなメンバーと同等の裁量を持ち、経営陣と至近距離でスピード感を持って事業スケールに携わることができるスタートアップらしさ。

それでいて、「Day1から1000人規模を見据えた組織づくり・仕組み化の徹底」により、事業/組織のアップダウンを防ぐメガベンチャーの良さ。

スタートアップorメガベンチャーで迷う若手には、ぜひ両者の“良いとこどり”ができるX Mileのような企業を選択肢に入れてみてはどうだろうか。

こちらの記事は2023年02月24日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

落合 真彩

写真

藤田 慎一郎

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