連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

メルカリが新たに掲げる「Unleash」への想いとは──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。

今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。

・メルカリ10周年!新たに掲げる「Unleash」への想いとは

・ピボットとは、“計画された軌道修正”。その秘訣は

・11億調達、介護リハビリテックの持つポテンシャル

・「蠱毒」ってなんだ?意思決定の質もスピードも爆上がり

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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メルカリ10周年!
新たに掲げる「Unleash」への想いとは

メルカリが10周年を迎えた。これに伴い、新たにグループミッション「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる(Unleash)」を公開。今後メルカリが目指すこと、決意を表明した。

そもそも「Unleash」とはなんだろうか。日本語だと「解放」を意味するこの単語は、メルカリの目指す「循環型社会」を創ることで、世界中の人々の可能性を広げる(解放する)存在であるために重要なキーワードだという。

世界では今、大量生産・大量消費・大量廃棄からのシフトが必要とされている。この市況をメルカリとしてUnleashすることで、今後よりグロースすることを目指す。

Twitterでは起業家や経営者たちから賞賛の声が聞こえた。

今後もどのようにグロースしていくのか、引き続き注目していきたい。

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ピボットとは、“計画された軌道修正”。
その秘訣は

起業家は、はじめに立ち上げた事業を何度も「ピボット(事業の転換)」させ、会社を軌道に乗せていく。スタートアップ経営において、最も難しいトピックとされるピボットについて面白いnoteが公開されたので紹介したい。DCMベンチャーズのプリンシパル原健一郎氏のnoteだ。

ピボットは珍しいことではない。SlackやTwitterなどもピボットを経て今のかたちとなっている。日本でも10XがBtoC献立アプリからBtoBオンラインスーパー立ち上げプロダクトへのピボットをしている。

時にマイナスな印象を抱かせるピボットだが、あくまで撤退ではなく戦略転換。「ピボットのうまさは経営者の経営のうまさ」だと原氏は強調する。そして、これらを構成する要素には、「タイミング」や「判断力」「方法」など様々な要素があるようだ。

Twitterの反応も上々だった。

スタートアップがグロースするために避けては通れないピボット。まずはどのようなものなのか知るためにも一読をお勧めしたい。

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11億調達、介護リハビリテックの持つポテンシャル

今週の資金調達ニュースは、政策共創の社会インフラ構築を目指すPoliPoliをはじめ、ロボット義足のBionicや、発酵技術で社会課題を解決するオリゼなどディープテック系スタートアップが目立った。その中で今回は、介護リハビリテックのRehab for JAPANを取り上げていく。同社は、シリーズDでSMBCベンチャーキャピタルやJPインベストメントなどから総額11.3億円を調達したと発表した。

「介護」は日本にとって重要な産業の一つだ。2022年現在、4人に1人が高齢者。なおかつ、この業界ではテクノロジーの活用が進んでおらず、慢性的な人手不足は社会問題となっている。

その中でRehab for JAPANは、介護職員向けの簡単にデイサービスの機能訓練を行えるソフト『リハプラン』を開発している。介護に必要となるデイサービスの最適なプランを自動で作成。介護士の働きやすさをサポートするサービスだ。

今回の資金調達により、リハプランのサービス強化と、新規事業立ち上げを行うという。日本で生活していく上で、避けては通れない介護課題に向き合うスタートアップとして、今後の活躍に期待したい。

FastGrowでもインタビュー記事を掲載し、オンラインイベントも予定しているので、ぜひチェックいただきたい。

イベントの詳細はこちら

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「蠱毒」ってなんだ?
意思決定の質もスピードも爆上がり

組織が大きくなればなるほど、意思決定スピードはだんだん遅くなる。しかし、スタートアップとしては成長スピードを遅延させるわけにはいかない。

そんなスタートアップ経営者ならおそらく誰でも直面するであろう課題を真っ向から解決する策「蠱毒(こどく)」を発明したGaudiy代表の石川裕也氏のnoteが面白いので紹介する。

蠱毒は、ある課題やテーマに対して、2~3人の参加者がディベート形式で解決策やプランを戦わせ、原則1週間以内に結論を出す意思決定方法だ。ポイントは「ディベート形式」と「原則1週間以内」の2点だろう。

蠱毒をどのように運営しているのか、詳細はnoteをぜひ読んでいただきたいが、「キックオフ」「先行ピッチ」「後攻ピッチ」「勝敗決定・感想戦」の4ステップで運営される。勝敗決定では、勝敗をうやむやにせずはっきり決め、社内Slackにて公表するとのことだ。

ちなみに蠱毒が強い、提案が通りやすい人の特徴として、「いかにインプットしているか」「前提や通説を疑う力があるか」があるという。

大きな意思決定をする際に、時間がかかっている、結論の質が落ちているなどの問題点を抱えている経営者やマネージャー陣はぜひ導入を考えてみてほしい。

さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2023年02月03日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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