飲食店向けのマルチプロダクト戦略で、年間支出額約25兆円の外食産業で広がる「テイクアウト・デリバリー」の課題解決を目指す。シリーズBで総額9.5億円を調達──株式会社tacoms
重要なのは、調達額の大きさ?バリュエーション?ラウンド?いやいや、スタートアップの資金調達とは、もっと奥深く、緻密で複雑なものである。
FastGrow編集部では、調達リリースを見るたび、その裏側について思いを巡らせ、その後のビジョンについて予測や仮説立てをしてきた。そのために知りたい情報を、ぜひ外部向けにも記事としてまとめてみよう──そんな想いで始まったこの連載。
今回は、2024年11月に資金調達を発表したtacoms(タコムス)について、その「横顔」をまとめる。
FastGrow編集部が注目するポイント
注目ポイント1
2021年の正式リリース以降、全国47都道府県で導入店舗数が拡大。2024年10月時点で9,000店舗以上の飲食店で導入
注目ポイント2
CEO 宮本氏が学生起業。COO 杉田氏・CTO 井上氏も含めた3人は2023年「Forbes 30 Under 30 Asia」に選出。その他、CFO経験者やメガベンチャーのシニアPdM経験者など、マネージャークラスも続々参画
注目ポイント3
2024年11月に新規プロダクト「Camel Order」をリリース。調達を経てマルチプロダクト戦略を強化、複数の新規プロダクトをリリース予定
代表を始めとした、同社のメンバーについて
(1)代表取締役社長 宮本 晴太 氏
調達に際してのコメント
私たちが向き合っている日本の外食産業は、年間で25兆円近くの支出額を誇る巨大産業であり、かつ日本の産業の中でもグローバルで高い競争力を誇る産業です。コロナ禍を通じたオンライン化の加速・深刻な人手不足・中食市場の拡大など大きく市場が変革する中で、店内飲食・テイクアウト・デリバリーなど、飲食店のあらゆる注文オペレーション・顧客との関わり方が急激に変化し続けています。
私たちはCamelシリーズを通じ、外食産業がこの先の数十年間ずっと日本を誇る産業であり続けるように、腰を据えて業界の課題解決に取り組んでいきたいと考えています。
そのための重要な戦略の1つとして、今回の資金調達を経て、Camelシリーズのマルチプロダクト戦略を強化していきます。組織面では、BizDev(新規事業開発)・PdM・ソフトウェアエンジニアを中心に、急速なプロダクトラインナップ拡充を実現するチーム作りを行なっていきます。
一緒に広大な外食産業の変革に向き合ってくれる方、ぜひお話しさせてください!
【総額9.5億円の資金調達しました】
— Seita Miyamoto | tacoms (@Seita_Hareta) November 13, 2024
本日、tacomsでは総額9.5億円の資金調達を発表しました!!https://t.co/BJWHAP4zB8
2021年のCamel正式リリースから、おかげさまでCamelシリーズは全国9,000店舗以上の飲食店様にご活用いただけるプロダクトへと成長してきました。…
プロフィール
東京大学工学部システム創成学科在籍(休学中)。東京大学入学後、株式会社Wizleap、株式会社VAAKなど複数のスタートアップにてマーケティング・エンジニアリング業務に従事。2019年5月に株式会社tacomsを設立。
(2)取締役 COO 杉田 翔 氏
プロフィール
早稲田大学商学部卒業。大学入学後、複数のスタートアップにてリスティング広告運用等マーケティング業務、flutterを用いたiOSアプリ開発に従事。2019年5月、株式会社tacomsを宮本と共同で設立。
9.5億円資金調達しました!
— 杉田翔 | 株式会社tacoms (@Sugita_Sho) November 13, 2024
マルチプロダクト化を進め、飲食店へのインフラを目指します!全ポジション積極的に採用中です!
外食やマルチプロダクトにピンと来た方、ぜひお話ししましょーーー!!! https://t.co/dHTv7txOlY
(3)CTO 井上将斗 氏
プロフィール
駒沢大学卒業。エムスリー株式会社、株式会社LIFE PEPPER、株式会社YOJO Technologiesなどでバックエンドエンジニアとして勤務の後、2020年4月に株式会社tacomsにCTOとしてジョイン。
調達の概要
プレスリリース |
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9,000店舗の飲食店のオンライン注文・デリバリービジネスを支援する「Camelシリーズ」の株式会社tacoms、総額9.5億円の資金調達を実施 |
調達額 |
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9.5億円 |
ラウンド |
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シリーズB |
主な使途 |
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サービス・プロダクトのプロモーション強化 |
採用強化 |
新規事業立ち上げ |
投資家からの評価(抜粋) |
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XTech Ventures株式会社 代表パートナー 手嶋 浩己氏 ・インベストメントマネージャー 鈴木 かおり氏 宮本さんからはふと、一見唐突に聞こえる相談をクイックにされることが多いのですが、それは起業家として常に「非連続な成長をどのように実現するか」を考え、いつもその手がかりを探しているからだと思います。基幹事業のCamelも前回出資時からMRRベースで10倍以上に成長しており、今回得た資金でより強いチームを作り、描いている大きな構想やビジョンに向けて一歩も二歩も前進してくれることを期待しております。 |
大和企業投資株式会社 国内投資運用第一部 次長 増田 智子氏
tacomsは、デリバリーサービスの一元管理を皮切りに、ユーザー規模を問わず、課題を解消するためのサービスを提供し、素晴らしい成長を遂げています。宮本社長を中心としたチームは、エネルギーと可能性に満ち溢れています。今後もユーザーの声を丁寧に拾い上げながら、魅力的なサービスを展開し、飲食業界の発展に貢献する企業として、大きく成長されることを期待しております。 tacomsの更なるチャレンジと飛躍への旅路に、ご一緒できることを大変嬉しく思います。 |
関連ポスト
宮本さんとは2年ほど前から始まったご縁で今回支援することになりました!tacomsとこれからご一緒させていただくことがとても楽しみです! https://t.co/NqGgNfcQIb
— 都 虎吉(Hogil Doh)/ VC@Global Brain (@hogil82) November 13, 2024
宮本さん率いるtacoms社に出資させて頂きました!!
— 潮田 俊介 | うっしー | VC (@sauner_usshiiii) November 13, 2024
飲食業界でのビジネス拡大余地、めちゃくちゃ大きいと思います!!期待しております! https://t.co/LKcPGX3PoE
主なサービス・プロダクト
飲食店のオンライン注文・デリバリービジネスを支援する「Camelシリーズ」
飲食店のオンライン注文・デリバリービジネスを支援するサービス。複数のデリバリーサービスの一元管理・POS等基幹システムとの連携を可能にする「Camel」の他、自社のテイクアウト・デリバリー注文サイト立ち上げを可能にするモバイルオーダー「Camel Order(2024年11月リリース)」など、様々な業種・規模の飲食企業のデリバリー・テイクアウト事業参入・店舗オペレーション改善を実現。
オンライン注文やCRMなども含めた包括的なサービスを目指し、今後も積極的に新たなプロダクトを開発していく。
FastGrow編集部の注目ポイント
- コロナ禍の影響や中食ニーズの広がりによって、拡大し続けるフードデリバリー/テイクアウト市場で急速にプロダクト成長
- 「吉野家」「びっくりドンキー」など、大手飲食チェーン企業での導入実績
- 外部パートナーサービスとのAPI連携を拡大するパートナー戦略を推進。顧客価値の最大化と併せて、強固な競合優位性を構築
採用関連情報
こちらの記事は2024年11月15日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。