連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

「急成長フェーズ、誰を採用するか」という超難題を考える──5分で注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、ウォッチしておくべきニュースやコラムをまとめた記事を配信していく。題して、スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、定期的に更新中。

昨今も国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせている。その中から1本の話題、そしてトレンドとして押さえたいニュース数本をピックアップ。

・お祈りメール→「お祈りエール」に!

・事業家に会う?社会起業家に会う?イベント目白押し

・仕事を楽しみながら価値を出すコツとは

・「急成長フェーズ、誰を採用するか」という超難題を考える

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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News1──お祈りメール→「お祈りエール」に!

新卒ダイレクトリクルーティングサービスのABABAがシリーズAで、NESベンチャーキャピタルやデライト・ベンチャーズ、中国銀行による融資により、総額2.5億円の資金調達を実施したと発表した。調達した資金は、採用強化に利用するとのことだ。

ABABAの「お祈りエール」とは、新卒採用を対象にしたスカウト型サービス。人事担当者は、他社の人事が一定の評価を下した就活生のみにアプローチすることが可能。就活後半期であっても、母集団の質を下げることなく採用候補者を募ることができるという。

就活生に対しては、企業から祈りメールではなく、「採用できなかったけど、素晴らしい人材だから他社に推薦したい」という文言で、お祈りエールが送付されるという。企業と採用候補者、双方にとってポジティブなサービスとなっている。

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News2──事業家に会う?社会起業家に会う?
イベント目白押し

2月から3月にかけてカンファレンスが目白押しだ。今回はこの期間で開催される3カンファレンスを紹介したい。

2月10日(土)と11日(日)は、全16セッションの起業家・経営者・若手エースなど総勢43社・53名以上が登壇する『FastGrow Conference2024』が東京・ベルサール神田で開催。PKSHA Technologyやプレイド、LayerX、X Mile、ヤマシタ、COUNTERWORKS、Medii、UPSIDER、ブルードなど急成長を続けるスタートアップが登壇する。

3月2日(土)には、日本最大のスタートアップキャリアフェア『Startup Aquarium2024』が東京・虎ノ門ヒルズで開催。50社以上・100名以上が登壇し、当日は2,000名以上の参加者、そして1,000件の当日カジュアルマッチングを目指しているという。マネーフォワードやYOUTRUST、カミナシなどが登壇予定だ。

最後に紹介するカンファレンスは少し変わったものかもしれない。3月3日(日)、東京・Tokyo Innovation Baseで開催される『IMPACT SHIFT 2024』だ。このカンファレンスは、全国100名以上の社会起業家たちとインパクトのこれからに向き合う内容のもの。登壇者・出演ゲストは約100名。

現在「インパクト」は、業界団体「インパクトスタートアップ協会」の設立や、経産省「J-Startup Impact」の発足、金融庁「インパクトコンソーシアム」の設立から、政治・スタートアップ・金融を起点として業界を超えた取り組みが加速している。今回のカンファレンスは、よりインパクトの門戸を広げるべく、開催するという。

どのカンファレンスもさまざまな知見や、出会いがあると予測される。ぜひ参加を検討してみてはいかがだろうか。

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News3──仕事を楽しみながら価値を出すコツとは

社会人になれば、仕事が人生の大半を占める。1日8時間、3分の1を一般的な社会人は仕事に費やしているわけだが、仕事が楽しいと生き生きしている人はどれくらいいるのだろうか。

今、仕事が楽しくないと感じているひとに、ぜひこの週末一読いただきたい記事を紹介したい。ドリームインキュベータ代表取締役社長三宅孝之氏のnote「いま『仕事が楽しくない』と感じている人へ」だ。

このnoteでは、「仕事を楽しみながら価値を出すコツ」を学ぶことができる。

例えば、「2ヶ月間だけグッと息を止めて、全力で仕事だけをやってみよう」。仕事より先回りをし、仕事に追われるのではなく、きちんと仕事を自分なりに回せるようになるためのコツを身につけるための一定期間の確保だ。

そのほかにもこのnoteでは、こういった「仕事を楽しみながら価値を出すコツ」を何個か紹介している。仕事を楽しみたいと心に決めた方は、ぜひ読んでいただきたい。

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Column──「急成長フェーズ、誰を採用するか」という超難題を考える

採用が経営課題に入らない会社はないくらいに、採用は難しい。

いかにも採用に成功しているように見える会社でも、採用する人を読み違えたり、採用するレイヤーを間違えたり、多くの失敗をしている。今回はそんな採用の難しさを表現したLayerX代表取締役CEO 福島良典氏のnote「急成長フェーズでの採用の考え方」を紹介したい。このnoteは、LayerXの社内報だったもの。「これ外に出した方が候補者とのギャップ無くなるよと言われたので公開」したという。

では、急成長フェーズにおいての採用のポイントは何なのか。「時間軸」「組織を作る順番」「マッチするジョブの有無」「固有の知識の有無」の4点を掲げている。

ここでは時間軸を紹介する。

時間軸は、「今の組織や事業のフェーズの前提で採用する」のではなく、「半年後、1年後、1.5年後をみすえて採用する」。急成長中のスタートアップでは、ここ数ヶ月で出てきた課題解決に忙殺されている。そのため、フェーズ的に早いと判断した候補者でも、その半年後になって「〇〇さんみたいな人が欲しい」と言い出したケースなど無限にある。ゲームチェンジできる幹部の採用は、1年以上の期間を必要とするのでなおさらだ。

X(Twitter)の反応を見てみよう。「ベンチャーにとっての真のリスクはキャッシュアウトではなく機会損失にある(超意訳)、ってところでめちゃくちゃ頷きました」や、「このnoteで何社の急成長企業が救われることか…超貴重な暗黙的な実践知を形式知化してくれている」などのコメントがあった。経営者が言語化はできていないものの意識していたことを、言語化していた点が、このnoteが注目を集めた点だったようだ。

組織拡大の中、ただやみくもに人を増やせば良いというわけでもない。どのように組織を作っていくべきか、どのレイヤーから採用するべきか、幹部の採用にどこまで力を注ぐべきか。採用に悩んでいる経営層や、採用担当はぜひ一読いただきたい内容だ。

さて、今回のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も定期的に更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2024年02月02日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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