連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

国産ユニコーンが海外市場で戦う戦略とは?Opn、米競合を買収──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。

今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。

・Opn、米競合を500億ドルで買収

・デットで3桁億円?スタートアップの調達が多様化へ

・ミラティブ、34億円調達!スマホ配信プラットフォームの今後の戦略は

・Notion・zapier・slackで定例会議の議事録生成を自動化したら…?

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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Opn、米競合を500億ドルで買収

今週は資金調達や上場といったスタートアップらしいニュースが多い週となったが、中でも1番のニュースは、日本のユニコーン企業であるOpnが米競合を500億ドルで買収した件ではないだろうか。

Merchant eSolutions(MerchantE)は、決済プラットフォームとしてあらゆる規模のビジネスに対応した決済ソリューションを提供しており、米国市場を牽引すフィンテック企業。そんな存在を日本のスタートアップが買収したというのだから、これまでになかなか見られなかった展開だ。

Opnは、「すべての人々にデジタルエコノミーへのアクセスを」を掲げ、日本やタイ、インドネシアなどアジア圏で、オンライン決済や決済支援といったフィンテック事業を手掛けるスタートアップだ。2022年5月の1億2000万ドルの資金調達により、日本で5番目のユニコーン企業としてロイターに報道された

今回の競合の買収により、Opnはアジア圏からはじめて北米圏に勢力を伸ばした格好になる。また、MerchantEをあわせた加盟店数は2万社、190億ドル以上の決済処理を提供していることとなるようだ。

今後、OpnはMerchantEのジョージア州アルファレッタの本社機能はそのままで、独自のブランドとして事業を継続していくという。

日本から世界を揺るがすユニコーン企業のニュースが今後も楽しみだ。

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デットで3桁億円?スタートアップの調達が多様化へ

タイミーがデット・ファイナンスで、みずほ銀行や三菱UFJ銀行などから総額183億円を調達したと発表した

今回のデット・ファイナンスでは、長期借入やコミットメントラインなど、いずれも無担保・無保証・希薄化無し、借入金利はAll-in costで年利1.0%未満と、調達条件・コストを抑えた上での資金調達額最大化を実現したという。

今までスタートアップの資金調達といえば、VCを中心とする新株発行によるエクイティ・ファイナンスが多かった。しかし、株式の希薄化やステークホルダーの増加といった点が懸念になる場合もあり、デットファイナンスの活用に注目が集まっているほか、レベニューベースドファイナンスといった別の手法も取り沙汰されるようになっている。

10月には、スタートアップ向け法人カードのUPSIDERは非公開の大手金融機関4社より467億円の調達を発表している。エクイティファイナンスとデットファイナンスを組み合わせたかたちの資金調達リリースを発表するスタートアップも増えているように感じられる。

このように、スタートアップの資金調達手法が多様化したり、話題にのぼる機会が増えたりすることは、スタートアップエコシステムの発展に寄与する動きと言える。各企業の努力や工夫に敬意を払い、さらなる発展にFastGrowも貢献していきたい。

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ミラティブ、34億円調達!
スマホ配信プラットフォームの今後の戦略は

ミラティブはMIXI、丸井グループなどから総額34億円を調達したと発表した

今回の資金調達により、ライブゲーミングへの投資強化と、マーケティング施策の充実、通信や金融業界との連携を強固にすることによるクリエイターへの還元、採用の強化につなげるという。

また、ミラティブに出資した会社はどれも、同社の事業とシナジーが近い事業者ばかりだ。そのためか、Twitterでは「王道の増資」などといったコメントがあった。

その他今週の資金調達は、不妊治療専門クリニックをプロデュースするARCHが東京大学エッジキャピタルパートナーズとANRIなどから約2.3億円の調達や、企業データから営業の効率化をサポートするQuickWorkの約2億円の調達リリースがあった。

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Notion・zapier・Slackで定例会議の議事録生成を自動化したら…?

11月に入って、Notionの大きなアップデートが発表された。中でも、タスクや議事録で繰り返し作成が可能となったことが大きな変更点だろう。この発表を受け、今週はLayerXのPM numashi氏が執筆した「Notion・zapier・slackで定例会議の議事録生成を自動化したら定例作業が1つ撲滅された話」というnoteが話題となった。

「Notionの自動ページ生成に紐付き、zapierでslackに通知する仕組み」が素晴らしすぎると注目されたのだ。

日々、議事録の作成で忙殺されている人にこそ、ぜひ導入してほしいハック技だ。

さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2022年11月18日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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