戦国時代の法人カード市場、過熱が続く?──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。
土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。
今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。
・エレファンテックが21.5億円を調達!グローバル展開を本格化か
・UPSIDERはどこを目指す?デットで467億円調達
・シード4100万円を調達した『哲学クラウド』って何?
・Mission → Vision → Strategy → Goals → Roadmap → Task
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
エレファンテックが21.5億円を調達!
グローバル展開を本格化か
「新しいものづくりの力で、持続可能な世界を作る」をミッションを掲げるエレファンテックが、21.5億円を調達したと発表した。ANRIや信越化学工業などから資金を調達。信越化学工業は「化学・材料メーカーとして、この新しいモノづくりに関わる機会を得たことを嬉しく思っています」とコメントを出した。
やっていきますhttps://t.co/wbCJ8BjKH3
— 清水信哉/Elephantech/カジュアルDM歓迎 (@kakenman) October 17, 2022
エレファンテックは、インクジェット印刷といった環境に優しい製法で半導体基盤の製造・販売するディープテック系スタートアップ。既存製法に比べてCO2排出を77%、水消費を95%削減できるインクジェット印刷による電子回路製造技術の実用化・普及を目指している。
調達した資金は、グローバル展開の本格化と、研究開発費に充てる。代表取締役社長の清水信哉氏は「ここからいよいよ、我々の製法を世界標準としていきます。またそれによって、世界の持続可能性に関わる課題を解決していきます」とコメントした。今後も、次世代の半導体基盤の実用化に向けてひたすら突き進む同社を注視していきたい。
UPSIDERはどこを目指す?デットで467億円調達
またまたUPSIDERが資金調達リリースを公開した。2022年5月の総額150億円の資金調達リリースに引き続き、今回は非公開の大手金融機関4社から総額467億円の融資枠追加によるデットファイナンスを実施。スタートアップではこれまでになかなか見られない規模の大型デットファイナンスに関するリリースとなった。
変わりゆくマクロ環境の中で、より多くのお客様の事業成長を支え続けられるよう、当社の財務基盤を大幅に強化しました。このような格別のご支援を賜われるのも、素晴らしいお客様に恵まれているが故です。関係者の皆様に御礼申し上げます。
— 宮城 徹 | UPSIDER 共同代表| Toru Miyagi (@ToruMiyagi1) October 19, 2022
UPSIDER467億円の資金調達を実施 https://t.co/SXc2b9qXAP
昨今、freeeやバクラクなど、法人カードサービスに続々と参入が相次いでいる。従来であれば、セゾン・アメリカン・エキスプレスや、メガバンク系のビジネスカードが主流だった。しかし昨今は、UPSIDERを筆頭にスタートアップに特化した法人カードや、バックオフィスツールの会社が新たな事業として法人カードの展開を始めると言った事例がでてきている。
しかし、新規ビジネスとして法人カードを展開するにはなかなかハードルが高い。今回のUPSIDERの調達はお金周りの課題を解決するものとなったようだ。
すごー!と思ったけど、デットファイナンスでかつ融資"枠"の確保ですね。当座貸越契約とかかな。エクイティでの調達とは違う種類のファイナンスなので注意です。とはいえ、コベナンツとか詳細は不明ですが、これだけの与信をとれるというのは凄いことですhttps://t.co/hDyrzls582
— 山本 正喜 / Chatwork CEO (@cwmasaki) October 19, 2022
スタートアップのコーポレートの方で、UPSIDERにお世話になっている人が多いだろう。今後もより良いサービスを展開していってほしい。
シードで4100万円を調達した『哲学クラウド』って何?
今週もまた、目立った資金調達リリースが相次いだ。先ほど紹介したエレファンテックや、UPSIDERだけではなく、越境ビジネスプラットフォームを展開するトレンドExpressはシリーズCで約33億円調達を発表。年末に向けて、リリースが加速しているように窺える。
その中で今回は、一風変わったサービス発表と併せて資金調達の発表をしたShiruBeについて紹介する。
※拡散希望!※
— 上館誠也 l 哲学クラウドCEO (@soiyaman1013) October 19, 2022
【資金調達&哲学クラウドβ版をリリースしました】
正解なき時代に「考える」を習慣化する組織を増やすために、今後も全力で邁進してまいります!
同時発表のβ版リリースも是非、リプ欄からご覧ください!#哲学クラウドhttps://t.co/bRx4nG5Ah2
正解なき時代に「考える」ことを習慣化するSaaS『哲学クラウド』を展開するShiruBeは、mintやW fundなどから4,100万円の資金調達をしたと発表した。
哲学クラウドとは、働く中での違和感を言語化することで、哲学者が原因を可視化。哲学者がチームのファシリテーターを行うことで、チームの相互理解や思考方法の実践を促すサービスという。
従業員が自律して働くことの重要性は年々高まっている。その中で、どうメンバーが自律性を持って働くことができる環境は、もしかしたら理想的な会社なのかもしれない。
Mission → Vision → Strategy → Goals → Roadmap → Task
『Mission → Vision → Strategy → Goals → Roadmap → Task』。そんなタイトルのメルマガが今、注目を集めている。WiLパートナーの久保田雅也氏のTwitterをきっかけに、多くの起業家たちに拡散されている。
ミッション:何を達成したいのか
— 久保田 雅也@ベンチャーキャピタル (@kubotamas) October 18, 2022
ビジョン:達成した時の姿
ストラテジー:達成するための計画
ゴール:目指す達成度
ロードマップ:タスクの優先順位
以下 pic.twitter.com/8NFxicSUib
スタートアップでは、ミッションやビジョンは言語化されることが多い。しかし、なかなかこれらを戦略だけではなく、ゴールやロードマップへ落とし込むことは難しい。そもそも、どこから始めればいいのか、どのようにこの5つの要素を連携すればいいのかも分かりにくい。
そこでこの記事では、テスラを事例に紹介している。
ミッション、ビジョン、戦略、ゴール、ロードマップ。これら5つの要素を自社のビジネスに当てはめてみて、どのような関係性かを週末に再度振り返ってみるのもいいかもしれない。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2022年10月21日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。