連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

あの「日本一高いビル」に、VC・CVCが約70集結へ──5分で注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、ウォッチしておくべきニュースやコラムをまとめた記事を配信していく。題して、スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、定期的に更新中。

昨今も国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせている。その中から1本の話題、そしてトレンドとして押さえたいニュース数本をピックアップ。

・エンプラセールスは育てる?必須のスキルやマインドは

・ナレッジワーク、シリーズB45億円調達

・ログラス出身の起業家、競走馬管理SaaSで7400万円調達

・「#PM Conf2023」

・あの「日本一高いビル」に、VC・CVCが約70集結へ

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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News1──エンプラセールスは育てる?
必須のスキルやマインドは

スタートアップ全体として、エンプラセールスがいない問題は相当深刻

今週、X(旧Twitter)にてこんな投稿が注目を集めていた。

これは今週公開されたPodcast<ALL STAR SAAS PODCAST『エンタープライズセールス組織は、いかにつくりあげるべきか──成功させるための「採用」「育成」の新アプローチ』>にゲストとして登場した、RightTouch代表取締役の野村修平氏の投稿だ。1年間、エンタープライズセールスを探したものの、市場にはなかなかおらず、育成する必要があるとの結論に至ったという。

野村氏は、新卒未経験からワークスアプリケーションズでエンタープライズセールスとして経験を積んだ後、プレイドにてセールス組織を立ち上げ、2021年に同社内で新子会社RightTouchを起業。20年以上のエンタープライズセールス経験を保持している。

そんな野村氏が語るリアルは、エンタープライズセールスを知る上で重みのある一次情報となった。

採用担当者はもちろんのこと、経営者にも是非聞いていただきたい回だ。

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News2──ナレッジワーク、シリーズB45億円調達

ナレッジワークは、シリーズBラウンドにて、45億円の資金調達を実施し、累計の調達金額は61.2億円に到達したと発表した。World Innovation Lab(WiL)、グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)をリード投資家に、既存投資家およびフォースタートアップスキャピタルなどから調達を実施したとのことだ。

今回調達した資金は、マルチプロダクト展開に投資する。今後3年で10個の新プロダクトの開発・提供を予定していることを明らかにした。直近では、2024年4月に「セールス職向けのワーク領域の新プロダクト」、2024年7月に「セールス職向けのラーニング領域の新プロダクト」をリリース予定だ。

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News3──ログラス出身の起業家、競走馬管理SaaSで7400万円調達

競走馬管理クラウドを展開するABELは、ニッセイ・キャピタルをリード投資家とし、総額7,400万円の資金調達を実施したと発表した。今回の資金調達により、同社サービス『EQUTUM』の開発を加速させるとのこと。今後1年間で国内の育成牧場、厩舎での導入を加速させ、データを収集し正式版リリースを目指すとのことだ。

同社代表の大島秀顕氏はログラス出身。スタートアップから起業家が生まれ、資金調達を実施し、グロースするエコシステムが形成される好事例となった。

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News4──「#PMConf2023」

今週、X(Twitter)上でやたらと目についたハッシュタグ「#PMConf2023」。スタートアップに所属するプロダクトマネージャーが同じタイミングで登壇資料を公開しており、気になった方も多いのではないだろうか。

この一斉資料公開は、11月29日(水)に開催された『プロダクトマネージャーカンファレンス2023』に関するもの。プロダクトマネージャーカンファレンスは、プロダクトマネジメントに携わる人たちが共に学び、切磋琢磨する場。2016年から開催され、今回もLuupやタイミー、SmartHRといった企業に所属するプロダクトマネージャーが多く参加、登壇した。

ここで登壇した資料がXに投稿・拡散。気になった方はぜひハッシュタグ「#PMConf2023」で検索してみてほしい。

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Column──あの「日本一高いビル」に、VC・CVCが約70集結へ

シリコンバレーのVC・CVCの集積地として知られる「サンド・ヒル・ロード」の日本版をつくる。

今週、森ビルが手掛ける複合施設「麻布台ヒルズ」が開業した。麻布台ヒルズのコンセプトは、広大な中央広場を街の中心に据え、オフィス、住宅、ホテル、インターナショナルスクール、商業施設、文化施設など、多様な都市機能を高度に融合させた「都市の中の都市(コンパクトシティ)」。その一角に、スタートアップをサポートする投資家であるVC・CVC70社が集まる『Tokyo Venture Capital Hub』が立ち上がった。

Tokyo Venture Capital Hubは、「スタートアップ、ベンチャーキャピタル、大企業が互いの課題を補完しながら成長する、新たなイノベーションエコシステムを構築」することをコンセプトに、日本のVC業界全体の成長と拡大を目指すとのこと。集結するVCも日本ベンチャーキャピタル協会やANOBAKA、インキュベイトファンド、Spiral Capitalなど一度は名前を資金調達リリースで見たことがある企業ばかり。CVCは、エステーやNTTドコモ、関西電力などが参画した。

発足に先駆けて開催した会見では、多くのスタートアップ関係者が集結。麻布台ヒルズから日本のスタートアップを盛り上げる機運がみてとれた。

そもそも、ここで出てくる「サンド・ヒル・ロード」とは何だろうか。なぜ一つ同じ場所に集積する必要があるのだろうか。

サンド・ヒル・ロードは、米シリコンバレー西部に位置する幹線道路の名称であり、この周辺にVCが多く集結している。ここに集結する投資家からシード時代に投資を受けた企業として、Alphabet(Google運営)やMeta(旧Facebook)、X(旧Twitter)などが存在している。どれも、時代を代表する企業だ。

また一つの場所に多くのVCが集結することの最大のメリットは、起業家が投資家を効率的に見つけることができる点だろう。確かに東京には多くのVC・CVCがすでに集結している。しかしオフィスが日本橋だったり、六本木だったり、渋谷だったりと点在していた。

今後、アイデアソンやピッチイベントなどを通じて、最新のテクノロジーや業界ごとのトレンド、有望な投資先との出会いの創出を目指す予定。今後、麻布台ヒルズから日本のスタートアップエコシステムが形成されることに期待したい。

さて、今回のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も定期的に更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2023年12月01日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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