連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

一軒家から上場企業に。ベースフードが上場承認──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。

今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。

・DNX Ventures、累計400億円規模の日本特化新ファンド組成

・スタートアップ買収の減税どう見る?起業家・VCの反応は

・ベースフードが赤字で上場承認、成長期待を見る

・一番投資したいスタートアップは「お金がいらないスタートアップ」?

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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DNX Ventures、累計400億円規模の日本特化新ファンド組成

シリコンバレー発のVC、DNX Venturesが、日本での投資にさらに本気を出してきた。

投資先を日本企業に特化したファンドを新たに組成すると発表した。今までの投資先は、拠点のある日本とアメリカという2軸で運営されてきた。しかし今回新設した4号日本ファンドと、3号アネックスファンドは投資先にアメリカ企業を含まず、日本を中心として、一部アジア地域を含むファンドとなるという。

合わせて、シードファンドを組成。今回立ち上げた3つのファンドで累計400億円規模を目指すという。

DNX Venturesの国内での投資先といえば、アンドパッドやカケハシ、コミューンなど。この新規ファンドからもすでにUPSIDER、ROMS、DIGGLEなど21社への投資を発表している。

日本のスタートアップエコシステム発展にどのような貢献がみられるのか、楽しみで仕方がない。

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スタートアップ買収の減税どう見る?
起業家・VCの反応は

スタートアップ買収の際に法人税を減税する。時事通信によれば、「株式取得価額の25%を課税所得から控除する案がある」ようだ。この案は11月以降、本格化する与党税制調査会の議論で具体案の調整が進む見通しのようだ。

この報道を受け、Twitterではさまざまな意見が飛び交った。

基本的にはこの動きに賛成の意見が多いようだった。たしかに日本のスタートアップのエグジットは、IPOがメインであり、M&Aでの事例はなかなか語られない。より起業しやすく、よりスタートアップが生存しやすい環境下にしていくために、この施策が重要な意味を持つことになるのか、それとも。動静を見極めよう。

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ベースフードが赤字で上場承認、成長期待を見る

最近よくコンビニで見かけるようになった完全栄養食『BASE FOOD』。これらを手掛けるベースフードが、東京証券取引所グロース市場へ新規上場承認された。

ベースフードは、「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに」をミッションに掲げ、完全栄養の主食『BASE BREAD』や『BASE PASTA』などを手掛けている。今まではEC販売がメインだったが、最近ではコンビニでもよく見かけるようになった。

今回の上場申請のリリースを受け、各方面から賞賛の声が届いた。

また今週は、教育事業のバックオフィスの効率化を手がけるPOPERも上場承認を受けた(FastGrowによる過去の取材記事がこちら)。

なお、日本経済新聞によれば、4-9月期の国内IPOは37社と前年比4割減だった。「今年のIPOは少ない」と言われた2022年だが、年末に向けて最後のラッシュを予測する向きもある。どのような企業がIPOのとなるのか、引き続きウォッチしていきたい。

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一番投資したいスタートアップは「お金がいらないスタートアップ」?

「投資家が一番投資したいスタートアップは、お金がいらないスタートアップなのかもしれない」

Coral Capital CEOのJames Riney氏の投稿と、彼らが出した記事が賛否両論を巻き起こしたという意味で盛り上がっている。「そのとおりだ」との声もあれば、「VCがなぜ存在しているのか」という、VCがそもそもいらないのではないかという発言まで、さまざまだ。

しかしなぜ、James氏はこのような発言をTwitterにてしたのだろうか。記事によれば、「他人が欲しがっているように見えるものが欲しくなる人間心理」と、「変化する市場環境下、堅調なビジネスの方が評価さえれるようになった」ためという。

資金調達とVCに関しては、なかなか難しい。VCはスタートアップに資金を提供するだけではなく、それ以上のバリューと共に、成長していく仲間として、事業を大きくさせる役割を持っているように思う。

今、国内では、今までに類を見ないほどスタートアップが注目されている。その中で、どうVCは評価され、その波を起こし続けるのだろうか。

さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2022年10月14日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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