AIが記事もコーディングもできてしまう?ChatGPTが生むさまざまな価値──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。
土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。
今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。
・恒例のNEXTユニコーン調査、100億円超の価値が97社に増加
・AIで記事もコーディングも!ChatGPTどう見る?
・開発組織の課題は技術よりも文化?LayerXで名村氏が分析
・資金調達も大詰め!ソレクティブ・Kivaを紹介
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
恒例のNEXTユニコーン調査、
100億円超の価値が97社に増加
今年のスタートアップ躍進は目覚ましかった。
毎年恒例の日本経済新聞の調査『NEXTユニコーン』が今年も発表された。企業価値10億ドル(約1,440億円)以上の未上場企業「ユニコーン」を目指すスタートアップ企業はどのような社名が並んだのだろうか。
価値100億円超の国内企業は2割増 クラウド関連・製薬が台頭https://t.co/f2TuZo8JV1
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) December 5, 2022
■NEXTユニコーン調査、未上場企業の価値を算出
■DXの動きを受け、IT・クラウド関連企業が台頭
■企業価値10億ドル超はわずか、投資呼び込む力がカギ pic.twitter.com/azSjZskK9z
今回、国内で推計企業価値が約1,440億円以上と推計されたユニコーン企業となったのはプリファード・ネットワークスやスマートニュースをはじめ4社。
去年と大きく異なる点は、推計企業価値が100億円以上の企業が97社と過去最高を更新したことだ。SaaSとヘルスケア関連企業が大きく推計企業価値を伸ばしたという。
政府も国内のスタートアップ育成に躍起になっている。岸田内閣が11月に「スタートアップ育成5か年計画(仮)」を発表したように、2022年は「スタートアップ創出元年」と位置付けられている。
2023年はより多くのスタートアップが推計企業価値が100億円以上、もしくはユニコーンに成長すると期待したい。
AIで記事もコーディングも!ChatGPTどう見る?
AIが記事のライティングも、プログラムのコーディングもできてしまう時代になってしまった。
先週から話題をさらった「ChatGPT」。Twitterで遊んでいる人も多かったので、スタートアップ関係者らによる興味深い投稿を紹介する。
「やめろメロス」という小説を書かせてみたんですが、マジで「やめろ」って思いました。 pic.twitter.com/jWY9nP04Gv
— けんすう (@kensuu) December 6, 2022
— Marc Andreessen (@pmarca) December 1, 2022
#ChatGPT で業務フロー生成して、Notionで業務フロー図にできるの最高すぎ pic.twitter.com/6Ninea6qwB
— shodai | NotionとCanvaと京大起業部の人 (@shodaiiiiii) December 5, 2022
中でも驚いたのが、簡単な記事作成やコーディングはもうAIでもできるようになっているとすら言ってしまえることだ。気になった方はぜひ遊んでみて欲しい。
開発組織の課題は技術よりも文化?
LayerXで名村氏が分析
ソフトウエアエンジニア組織はどのように作ればいいのか。頭を抱えるCTOやマネージャーは多いだろう。どうしても技術力に目が向きがちであるがゆえに、組織づくりの初期に「文化」まで目が届かない。
しかしどうも、LayerXのエンジニア組織は違うらしい。
「ソフトウエアエンジニアの開発が爆速すぎてPMがちょっとまって欲しいと言ってしまうような組織は、初めて見ました」と言わせてしまう、LayerX執行役員の名村卓氏のnoteを紹介したい。
名村氏によれば「開発組織の課題は、技術力よりも文化によるところが大きい」という。というのも、技術力は一朝一夕で身につくものではなく、経験の積み重ねによって徐々に手に入れるものであるため、すぐには育たない。一方で文化は、その組織の価値提供の最短距離を示すことに役立つという。
noteへの反応は、LayerX社内だけではなく各所で見られた。
“開発組織を強くするには、文化をまず培う土壌作りに着目するべきだということです。さらに、文化を生み出すためには、ソフトウエアエンジニアがビジネスやプロダクトの本質を理解し、自ら付加価値を生み出すための情報と裁量があることが大事だと考えています。” https://t.co/n7bcB4HRmH
— 植野 佑紀@Terra Drone (@YukiUeno19) December 6, 2022
ここ、痺れたよ…。そうだよな、そうなんだよな / "文化は、特に試行錯誤と意思決定をする際に強くにじみ出るようなもので、意思決定を必要としない組織では文化が育つこともないだろうと思います"
— Junki Mano (@ma91n) December 4, 2022
ソフトウエアエンジニアの組織と文化|Suguru Namura https://t.co/66Ls7rceNr
開発組織には文化が重要。当たり前かもしれないが、文化の重要性を強く感じたnoteだった。
資金調達も大詰め!ソレクティブ・Kivaを紹介
12月にもなり、資金調達リリースもいよいよ大詰めになっている。今週も数多くの資金調達に関するリリースが見られたが、その中でも今回はソレクティブとKivaの資金調達について紹介したい。
フリーランスと企業を繋ぐマッチングプラットフォーム『Sollective』を展開するソレクティブは、プレシリーズAで総額約3.1億円を調達したと発表した。KUSABIをリード投資家とし、千葉道場ファンド、ココナラスキルパートナーズなどから調達。プロダクト開発資金と採用強化を行うという。
【 @sollective プレシリーズA 総額約3.1億円調達】
— 岩井 エリカ|Sollective Co-founder/CEO 「ジョブ型雇用×フリーランス」 (@IwaiErika) December 7, 2022
スタートアップの資金調達環境は厳しい状況にありますが、私達のミッション「フリーランスの価値を証明する」の実現を応援してくださる投資家に巡り会えたことに感謝しますhttps://t.co/0jkcYBEAyf
働き方が「個」に依存するようになるにつれ、国内でもフリーランスとして働く人が増えてきた。一方で、内閣官房日本経済再生総合事務局が実施した『フリーランス実態調査』によると、4割近くが取引先とのトラブルを経験。そのうち契約に関する問題が6割を占めるという。
これに対し、ソレクティブはフリーランス・副業ワーカーに特化したワンストップ型電子契約サービス『契ラク®︎ by Sollective』を今年9月に発表し、そうした契約に関する問題を企業側視点で解決する一元管理プラットフォームの構築を目指している。
正社員以外の選択肢があってもいい。そんなメッセージが込められたリリースだった。
今週はもう一件、リリースを紹介したい。
延長保証サービス『proteger』を提供するKivaは、シリーズAで総額約4.5億円を調達したことを発表した。SBIインベストメントをリード投資家として、ココナラスキルパートナーズ、SMBCベンチャーキャピタルなどから調達を実施した。
4.5億円の資金調達をしました!
— 野尻 航太 (@Kota_Nojiri_76) December 7, 2022
より良いものを大切に長く使える世の中にすべく、安心して買える保証サービス「proteger(プロテジャー)」を成長させていきます!
安心して買える保証サービス「proteger」、シリーズAで総額約4.5億円の資金調達を実施 https://t.co/UPNjzjaeHI via @PRTIMES_JP
Kivaのプロダクトであるprotegerは、ECサイトに最短即日で延長保証を提供するサービス。商品保証をサポートすることで、エンドユーザーにECサイトで安心して購入してもらえるようにする。今後は、EC市場だけでなく、旅行、不動産、自動車、住宅などさまざまな市場に保障提供を拡大していく狙いだ。
ECが世の中で当たり前になっているからこそ、保証も当たり前に。今後もサービス展開の加速を見届けたい。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2022年12月09日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。