上場はスピード?大きさ?議論が再沸騰──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。
土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。
今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から3本のニュース・話題をピックアップ。
・生産性が高いエンジニア組織35社は?Findy調べ
・前田ヒロ氏による「知っておきたいB2B SaaSのイロハ」
・上場はスピード?大きさ?議論が再沸騰
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
生産性が高いエンジニア組織35社は?Findy調べ
ハイスキルなエンジニアと企業をマッチングする『Findy』でおなじみのファインディは、同社のサービスを使用するスタートアップ・ベンチャーの中で、「組織規模別にエンジニア組織の生産性指標が高い企業」と「過去半年間で生産性指標が大きく向上した企業」を表彰する『Findy Team+ Award 2022』を開催した。
アワード発表and人生初のメディア向け発表会を実施しました!
— ふぃりっぷFindy (@yuichiro826) October 25, 2022
エンジニア組織の生産性指標を基にした「Findy Team+ Award 2022」発表〜「生産性が高いエンジニア組織」等35社を選出〜 https://t.co/NQTY9WXAz8 @PRTIMES_JPより
あくまでも同社のサービスを使用している企業の中からの表彰となっているが、ZOZOやDMM.com、マネーフォワードといった、新興上場企業が並ぶ。他にもスタートアップからはGaudiyやペイトナーが表彰された。
今回の表彰のベースに使用したのは『Findy Team+』。エンジニア組織のパフォーマンス向上を支援するサービスだ。開発で使用するGitHubやJiraなどを解析、パフォーマンスを可視化する。定性的に評価するのではなく、定量的に評価できるサービスとして注目を集めている。
エンジニアの組織づくりが対外的に評価されることはなかなかない。どのようなエンジニア組織がうまく回るのか気になるところだ。
前田ヒロ氏による「知っておきたいB2B SaaSのイロハ」
ALL STAR SAAS FUNDのマネージングパートナー前田紘典氏の『これだけが知っておきたい B2B SaaSのビジネス標語とた単語集』が更新された。SaaSに携わる人が知っておきたいビジネス指標と単語57個を解説している。
知っておきたいB2B SaaSのビジネス指標と単語集をアップデートしました!
— 前田ヒロ ALL STAR SAAS FUND (@djtokyo) October 26, 2022
新入社員のオンボーディング等にご利用いただけると!https://t.co/ME4g38fBPq #allstarsaas
「MOAT(競合優位性・事業)」や「TAM(あるマーケットの中で獲得できる最大限の規模)」、「MRR(月間定額収益)」など、経営者が語る資料でよく見るが、実際どのような意味の単語なのか受け流してしまう場合も多い。今一度、どのようなビジネス指標と単語があるのか、立ち止まって振り返ってみよう。
上場はスピード?大きさ?議論が再沸騰
PIVOTで公開されたタイボーン・キャピタルの持田昌幸氏のIPO論が、話題を呼んでいる。
佐々木紀彦氏からインタビューを受けるかたちで、日本のスタートアップシーンについての考察を披露。「正直にしゃべりすぎると……」と慎重に前置きをしつつ、「新しい事業をやったり、いきなり投資をするなら、上場前にやってくれ」と、考えを赤裸々に語っている。佐々木氏も「スタートアップへの辛口メッセージ」と紹介した(このFastGrowの記事だけを見て反応することなく、下記埋め込み等から、実際に持田氏の発言をぜひチェックしてほしい、良い刺激を受けること、間違いなしだ)。
香港の数千億円規模のファンド、タイボーン・キャピタル日本株責任者の持田さん(@MasaMochida )から、スタートアップへの辛口メッセージ。
— 佐々木紀彦@PIVOT ビジネスメディア (@norihiko_sasaki) October 27, 2022
「IPOが早すぎる問題」「IPOが小粒すぎる問題」「IPO後の決算がヒドすぎる問題」などを解消しないと、日本のスタートアップへの信頼は高まりませんね。 pic.twitter.com/cQj7DOAoXT
国内スタートアップエコシステムを牽引するキャピタリストや起業家を中心に、さまざまな議論が巻き起こっている。
僕は最速IPO派である。育ててから上場と言うのはもっと儲けたい・もっと儲けたいと言う投資家の論理だと思う。会社としては出れる時に出ることを薦めたい。そうでないと、社長や幹部・メンバーもダレる。自分が在籍した時にIPO と言うトラックレコードを積めるのが良いことだと思う。#起業しろ https://t.co/Z4nVNkdvhh
— kinoshitay.eth (Max) / Skyland Ventures (@kinoshitay) October 27, 2022
原則赤字が難しくなるので、赤字や大胆な投資をしないといけない状況で上場すると難しいですよね。1個目の事業がピークを迎えそうで2個目の事業を作ると全体の営業利益の成長ができないとか、上場すると強い経営人材の採用に3~4000万とか平気でかかってくるのでそれを吸収できるかとか。 https://t.co/ckmNfiKCpr
— 及川厚博@M&Aクラウド (@atuhirooikawa) October 28, 2022
誰かスタートアップ界隈側からの発言者が必要と思ってたので、よくぞ言ってくれたな、という感覚。
— 坂本祥二 / HQ CEO (@shoji_hq) October 28, 2022
IPOのテクニック(親引け、アロケーション、プレマーケ、公募形式やら)ばかりがまことしやかに論じられ、
さて肝心のIPO後の業績と株価推移がひどすぎる会社がほんと多い。。。
明日は我が身ですが。 https://t.co/EH6utgkR33
「世界を変えたい」とピュアな想いを持つあなたの考えは、どういったものだろうか?議論を追いかけつつ、持論をしっかり形成していきたい。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2022年10月28日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。