火・水に大型資金調達リリースが集中?調達額10億越え7件──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。
土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。
今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。
・今週は10億円越えの資金調達リリースが7件!注目企業を4社紹介
・9.3億円を調達したスタートアップ、トラーナとは?
・LayerXのカジュ面Notionページが話題に!CEO直結の仕組みとは
・スタートアップ経営では、何よりも「スタンス」を極めよ
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
今週は10億円越えの資金調達リリースが7件!
注目企業を4社紹介
今週は10億円を超える大型資金調達が目立った週となった。スタートアップの資金調達といえば、水曜日がラッシュを迎える中、今回は火曜日が15件と驚きの週となった。
「本当にスタートアップ冬の時代なのか?」と、このリリースラッシュを見ている限りだと疑問符が浮かんでしまう。LayerXのシリーズAファーストクローズで約55億円調達や、NOT A HOTELのシリーズAで約28億円調達など、普段であれば単独トップで取り上げられてしまう資金調達リリースが並んだ。
その中で今週はTENTIALの10億円調達、BALLASの11.6億円調達、コネクテッドロボティクスの17億円調達、そしてアスエネのシリーズB3rdクローズで累計31億円調達について紹介していきたいと思う。
ウェルネスカンパニーのTENTIALは、ニッセイ・キャピタルやTBSイノベーション・パートナーズなどから総額10億円を調達した。 同社は、「SLEEP」「FOOT」「WORK」の3ジャンルのウェルネスブランド『TENTIAL』を展開。ブランド設立から3年半で50を超える製品を販売し、主力製品のリカバリーウェアシリーズ『BAKUNE』は販売2年で15万枚を販売した。 今回の資金調達により、さらなる商品の拡充を目指すという。「生活の課題を対象とした”商品”を起点とするBizDev」が、スタートアップとしての同社の特徴になるだろう。
株式会社TENTIALは、新たな資金調達を実施しました。今後も製品の品質向上や新たな製品の開発に取り組み、お客様にとってより信頼できる製品を提供し続けます。
— Yutaro Nakanishi|TENTIAL CEO (@yu_isbznd4) March 1, 2023
ウェルネスカンパニーTENTIALが10億円を調達。心身をリカバリーするための更なる製品開発に着手 https://t.co/nnPxkUeFYg @PRTIMES_JPより
建築DXのBALLASは、グローバル・ブレイン、SBIインベストメントなどから総額11.6億円を調達。 同社は、意匠性・機能性・柔軟性の高い建設部材ブランドとして、オーダーメイドの金属部材を中心に1,500件以上の部材を供給してきた。今後は、建設部材の調達から建設業を最適化することを目指し、建設業全体のサプライチェーン強靭化に取り組んでいくという。
【建設DX】株式会社BALLASが、Global BrainとSBIインベストメントの共同リード投資で11.6億円の資金調達を実施。建設部材の設計開発・製造販売事業を、関東から関西・中... https://t.co/WyQOi6ICZL via @PRTIMES_JP
— 木村将之 / Shono Kimura (@shono_kimura) March 1, 2023
食産業向けロボットの研究開発・販売を行うコネクテッドロボティクスは、ホシザキや安川電機などからシリーズBで総額17億円の資金調達を実施した。 同社は今まで、たこ焼きロボット、ソフトクリームロボットなどの食産業向けロボットを提供してきた。今後は資金とパートナーと共に、食産業を革新するロボティクスサービスの開発と量産体制を構築していくという。
コネクテッドロボティクスは資本業務提携を中心としたラウンド、シリーズBで総額17億円の資金調達を完了しました。
— Connected Robotics Inc (@CR_foodtech) February 28, 2023
食産業のメインプレーヤーとの連携を深め、今回調達した資金とパートナーシップで、食産業を革新するロボティクスサービスの開発と量産体制を構築します。https://t.co/kmQ1ANaGey pic.twitter.com/rx0PzxyVaF
アスエネはシリーズBラウンドが累計31億円でクローズしたと発表。「日本及び海外での製造業のサプライチェーンCO2見える化と削減を加速」「日本初のアジアNo.1のクライメートテック企業を目指して」と、海外展開への強い意欲を示した。新規投資家としてSony Innovation Fund、また既存投資家のGMO Venture Partners、GLIN Impact Capital、Tybourne Capital Managementの持田昌幸氏が引受先となっている点も、力強さを感じさせる。
SONY Innovation Fundさん中心に新たな資金調達を発表しました!
— 西和田 浩平/アスエネFounder & CEO (@KNishiwada) March 1, 2023
世界を代表するソニーグループのSONY Innovation Fundさんとご一緒でき大変光栄、感慨深い気持ちで一杯です。既存株主の方々も大感謝です。グローバル展開と新事業推進を本格化します#アスエネ #アスゼロhttps://t.co/QcgD7mvNN2
9.3億円を調達したスタートアップ、トラーナとは?
もう1社、今週資金調達リリースを公開した会社を紹介したい。
エドテックスタートアップのトラーナは、マイナビやBSイノベーション・パートナーズなどから総額約9.3億円を調達したと発表した。これにより、累計調達額は約15億円となった。
資金調達ならびに新経営陣体制による運営を進めることになりました
— しだのり (@sdx_) February 28, 2023
今年はサービスカテゴリを拡大する一年と設定し、より良いトイサブ!の形に進化させるべく準備しています。お楽しみに!引き続き幸せな親子時間を増やそうぜで邁進します。https://t.co/LXcsYZoIlN
トラーナは、未就学児向け知育玩具サブスクリプション・サービス『トイサブ!』を運営。ひとりひとりに合った知財おもちゃを子どもの発達・興味に合わせて個別プランニング。2カ月ごとにおもちゃを提供・交換するという。
すでにユーザーは18,000人以上。同社のリリースによると、TPCマーケティングリサーチによる「知育玩具サブスクリプションに関する調査」における会員登録者数ランキングにおいて2年連続で第1位を獲得しているという。
今回の資金調達により、顧客の利便性の向上や機能追加を行うことで、「循環型社会における次世代教育サービス」を目指すという。単なるサブスクレンタルというよりもむしろ、BabyTechと呼ぶべきか、EdTechと呼ぶべきか、はたまた循環型社会構築ビジネスか。そのユニークな姿に、目が離せない。
LayerXのカジュ面Notionページが話題に!
CEO直結の仕組みとは
約55億円の資金調達リリースを公表したLayerXのカジュアル面談施策がすごいので紹介したい。
先日のYOUTRUSTのカジュアル面談機能公開リリースで再び盛り上がりを見せたスタートアップ企業のカジュアル面談。今度はなんと、1社単体で完全内製のカジュアル面談施策をLayerXは公開した。
そしてこのタイミングで、Opendoorという完全内製施策をはじめました。
— 石黒 卓弥|Takaya Ishiguro (@takaya_i) February 28, 2023
カジュアル面談を「アカウント登録は一切不要、下記ページからそのまま応募」することができます。
30名以上あるのでぜひ!
LayerX OpenDoor | LayerX 採用情報 @LayerXcom https://t.co/dr1UcEQWDj
今回LayerXが公開したカジュアル面談『OpenDoor』は、アカウント登録一切不要で、該当のページからLayerXで働く人を指名してカジュアル面談ができる施策。採用担当者だけではなく、代表の福島良典氏やCTOの松本勇気氏と話すことができる。
驚くべきはカジュアル面談フォームが完全自作ということ。同社のHRメンバーが「シュッと作ってしまった」という。
カジュアル面談はスタートアップにとって大切な施策だ。会社のことを知ってもらい、お互いがマッチするのかどうかをディスカッションする場として取り入れている企業は多い。
この施策、真似する企業が出てくるのだろうか。
スタートアップ経営では、何よりも「スタンス」を極めよ
スタートアップ経営で必要な「こと」とはなんだろうか。能力やスキルは確かに大事だ。しかし、それよりも大事なことは「スタンス」のようだ。
今週公開されたファインディCEO山田裕一朗氏のnoteでは、このスタートアップ経営者にとって大切なスタンスについてわかりやすく語っている。
昨日書いたnoteです!
— ふぃりっぷ/山田裕一朗@Findy (@yuichiro826) February 27, 2023
Twitterでフィードバックいただき、ちょっとタイトル変えてみましたw
スタートアップ経営7年目で気づいた、能力やスキルより大切なこと|山田裕一朗(CEO at Findy Inc.) @yuichiro826 #note https://t.co/0rZtpiGW4B
スタートアップ経営者にとって重要なスタンスとは、「素直さ」「咀嚼力」そして「事業視点」の3つだ。
「素直さ」は、急成長によって当たる壁を過去に経験している人から素直に学び、そして取り入れること。「咀嚼」は、その諸先輩からのアドバイスを咀嚼し、自社に合った形で取り込んでいくこと。そして「事業視点」は、主語を個人視点から事業視点の「We」とか「Our Product」に変えることという。
スタートアップでより上のステップに進みたい人、チームで最大の成果を目指したい人はぜひ一読してほしい。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2023年03月03日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。