令和6年能登半島地震でどう動いた?起業家・企業の動きまとめ
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、ウォッチしておくべきニュースやコラムをまとめた記事を配信していく。題して、スタートアップ通信──。土日にまとめて読みたい話題を、定期的に更新中。昨今も国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせている。その中から1本の話題、そしてトレンドとして押さえたいニュース数本をピックアップ。
・日本生命、スタートアップ向け数百億円規模の新ファンド
・MicoworksがVertex等から35億円調達、アジア展開へ
・スタートアップしたい人は全員見るべき金言
・令和6年能登半島地震でどう動いた?起業家・企業の動きまとめ
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
News1──日本生命、スタートアップ向け数百億円規模の新ファンド
日本生命保険(日本生命)は、政府の「資産運用立国実現プラン」を受け、新たに7つの取り組みを開始すると発表した。その中で、「国内ベンチャーキャピタル・スタートアップ企業へ投資するファンドの新設」がロイターや日本経済新聞など各主要メディアで注目を集める結果となった。
日本生命は、新ファンドを設立し、同社が投資するニッセイアセットマネジメントとニッセイ・キャピタルを通じ、国内VCとスタートアップへの投資を加速させるとのこと。日本経済新聞によれば新設ファンドは数百億円規模。投資対象は、日本生命とシナジーのあるヘルスケアやライフケア、人工知能(AI)による疾病予測をはじめ生保事業の高度化につながる先端技術を展開する会社だ。
CVCの中でも巨額ファンドとなる日本生命の新ファンド。どのようなスタートアップやVCに投資していくのか注目していきたい。
News2──MicoworksがVertex等から35億円調達、アジア展開へ
ブランドの提供価値の最大化を目指すMicoworksは、Vertex Growthやジャフコグループ、三菱UFJキャピタルなどから総額約35億円の資金調達を実施したと発表した。今回の資金調達の目的は、アジア地域を中心とするグローバル展開。海外進出を見据えたプロダクト機能の開発や、組織体制の強化を目指すとのことだ。
Micoworksは、企業と顧客のコミュニケーションを最適化するマーケティングプラットフォーム『MicoCloud(ミコクラウド)』や、飲食店向けLINEミニアプリサービス『ミコミー』を開発、提供するスタートアップ。東京海上日動火災保険やJR東海の旅行子会社など1000を超えるブランドが同社のサービスを導入しているという。
「Asia No.1 Brand Empowerment Company」の実現。Micoworksが2030年中期ビジョンで掲げる、アジアナンバーワンになる目標達成に向けた、今後の事業展開に注目したい。
News3──スタートアップしたい人は全員見るべき金言
スタートアップで働くことは、ハードだ。その分学ぶこと、実践経験を多く積むことができる。 そんなスタートアップの中でもがき苦しむいとうさんのnote「新規事業・スタートアップやりたいと言っていた1年前の自分に言ってあげたい言葉」を紹介したい。筆者のいとうさんは、2年前にエンジニアからBiz-Devに転職。現在は技術をビジネスにするべく奔走中とのことだ。
金言は9つ。
①作るな、売れ。 ②顧客?どこの何部の誰さんでいくら予算をもっている? ③お金の出し手「金ない」「人いない」「なぜお前」 ④お前の市場規模、小さすぎ。 ⑤お前は天才じゃない。 ⑥どの山に登る?どこから登る?なぜ登れる? ⑦リスクをとるな。 ⑧技術≠プロダクト。 ⑨技術はときに自分の首を絞める。
X(Twtter)でも、この9つの金言が響いた人は多かったようだ。「めちゃくちゃ分かりみが深い。」、「同意しかなかった」などのコメントが見られた。
ようやく来週からどの会社でも長期休暇明けとなる。少し鈍った感覚を、このnoteで取り戻してはいかがだろうか。
Column──令和6年能登半島地震でどう動いた?起業家・企業の動きまとめ
2024年1月1日16時10分頃、石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6、最大震度7の地震「令和6年能登半島地震」が発生した。年始休暇で企業が稼働していない中、ベンチャー・スタートアップがいち早くアクションを起こしたことをご存じだろうか。 今回はこの三が日の企業の動きや、起業家・投資家のX(Twitter)の投稿をまとめていく。
いち早く動いたのは、LINEヤフーが立ち上げた緊急支援募金「Yahoo!基金」だろう。4日時点で75万人が寄付、12億円近くが集まった。震災発生4時間後には、LINEヤフー会長の川邊健太郎氏がXで寄付を募った。
【拡散希望】令和6年能登半島地震の緊急支援募金をYahoo!基金が主体となって、急遽開始しました。こちらは、Tポイントやクレジットカードで寄付ができます。
— 川邊健太郎 (@dennotai) January 1, 2024
また500万円を上限としてLINEヤフー株式会社からもマッチング寄付を致します。
困った時はお互い様。宜しくご協力のほどお願い致します。… pic.twitter.com/JyJhSESbd9
そのほかにも、メルカリが同サービスの売上金を希望団体に寄付できる機能に、令和6年能登半島地震を追加。GMOインターネットグループは、被災地支援のためにGMOあおぞらネット銀行に募金口座を開設し「GMO基金」を発足。CAMPFIREはクラウドファンディングを自社クラウドファンディングプラットフォームで開始し、HARTiは緊急災害支援募金NFTを販売した。
寄付金の形ではなく、自社サービスを無料開放、拡張する動きもあった。『ChargeSPOT』を展開するINFORICHは、対象地域のバッテリースタンドを無料開放。ヘラルボニーは、障害のある人のための災害情報まとめの特設サイトを開設。避難所などにおいて困難を抱える障害のある人たちのためのガイドライン・災害時に役立つ情報発信を急遽実施した。
Xには起業家、投資家のコメントも溢れた。「微力ながら寄付しました。」、「安全と復興を祈っています」など、寄付に関する投稿は拡散され、寄付の連鎖を生んだようだ。そのほか、落ち着いた後に観光の形で貢献する、「少ししたら能登へ行こう。」といった投稿も見られた。
こうした動きに呼応した募金やSNSでの拡散といった行動もやはり、多く見られた。すぐにできることは、小さな事ばかりだと感じるかもしれない。だがその積み重ねによって、被災地が少しでも早く落ち着いていくことを祈りたい。
さて、今回のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も定期的に更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2024年01月05日に公開しており、
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