連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

スタートアップにとって最重要な知財戦略!特許庁が200時間派遣──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。

今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4つのニュース・話題をピックアップ。

・日本発「世界を変える30歳未満」120人発表!

・特許庁がVCに弁理士派遣、投資先の知財戦略支援へ

・ゼロボード、ESGプラットフォーム構想を発表

・植物性卵とは?UMAMI UNITEDを紹介

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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日本発「世界を変える30歳未満」120人発表!

日本発「世界を変える30歳未満」120人が発表された。 6回目を迎える今回は、受賞者を30人から120人へ拡大。4部門あり、ENTERTAINMENT & SPORTS部門、ART & STYLE & SOCIAL部門、BUSINESS & FINANCE & IMPACT部門、SCIENCE & TECHNOLOGY & LOCAL部門で30人ずつ選出した。

30歳未満のイノベーターとして、アメリカ、アジアを中心に世界中でブレイクしているグローバルガールズグループのXG、歴代最年少市長の芦屋市長・髙島崚輔氏、米シリコンバレーにてハーバード大教授とRobust Intelligenceを共同創業した大柴行人氏、新しい政治・行政の仕組み作りに挑む『PoliPoli』を運営する伊藤和真氏などが選出された。

毎年恒例の企画。今年もSNSのスタートアップ界隈で大変盛り上がったので、その様子を紹介していきたい。

https://twitter.com/kazuma12222/status/1694546641033089446?s=20

https://twitter.com/ShunyaChop11/status/1694571205880377736?s=20

Asia版ですでに選出されていた起業家も選出されていた。都市型ロープウェイを展開するZip Infrastructureからは、代表取締役の須知高匡氏が選出された。

https://twitter.com/suchi_space/status/1694592778024739072?s=20

また勢いのあるスタートアップのCxOクラスやベンチャーのマネージャーの選出もあった。LayerX事業部執行役員の中村龍矢氏や、サイバーエージェント データサイエンスマネージャーの藤田光明氏などが選出された。今まで起業家や共同創業者が選出されることが多かった本企画であるが、代表を支えるイノベーターにも注目が集まった結果となった。

https://twitter.com/nrryuya_jp/status/1694567701354815883?s=20

そして、10年後の世界の主役となるイノベーターが集まる『MAKERS UNIVERSITY』からは11人も選出されたとのこと。

https://twitter.com/MAKERS_U/status/1694569996721275377?s=20

毎年恒例のこの企画。来年の受賞者発表も楽しみだ。

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特許庁がVCに弁理士派遣、投資先の知財戦略支援へ

スタートアップにとって知的財産戦略は生き残りのため重要だ。しかし、シードやシリーズAの段階で知財の専門家である弁理士を採用することはなかなか難しい。このようなイシューを解決する施策として特許庁が、知的財産に詳しい弁理士らをVCに派遣すると日本経済新聞が報じた。みらい創造機構やQBキャピタル、ANRIなど10社を派遣先として採択されたとのことだ。

https://twitter.com/akarisaka_QBC/status/1693810359214502194?s=20

特許庁がVCに対して知的財産の専門家を派遣する期間は9月から2024年3月までの半年間。1社あたり2人を計200時間派遣するとのことだ。

今回選定されたVCは大学発スタートアップを中心に出資するVCや、DeepTech領域に特化して出資するVCを中心としたとのこと。やはり課題は「優れた技術や研究成果を持っている半面、特許の事業化など長期的な知財戦略」。これを解決していくためにも、有識者の知見は必要だ。

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ゼロボード、ESGプラットフォーム構想を発表

ESGが目覚ましい。

脱炭素経営支援を行うゼロボードは、ESG情報を一元化する「Zeroboard Sustainability Platform」構想を発表した。企業のサスティナビリティ経営に貢献し、温室効果ガス算定だけではなくESGを包括したサステナビリティ経営支援へ事業領域を拡大するとのことだ。

https://twitter.com/mtokeiji/status/1694542319582912577?s=20

今回ゼロボードが公開した「Zeroboard Sustainability Platform」構想は、「ESGデータを効率的に収集・可視化するデータマネジメントモジュール」、「グローバル規制にも対応したサステナビリティ領域のコンサルティング」、そして「パートナーとの連携によるESG領域をカバーするソリューション提供」の3つを組み合わせたもの。今、特に大企業に求められているサスティナビリティ経営に貢献するプロダクトを目指す。

また9月21日には、ゼロボードとセーフィーの代表取締役が登壇し、『「前例のないプロダクト」は、こう創れ!社会構造と商流を見極めて非連続成長を生むビジネス構築を、セーフィーとゼロボードのPMFストーリーから学ぶ』を開催する。未知の領域のプロダクトづくりをどのようにやってきたのか、気になる方はぜひ申し込んでほしい。

イベントページはこちら

https://www.fastgrow.jp/events/2309-zeroboard

また同領域で活動するアスエネも、サービス名を変更した

https://twitter.com/asuene_inc_/status/1694156455367332280?s=20

今までメインプロダクトであるCO2排出量算定サービスの『アスゼロ』を『アスエネ』へ、ESG評価サービスの『ESGクラウドレーティング』を『アスエネESG』へと変更。会社名でもあるアスエネを全面に押し出すことで、アスエネが提供できる脱炭素経営からESG経営まであらゆるサステナビリティ経営の支援を「アスエネ」に集約した。

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植物性卵とは?UMAMI UNITEDを紹介

植物性卵。なかなか聞き馴染みのないことばだ。

今回はこの植物性卵を開発するシンガポール発スタートアップの資金調達を紹介したい。UMAMI UNITEDは、Beyond Next Ventureやジェネシア・ベンチャーズから総額2.4億円をプレシリーズAで調達したと発表した

https://twitter.com/umamiunitedjp/status/1694187690709876842?s=20

今回の調達資金により、代替卵白の研究開発と米国・欧州市場の事業開発を加速するとのことだ。

同社が手掛ける植物性卵は、昨今社会課題となっている卵の値上がりに大きくメスを入れることができるプロダクト。BtoB向けに加工度が低い「原料素材」として提供することができるとのことだ。

実際どのようなプロダクトを開発しているのかというと、豆乳と混ぜ合わせて加熱するとオムレツやスクランブルエッグにすることができる植物性原料100%の粉末タイプ『UMAMI EGG』や、卵黄の味わいを感じるシーズニングパウダー『UMAMI EGG FLAVOR』などだ。

昆虫食など代替食が注目を集める今、日本人が大好きな卵でもその革新が起こっているようだ。

さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2023年08月25日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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