スタートアップメディア最高峰のTechCrunchJapan終了へ──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。
土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。
今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。
・TechCrunch、日本は閉鎖へ。起業家の悲しみ相次ぐ
・Luup、新電動キックボードを発表
・同期と出会おう!2年ぶりに合同入社式開催
・実は大したことないスタートアップの「現実」
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
TechCrunch、日本は閉鎖へ。起業家の悲しみ相次ぐ
衝撃が走った。
日本のスタートアップを15年間にも渡って支え続けた『TechCrunch Japan』が、2022年5月1日をもって閉鎖されることが決定した。3月31日で投稿を終了し、その後は米国版のTechCrunchにリダイレクトされるという。
【重要なお知らせ】
— TechCrunch Japan (@jptechcrunch) February 15, 2022
「TechCrunch Japan」および「エンガジェット日本版」終了のお知らせ
Boundless株式会社
(TechCrunch Japan、エンガジェット日本版 運営)https://t.co/iS3fOt3oDa
同ニュースが流れた瞬間、多くの起業家やスタートアップ関係者から驚きの声が上がった。
起業家の中には、過去掲載された記事をTwitterでシェアする投稿や、感極まってnoteを執筆する人まで現れた。中にはTwitterのルームで話題になるなど、その日だけではなく今でもこのニュースを取り上げる人は少なくない。それほどまでに愛されたメディアだということが証明された瞬間だった。
TechCrunchとEngadget日本語版の終了のニュースを聞いて、何か書かなければいけない思いに駆られて、無駄に長い長文を書いてしまいました。
— 徳力 基彦(tokuriki) (@tokuriki) February 15, 2022
でも、後悔はしていません。
長い歴史のなかで携わられた関係者の皆さん、改めて本当にありがとうございました。https://t.co/KXumcrhNnX
TechCrunchに関わってきた皆さん本当にお疲れ様でした。この媒体が無ければ起業していなかったとか、アイデアを思いつかなった、資金調達出来なかったという人は多いはず。沢山の人の人生を素晴らしく変えたメディアだと思っています。業界への貢献度は計り知れません。
— Yusuke Horie/dely (@yusuke_horie) February 15, 2022
ありがとうございました!
TechCrunchJapanに関わってきた全ての方々、本当にお疲れ様でした。
— 岡井 大輝|『LUUP』電動キックボードシェアアプリ (@DAIKIOKAI) February 15, 2022
日本のIT業界の立ち上がりに不可欠な存在でした…。
Luupもプロダクトがまだ存在しない時期から取り上げて頂いています…。本当にお世話になりました。
また、支えてくれているメディアの皆様
いつもありがとうございます。 pic.twitter.com/ARwy8qVLH3
なぜ急に、日本版のTechCrunchが閉鎖されることとなったのか、関係者以外わからない。
だが、スタートアップシーンを支えた重要な存在であったことは確か。影響は小さくないだろう。
2006年からスタートアップやテック系の記事を執筆し続けてきたTechCrunch Japanの編集者・ライターなど関係者の皆様を、この場をお借りして労いたい。
Luup、新電動キックボードを発表
Luupは、視認性を向上させた新しい電動キックボードを発表した。
この度LUUPはロゴを刷新するとともに、新モデルの電動キックボードと電動自転車を発表させていただきました!
— 岡井 大輝|『LUUP』電動キックボードシェアアプリ (@DAIKIOKAI) February 15, 2022
まずは新が皆様の街にも順次登場していきますので見かけた際にはぜひ教えてください!!!
これからももっともっと機体とアプリを進化させていきますー!https://t.co/zS0sKIH1yA pic.twitter.com/eGX0eIBK5T
Luupは、街じゅうを「駅前化」するインフラをつくることを掲げ、電動キックボードや電動アシスト自転車を東京都を中心に拡張中だ。その中で今回は、デザイン、そして機能を改修。デザインはインフラとして街にやさしく馴染みつつ、どこか先進性や高級感を感じられるようなオリジナルのブランドカラー『LUUP GREEN』と白、黒によって構成。機能面では、電動キックボードの安定性や各種パーツの操作性を向上させた。
今後同社は、若年層だけではなくさまざまな世代が利用できるよう、電動キックボードと電動アシスト自転車以外に、電動・小型・一人乗りのマイクロモビリティを包括的に取り扱う予定という。
今後もLuupの目指す街じゅうを「駅前化」するインフラに注目していきたい。
同期と出会おう!2年ぶりに合同入社式開催
同期という存在は「偉大」だ。
YOUTRUSTとHERPは合同で、『2022 スタートアップ新卒合同入社式』を4月1日に開催する。スタートアップは新卒のメンバーが少ないからこそ、企業を跨いだ入社式を開催することで、「新卒同期」のコミュニティ形成を目指す。
2022年度スタートアップ新卒合同入社式のアカウントが誕生しました
— 2022年度スタートアップ新卒合同入社式 (@startup_22) February 17, 2022
こちらのアカウントでは、イベントの最新情報や参加企業のご紹介などを行なっていきます
同じ場所から出発しよう。それぞれの行き先へ。#startup_shinsotsu22 #スタートアップ #新卒 #入社式 pic.twitter.com/NfpDkWUBOH
参加対象企業は、新卒入社人数が10人以内。定員は200人を予定している。
今回の合同入社式を受けYOUTRUST代表取締役の岩崎由夏氏がnoteを公開。「同期」の存在がどれだけ大きいのかを書いた。
前回の開催は2019年。ここで参加した30社程度、計100名の「同期」たちは今でも同期として、仲間としてあるようだ。オンラインイベントが浸透した中、あえてリアルで開催することで、「同期」づくりをサポートする。
実は大したことないスタートアップの「現実」
スタートアップは輝かしく見える。いや、正しくは「見せている」。
カミナシCEOの諸岡裕人氏は、「実は意外と大したことない。スタートアップの現実と数字(カミナシの場合)」というタイトルでnoteを投稿。これが今、注目を集めている。
シード資金だけでPMFして、創業から2年でシリーズA10億円調達...そんなことは滅多に起きません。
— 諸岡 裕人|カミナシ CEO (@morooka_hiroto) February 14, 2022
現実はもっと悪い。
でも、その最悪と感じる状況は「実は普通」です。というnoteを書きました。カミナシのMRRや評価額などリアルな数字を使ったスタートアップの現実物語ですhttps://t.co/LgZH9GEcKd
このnoteは資金調達や融資といった「お金」を軸に書かれている。ストーリーはスタートアップならだれしも「起業」から紡がれ、シード、プレシリーズA、ピボット、そしてリスタート、シリーズAと続く。
今では、日本を代表するスタートアップの1社として名を連ねるが、一方でシリーズAラウンドの資金調達前はキャッシュが足りなくなる寸前まで追い込まれていたと赤裸々に記述。その頃、現在もCOOを務める河内佑介氏を採用したエピソードは、読者もヒリヒリした感覚にさせられる。なんとか8,000万円の融資を確保して事業を存続・成長させていったという話も鳥肌ものだ。
スタートアップに対して、多くの人はどうしても「キラキラ」したイメージを抱く。一方でこのnoteは、スタートアップで働けばわかる「泥臭さ」を体感できる。とても現実的な記事だと感じた。 スタートアップで働くことを気になっている、もしくはオファーを受けているひとは一度このnoteを読んでほしい。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2022年02月18日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。