Twitter、リプライ警告機能、はじまる──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。リリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップパーソンのために、週次でウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──
土日にまとめて読みたいニュースを、毎週金曜日に更新中。
今回は、外国のスタートアップに関連したニュース4つをピックアップした。
・そのRT、ちょっと待った。Twitterにツイート確認機能が追加
・有料の無人タクシーサービスが北京で提供開始
・アメリカ、コロナウイルスワクチンの特許権放棄を支持
・Uberが配達サービスのスタートアップと提携を発表
そのリプライ、ちょっと待った。Twitterの新機能
Twitterが有害または攻撃的な可能性のある返信(potentially harmful or offensive reply)に対して、再考を促すポップアップを表示させると発表した。まだ、日本版ではリリースされず、アメリカ版でのみリリースされる。同発表の中で、テスト段階では、約34%の人がポップアップを見て、元のツイートを編集・削除したと述べられている。
日本版でもすでに、リツイート(RT)への再考を促す表示は出ている。それは「Twitterで開いていない記事を共有しようとしています。」というもの。内容を理解せずに拡散する流れを止めようとしたものだった。今回の措置では、ツイート内容の確認にまで踏み込んだという点で、投稿への介入を強めたとみることができる。
近年、SNSをはじめとしたネット上での誹謗中傷は止まるところを知らない。SNSサービスを提供する企業も多い中、今回の施策が、社会問題化している「言葉の暴力」への対応策として、どこまで効果が発揮できるか注目だ。
モビリティの「アポロ計画」
無人タクシー、北京でも始動
自動運転、スマホと自動車を連携させたコネクティッドカー、ドローン技術を利用した空飛ぶクルマなど、モビリティの進化は止まるところを知らない。だが、実現するとなるとかなりのハードルになる。法律は?道路は?既存のタクシー業界は?など制約は多い。
そんな中、北京で無人タクシーのサービスが開始された。主導したのは、中国の大手IT企業「百度(バイドゥ)」。検索エンジンに強みを持っており、バイドゥの日本法人は『Simeji』を提供している。今回の無人タクシーサービスは、北京にある2022年の冬季五輪の会場でスタートし、料金は30元(約500円)とされる。
この大規模プロジェクトは2017年に始まっており、「アポロ計画」と呼ばれていた。提携している企業数も中国企業だけでなくアメリカ・日本などから100社以上が参画していただけあって、注目度は大きい。例えば、アメリカのフォード・モーター、エヌビディア、マイクロソフト、インテル、ドイツのダイムラー、日本からはトヨタ自動車やホンダ、パナソニックなど自動車関連企業やIT企業も参画している。今回の発表は、日本でも無人タクシーやバスが走り出す時代がそう遠くないことを感じさせる。
アメリカ政府、ワクチンの特許権の一時放棄を支持
バイデン米政権が、新型コロナウイルスワクチンの国際的な供給を増やすため、特許権の一時放棄を支持すると表明した。アメリカ通商部代表のKatherine Tai氏は本件にあたって、このように述べている。
Tai This is a global health crisis, and the extraordinary circumstances of the Covid-19 pandemic call for extraordinary measures. The administration believes strongly in intellectual property protections, but in service of ending this pandemic, supports the waiver of those protections for Covid-19 vaccines.
背景には、国家間の接種格差の拡大があり、アメリカが独占していると批判の対象になっていることが挙げられる。他方で、アメリカの製薬会社は技術流出を理由に猛反発している。
アメリカ政府の行動は、確かに意義がある。しかし、途上国にワクチンが流通していないのは技術だけでなく、原材料の問題もあるはず。特許権を一時放棄が流通量の増加にどれほど因果関係があるのかは疑問だ。
もう家から出なくても生活できるんじゃない?
最後にお届けするのは、アメリカのスタートアップ最新情報だ。Uberと日常品の配達サービスに強みを持つGopuffが資本業務提携を発表した。
Uberは今さら説明する必要もないだろう。Gopuffは、食料品のような日常生活で必要なものの配達サービスに特化したアメリカのスタートアップだ。食料品や日用品を買いに行くというと、コンビニや近所のスーパーマーケットを想像する人が多いだろう。働いている人なら土日にまとめ買いをしているかもしれない。Gopuffは、それをEC化し、アメリカの地方で特に強いサービスとなっている。
この提携で、Uberが扱う品目にGopuffが扱っている品目が追加される。もはや、日常生活に必要なものが、ECで揃う世界はもう目前にまで来ているのだろう。今回のGopuffとの提携には、コロナ禍で移動が減り、配車が減少した一方で、食品配達は成長が続いているという背景がある。Uberの2021年1月-3月の決算では、売上の軸足は配車サービスから食品配達サービスに移っており、配送へのニーズの高まりがまだ続くとみているとすれば、今後も食品配達サービスの事業が強化されていくと考えられる。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?GWは、お家でゆっくり休まれた方も多いはず。今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2021年05月07日に公開しており、
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