連載ベンチャー人事報
【ベンチャー人事報Vol.20】注目企業の新CxO、14人を一挙紹介──22年5~6月の注目人事情報
ベンチャー・スタートアップの成長に影響する変数はさまざまあれど、最も重要なものは果たして何か。
それを「人」に見るのがFastGrowだ。月刊で「ベンチャー界隈の注目すべき人事情報」として、転職や異動、その他人事施策を取り上げていく。企業のスケールを推進するのは、起業家や事業家だけではない。対象は幅広く扱う。
第20回目となる今回、取り上げたのは、山下麻亜子氏、西尾慎祐氏、岩崎哲也氏、酒井勇輔氏、松本康平氏、鵜月健太郎氏、柿原秀道氏、加藤正紘氏、関雄太氏、林和樹氏、篠原祐貴氏、武政成彦氏、大野高宏氏、中村州一朗氏の計14氏。
『食べチョク』運営のビビガ、COO・CTO・CFOの体制整え、経営を盤石に
『食べチョク』を運営するビビッドガーデンが、経営体制の強化を発表した。事業戦略や組織設計などを統括してきた山下麻亜子氏が取締役執行役員COO、開発組織を統括してきた西尾慎祐氏が執行役員CTO、リクルートや大手金融機関で投資やM&Aに従事してきた岩崎哲也氏が執行役員CFOとなる。監査役を含め6名が新任という内容だ。
リリースによると、『食べチョク』は開始から5年半で登録生産者数が7,100軒、登録ユーザー数は65万人を突破するなど好調を維持。IPOといった次のマイルストーンへ向け、企業経営の盤石性を図っていく中での大きな取り組みの一つと言えるだろう。
注目は、執行役員CTOに就任した西尾氏だ。新卒入社したSIerから、一人目のエンジニアとして2018年にビビッドガーデンへ入社。プロダクト全般をリードし、CTOという肩書を得るまでに成長した。就任を報告したnoteでは、「メンバーが増えても開発がスケールしづらくなった」と、直面した課題について生々しく吐露する。開発組織について悩む読者には一読の価値がある。
執行役員となった酒井勇輔氏にも触れておきたい。クラウドワークスからFiNC Technologiesを経てジョインした。法人向けサービス『食べチョク for Business』の立ち上げを牽引した経験を活かし、どのような活躍を見せてくれるだろうか。
食べチョクの経営体制とコーポレートガバナンスを強化しました。
— 酒井 勇輔 食べチョク (@yusuketosakai) May 24, 2022
一次産業の課題を解決するべく、チーム一丸となって攻めていきます。https://t.co/FACCo0CiRJ
山下 麻亜子氏 |
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京都大学→マッキンゼー・アンド・カンパニー→ビビッドガーデン取締役執行役員COO |
西尾 慎祐氏 |
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山梨大学→SI企業→ビビッドガーデン執行役員CTO |
岩崎 哲也氏 |
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上智大学→日本IBM→三井住友銀行(SMBC日興証券)→リクルート→ビビッドガーデン執行役員CFO |
酒井 勇輔氏 |
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大阪府立大学→クラウドワークス→FiNC Technologies→ビビッドガーデン執行役員 |
400Fは、CTO・CFO・CBO・CCO・COO・CGOの新任を同時発表
お金の相談マッチングプラットフォーム『お金の健康診断』を運営する400F(フォーハンドレッド・エフ)が、新経営体制を発表した。なんと、CxOが合計6人、同時に新任発表となった。
執行役員CTOとなる松本康平氏は、東京大学からクックパッドを経て入社。執行役員CFOとなった鵜月健太郎氏は、慶應義塾大学卒業後に大和証券でIPO業務を担当したのち、海外の投資銀行でM&A関連業務も経験してきた。
そして、野村証券とクレディ・スイスのプライベートバンク部門に18年間在籍してきた柿原秀道氏が、執行役員CBO(Chief Business Officer)に就任。三菱UFJモルガン・スタンレー証券からジョインした加藤正紘氏が、執行役員CCO(Chief Customer Officer)に。
また、野村證券やデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー、groovesなどで経験を積んだ関雄太氏が執行役員COO(Chief Operation Officer)となり、エイチームにて子会社社長も務めた林和樹氏が執行役員CGO(Chief Growth Officer)に就任する。
新しい経営体制の発表を行いました!
— Jin Nakamura/お金の健康診断_400F (@JinNakamura400F) May 18, 2022
非常に良いメンバーが集まってきていてすごく嬉しいです!メンバー詳細は是非リリースをご覧ください!https://t.co/rYK6FTXpD7
リリース内でも事業状況については「2022年1月から3月末の登録ユーザー数は21,775名となり前年同期比の約5倍、そのうち2022年1月は単月で新規登録ユーザー数が過去最高となる8,232名で、合計6万人以上の家計データがプラットフォーム上に収集されています」と説明。ここからさらなる非連続成長がみられるのか、この6名の手腕に期待しよう。
松本 康平氏 |
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東京大学大学院情報理工学系→クックパッド→400F執行役員CTO |
鵜月 健太郎氏 |
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慶應義塾大学大学院→大和証券→米系投資銀行→400F執行役員CFO |
柿原 秀道氏 |
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名古屋大学→野村證券→クレディ・スイス→400F執行役員CBO |
加藤 正紘氏 |
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明治大学→三菱UFJモルガン・スタンレー証券→400F執行役員CCO |
関 雄太氏 |
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早稲田大学→野村證券→KMPG税理士法人→デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー→grooves→400F執行役員COO |
林 和樹氏 |
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京都大学→トヨタFS証券→エイチーム→エイチームフィナジー代表取締役社長→400F執行役員CGO |
Spir、マネーフォワードケッサイ篠原CTOを招聘しCROに起用
日程調整ビジネスカレンダー『Spir(スピア)』を展開するSpirは、CRO(最高信頼性責任者:Chief Reliability Officer)に篠原祐貴氏を選任したと発表した。
篠原氏は新卒でヤフーに入社後、いくつかのスタートアップにてCTOや技術部長などを努める。その後、マネーフォワードグループのマネーフォワードケッサイ(旧MF KESSAI)に創業CTOとして参画し、幅広い課題に向き合ってきた。
はじめましてshinofaraです。Spir全体のReliabilityを高め続ける事をMissionにCROとしてJOINしました
— shinofara (@shinofara) May 18, 2022
まずは↓に注力していきます
Service Reliability
Corporate Security(コーポレートITや情シス)https://t.co/Ejqp0YKOF4
日本からグローバルへということで、日本らしく和装にしました(後付け
いま話題のSaaS戦略の一つ、PLG(Product-Led Growth)を体現するプロダクトとして注目が集まる『Spir』。この勢いをさらに加速させ、世の中のスタンダードとして根付かせることができるか。篠原氏の剛腕がどのように振るわれるのかが楽しみだ。
篠原 祐貴氏 |
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ヤフー→スクーCTO→ヤフー→メドピア→マネーフォワード→マネーフォワードケッサイ→Spir CRO |
元ラクスルPdM武政氏、アダコテックCPOに
PdM(プロダクトマネジャー)という職種が市民権を得て、人材の獲得競争が激化し始めてから、数年が経ったところだろうか。著名ITスタートアップでPdMを長く務めたのちに、CxOクラスのポジションとなった例がみられるようになってきた。
その一人としてひそかに注目を集めているのが、武政成彦氏だ。武蔵野美術大学を卒業後、メーカー勤務やフリーランスを経て、カブクでプロダクト開発やアライアンスなどを担当。その後2017年からラクスルの印刷事業において、デザイン領域の事業責任者兼PdMとなった。
ラクスルの代名詞ともいえるプラットフォームビジネスの構築や、新規事業群にあたるSaaSプロダクトの開発に携わってきた武政氏。まさに時代の最前線でプロダクトマネジメントをになってきた人物と言える。
この度、アダコテックのCPO職を拝命しました!AI検査の標準となっていけるように、会社一丸となって課題解決に取り組んでまいります。
— 武政 成彦 / CPO@アダコテック (@takemasa_nori) June 1, 2022
新しい仲間を鋭意募集しております!是非一緒に事業とプロダクトを作りましょう!https://t.co/C5L5AOhwtr
この6月からアダコテックのCPO(Chief Product Officer)に就任したことが明らかになった。就任コメントでは「製造業の内側から革新や生産性改善を担う方々が、プロダクトを通してAIやデータの活用でインパクトを生み出せる世界を創出してまいります」と力強く宣言。同社の事業展開にどのような影響を与えるのか、楽しみで仕方がない。
武政 成彦氏 |
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武蔵野美術大学→メーカー→フリーランス→カブク→ラクスル→アダコテックCPO |
KDDIでCVC設立の大野氏が、menu副社長に就任
コンサルティングファームやメガベンチャーから、スタートアップのCxOとして招聘される例はかなり増えてきたといえる。最初は肩書がないケースも含めれば、毎日のようにどこかのスタートアップにジョインする例があるだろう。では、いわゆる大企業出身者ではどうか。必ずしも多くないというイメージを持つ読者が多いかもしれない。
そんな中、イノベーティブ大企業ランキングで4年連続1位を勝ち取っているKDDIから、大野高宏氏がmenuの代表取締役副社長に就任することが発表された。
大野氏は1995年にKDDIに入社し、米国子会社の勤務も経験したのち、2011年からベンチャー投資ファンド「KDDI Open Innovation Fund」の設立と運営に携わってきた。Gunosyやナビタイムジャパンとの共同事業や、キッザニアを運営するKCJ Groupのグループ会社化を推進するなどしてきた。
直近もauスマートパスといった新規事業の開発を推進しつつ、menuの社外取締役も務めてきた。そうしてこの度の副社長就任となった。
フードデリバリー事業は、日本でもかなりレッドオーシャンな様相を呈してきた。KDDIとのシナジーをはじめ、どのような展開で新たな価値を社会に提供してくれるのか。大野氏の手腕発揮が待たれる。
大野 高宏氏 |
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KDDI→menu代表取締役副社長 |
フォトラクション、CTOにCA・楽天・DMMで活躍の中村氏を招聘
建設・土木の生産支援クラウド『Photoruction(フォトラクション)』の開発および運営を行うフォトラクションは、執行役員CTOに中村州一朗氏が就任したと発表した。
心強い仲間がジョインしました!CTOに就任した中村さんに開発をリードしてもらい、より満足度の高いサービスにしていきたいと思います。
— 中島貴春 @ 建設テック_フォトラクションCEO (@1988_nakajima) June 1, 2022
エンジニアも絶賛募集してます。ご興味ある方はお気軽にご連絡ください!https://t.co/a2VMegRHKy
中村氏はSlerでITアーキテクトを経験したのち、サイバーエージェントにてビッグデータ基盤の開発やプロダクト全体のグランドデザインという大役を担い、さらに複数の広告プロダクトの技術責任者として活躍。そんなアドテクでの経験を活かし、今度は楽天でグローバルアドプラットフォームプロジェクトの日本側のPdMに就任するなど、大規模なプロジェクトやプロダクトに携わってきた。
直近はDMM.comにてグループ全体のマーケティングプラットフォーム構築の責任者となり、事業拡大に貢献してきた。
就任に際してのコメントでは、「建設DXが加速していく中、正面から建設業界の課題に向き合っている中島の姿勢に強いポリシーや覚悟を感じ、自分の今までの経験やスキルをフォトラクションに活かすことでより良いプロダクトをお届けしたい」と抱負を述べる。プロダクトのさらなる進化を、どのようなかたちで見せてくれるだろうか。
中村 州一朗氏 |
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SBI系Sler→サイバーエージェント→楽天→DMM.com→フォトラクションCTO |