Zoom会議、次のトレンドは“声紋”だ──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。
当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信しいていく。
題して、週刊スタートアップ通信──。
今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。
・“声認識”の誕生?Zoomを、よりスムーズに
・デザインカンパニーがDX支援すると、どうなるのか
・素の自分を出しやすく、雑談が生まれやすいSNSとは?
・SNSデータから見る「学生の注目企業2021」が発表!
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
“声認識”の誕生?Zoomを、よりスムーズに
声紋を識別して文字起こしをする──。
文字起こしはライターだけではなく、議事録を記録する人にとっても重要なツールとなっている。しかし無料版では精度が悪く、ほとんど聞き取っていない場合もしばしば。有料版でも日本語の場合、精度が8割程度と、結局は手間がかかってしまう。
このうんざりする文字起こしに革命が起きるかもしれない。
Zoomの会議に限定したツールだが、レブコムはAIによる文字起こしとトーク分析機能を搭載した『MiiTel for Zoom』の提供を開始した。従来の『MiiTel』は、AIによる文字起こしとトーク分析機能を持つ文字起こしサービス。これにより、Zoom面談の迅速な可視化と社内での共有を可能とし、オンライン面談の生産性向上を実現する。
主な機能は「自動文字起こし・話者特定」「録画の簡単共有」そして「トークのスコアリング」の3つ。中でも、声紋から話者を判別する機能は今までにないもので、注目を集めている。他にも、話す速度や相手話者との被り回数、沈黙回数をカウントすることで算出するスコアリング機能は特徴的だ。
価格は月3,980円(月100時間まで、1ID)。オンライン商談が一般的になった今、営業力や組織力を高める上で、重要なツールとなるのかもしれない。
デザインカンパニーがDX支援すると、どうなるのか
グッドパッチは、「デザインの力」でDXを支援すると発表した。伊藤忠テクノソリューションズと提供し、DXプロトタイプを作り出すプログラム『Transfer Starter』を開始。強みであるUIやUXデザイン力を活かし、DXプロジェクトの推進に不可欠な「社内での共感」を生み出すサービスだ。
CTCさん、引き続きよろしくお願いします! https://t.co/gJ0EQJkvzv
— 土屋尚史 / Goodpatch (@tsuchinao83) November 10, 2021
背景には、大企業においてDXが浸透しないことがある。その理由には、実現性を加味した顧客起点の製品やサービスの設計力と、ステークホルダーの巻き込みの2点が挙げられる。
これを踏まえ同社は、DX試作立案から開発実装までを4フェーズに分割。
DXの全体を理解する「知る」、プロダクト開発の方法を体感しつつアイデア固めや社内外含めたステークホルダーの理解・共感を得る「体感する」、開発の準備を行う「助走をつける」、そして製品定義とビジネス課題の効果を明らかにする「走り続ける」と明確にし、サポートする。
その中から今回は、2つ目の「体感する」に該当するDXプロトタイプを作り出すプログラム『Transfer Starter』を開発。新規事業開発者やプロダクトマネージャーをターゲットに、プロダクトの体感を提供する。
グッドパッチといえば、同じく大企業と組んで日本産業にDXを浸透させようとするビットキーに投資している。こうした企業がデザインやプロダクトの力で、だれでも目に見えてわかるようにDXを浸透させていくことが期待される。
素の自分を出しやすく、雑談が生まれやすいSNS
SNSのモデルをとるtoCサービスが増加している。YOUTRUSTやMeetyをTwitterで見ない日はないくらいで、パラレルの12億円調達も話題を呼んだ。そんな中、新たなサービスを一つ、紹介したい。
Anycloudは、友達ともっと仲良くなれるSNS『mio』をリリースした。mioとは、同社によれば「会話が自然と生まれ、友達ともっと仲良くなれるSNS」だ。
友達ともっと仲良くなれるSNS「mio」をリリースしました!
— むらい (@wyvernMurai) November 10, 2021
約1000人の方のご協力、10ヶ月間ほどの改善を経て、「素の自分でいられる」「雑談が生まれやすい」環境を作れたと感じています。
設計の裏側含め書いたので、よければ見てみてください〜!https://t.co/rBPjerAkzu
mioの特徴は、「やりとりのある友達だけが残る」「会話が自然と生まれる」「他人と比較せずリラックスして使える」の3つ。
やりとりのある友達だけが残るというのは、リアクションやメッセージなど、インタラクションの時間別分布や、自分と友達がどれくらいアクティブにmioを使っているかなどから判断。やりとりが少ない友達は自動でつながりを解除される仕組みだ。
この次世代SNSリリースを受け、一部のベンチャーパーソンが参加して反応。LINEでPdMを経験し、現在はYOUTRUSTのユートラ編集部編集長を務めるというSNSに詳しいりょかち氏も感想を連続ツイートした。
mio雑感。投稿するときに投稿範囲や表示時間を選べるのが一番の特徴ぽい。普段のSNS使ってて感じるちょっとしたハードルの高さを軽減してくれる。位置情報シェアもシェアできるし、投稿の補助としてハッシュタグもあり(しかも開くたび?切り替わる)、ぬるぬる動くしSNSとしてめちゃ触りやすい… pic.twitter.com/19Ud3xI6F2
— りょかち (@ryokachii) November 10, 2021
友達の仲を深め、SNSでありがちな炎上を避ける。もしかしたら、Z世代にとって「心のよりどころ」となるSNSになるのかもしれない。
SNSデータから見る「学生の注目企業2021」が発表!
学生が注目するベンチャーはどこか?
なんとなくベンチャーに興味を持つ学生が増えているという感覚はあるものの、明確に「増加している」と言えるデータが今までなかった。その中で企業の採用広報支援を行うNo Companyは「SNSデータから見る『学生の注目企業2021』」を発表した。
その頂点に立ったのは、スタートトゥディ(ZOZO)とバーチャルライブ配信やVTuber事務所を運営するカバー。その後に、メルタやキャスターが続いた。令和トラベルやメルカリ、グッドパッチなど、国内有名スタートアップ・ベンチャーも上位にランクイン。
調査方法は、SNS分析ツール『THINK for HR』を用いて、学生が就職活動で参考にするワンキャリアやFastGrow、Wantedlyなどといったトップ20メディアに掲載された「企業名が入っている記事」「企業の社員が取り上げられている記事」が、SNS上でどれほど「いいね」や「リツイート」「シェア」「コメント」などのアクションをされたのか、エンゲージメント量を計測。ポジティブな反応、ネガティブな反応の双方を含んだ数値で、数が多いほど多くの学生が話題にしているという意味で「注目されている」と定義した。
学生がどんな企業に注目しているのか、一目でわかるのは企業にとってもいい指標だ。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2021年11月13日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。