連載ベンチャー人事報
日本のWeb黎明期知るグリー藤本氏、デジタル庁CTOとして何を為す?──21年8~9月の注目人事情報
ベンチャー・スタートアップの成長に影響する変数は多くある。その中で重要なものは何か?それを「人」に見るのがFastGrowだ。
どの業界・職種にも「〜〜といえば、〇〇さん」といったキーマンが存在する。これを読んでいるあなたの会社にも、キーマンがいるはずだ。この連載は、そうした人々のキャリアを月刊で取り上げる。つまり、ベンチャー界隈の注目すべきキーマンの情報、「人事報」だ。
特定の業界・職種問わず、転職・異動・今月の顕著な実績など、さまざまキーマンを取り上げる。第11回目となる今回、取り上げたのは、藤本真樹氏、渡辺雅之氏、橋爪克弥氏の計3氏。
デジタル庁、グリーの藤本氏をCTOに
LayerX執行役員の石黒卓弥氏が採用の助言役を務め、HR TechスタートアップのHERPが採用活動をサポートするなど、スタートアップ界と密接に連携しながら発足したデジタル庁。その陣容が2021年9月1日に発表され、グリーCTOである藤本真樹氏のデジタル庁CTO就任がSNSで大きな話題を呼んだ。グリー株式会社のCTOも継続しながら、兼任という形での就任となる。
デジタル庁の幹部人事発表。なんとグリーCTOの藤本さんが、デジタル庁のCTOに!
— 西村 賢Coral Capital / Ken Nishimura (@knsmr) September 1, 2021
2014年から続けたイベント「CTO Night」で、ずっと審査員長をして頂いて「お兄さんCTO」と勝手に呼ばせて頂いていましたが、こんどお会いしたら「日本のCTO」と勝手に呼ばせていただきます!https://t.co/7IjHy5OVdv pic.twitter.com/xuFsUVlrCb
藤本氏といえば、20代半ばで創業間もないグリーに参画し、技術面から同社の成長を16年にわたって支えてきたことで知られている。他業界と比較しても人材流動の激しいIT業界において、一貫してグリーに貢献してきた藤本氏は、確かな実力と物腰柔らかな雰囲気から日本中の多くのエンジニアに親しまれている。
「デジタル庁いきなりインタビュー」の動画の中で平井卓也デジタル大臣の質問に答え、「新しいチャレンジとして、僕ないし僕らの老後がちょっとでも豊かになるように頑張っていきたいと思います」と、飾らない話しぶりで意気込みを語った。
政府主導の改革において、このような日本のインターネット黎明期を率いてきた人物が参画するということは、デジタル化推進への大きな一歩ではないだろうか。新たなことにチャレンジし続けるデジタル庁に、今後も期待したい。
タイミーに、DeNA南場氏の右腕が参画
すぐ働きたい人とすぐ人手が欲しい事業者をマッチングするスキマバイトサービスを提供するタイミーが、渡辺雅之氏を社外取締役として招聘したと発表した。
DeNA創業メンバーの渡辺さんにタイミーの社外取締役に就任いただきました。南場さんに事業相談をしに行った時に「ナベならなんとかしてくれるかも!」とその場で連絡してくれたところからのご縁なので本当に感謝しかありません
— 小川嶺 (@Ryo_Ogawa70) August 19, 2021
しっかりと結果を出せるよう頑張ります!
https://t.co/CGPdowvLrR
渡辺氏は、南場氏と共にディー・エヌ・エー(DeNA)の創業に参画。12年間DeNAに在籍したのち、英国にて「Quippe」というデジタル教育プラットフォームを創業すると、日米欧の複数のVCから資金調達を行い、世界6か国にサービスを展開させた。その事業をリクルートに約48億円で買収するなど、起業家・事業家としての実績は折り紙つきだ。
タイミー代表の小川氏は、「グローバルでのビジネス経験をもとに、今後の当社の展開においてもグローバルな視点での助言をいただけると期待しています」とコメントを残している。
タイミーは、昨年のコロナ禍で飲食業の時短営業と閉店が相次ぎ、人手が必要無くなったため売上が減少し、苦しい状況にあったという。そんな中でもEC比率の増加などに伴う物流ニーズの拡大の波を掴み、結果的に最高売上を達成。新たな局面でさらなる成長を見込むタイミーで渡辺氏がどのような新しい風を吹かせるのか。引き続き注目していきたい。
日本でNo.1の技術系スタートアップコミュニティへの一歩
最後にお届けするのは、技術系スタートアップ経営者コミュニティを築き上げてきた橋爪克弥氏が、Beyond Next Venturesの執行役員に就任したニュースだ。Beyond Next Venturesは、「Go Beyond, Be Brave.」をミッションに掲げ、研究者や技術系スタートアップの起業家とともに新産業創出に取り組む企業だ。国内外のディープテックスタートアップへの出資、ハンズオン支援や、技術シーズの事業化、事業成長支援「BRAVE」という国内最大級の技術シーズ向けアクセラレーションプログラムなど、新産業創出に関する様々な事業を展開している。
今回執行役員に就任する橋爪氏は、ジャフコに新卒入社し、入社後10年間一貫して大学発ベンチャーへの出資に従事。2020年にBeyond Next Venturesへ入社し、ベンチャーキャピタリストとして主に医療機器やデジタルヘルス領域のスタートアップへのハンズオン投資を行うと同時に、技術系スタートアップ経営者のナレッジシェアを目的とする「BNV Fireside Chat」を主催するなど、同社の出資先企業約60社のコミュニティ形成に注力してきた。執行役員就任を機に、経営体制強化に伴ってより一層スタートアップ出資やハンズオン支援、そして、橋爪がリードして築き上げた技術系スタートアップ経営者コミュニティを活性化させていく。
【自社ニュース】この度、弊社の橋爪が執行役員に就任しました!スタートアップ出資やハンズオン支援、そして、橋爪がリードして築き上げた技術系スタートアップ経営者コミュニティをさらに活性化させ、出資先企業の皆様の課題解決を後押しできるよう、精進してまいります。https://t.co/SVsMCRNZjH
— Beyond Next Ventures (@BeyondNextV) August 18, 2021
日本で質・量ともにNo.1の技術系スタートアップ経営者コミュニティの実現を目指す同社。橋爪氏がビジョン達成のキーパーソンとして活躍することを期待したい。
あなたの会社のキーパーソンを教えていただけませんか?
さて、いかがだったでしょうか。どの企業にも必ず成長を支えるキーパーソンがいるはず。そのキーパーソンを、ぜひFastGrowに紹介いただけませんか?
こちらのフォームより、ぜひ教えてください!