連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

「準備万端になってからアメリカへ」は言い訳!Ubie久保氏のnoteに反響の嵐──5分で注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、ウォッチしておくべきニュースやコラムをまとめた記事を配信していく。題して、スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、定期的に更新中。

昨今も国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせている。その中から1本の話題、そしてトレンドとして押さえたいニュース数本をピックアップ。

・NOT A HOTEL、デットファイナンス総額105億円調達

・ウェルスナビをMUFGが約1000億円で買収へ

・Terra Drone、東証グロース市場へ上場

・日経新聞が、スタートアップエコシステムの「苦しみ」に関する記事を増やしている

・「準備万端になってからアメリカへ」は言い訳!Ubie久保氏のnoteに反響の嵐

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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News1──NOT A HOTEL、デットファイナンス総額105億円調達

NOT A HOTELは、三井住友銀行や千葉銀行、広島銀行などより、デットファイナンスにより総額105億円の資金調達を実施したと発表した。今回の調達により、累計資金調達額は約223億円となった。資金調達の目的は、NOT A HOTEL各拠点の開発と、グローバル展開、新規事業開発などへの投資を目的としている。

NOT A HOTELはハイエンドな別荘を、オーナーがシェアして所有・運用できるサービスを展開している。2024年11月時点で、9拠点の販売開始・開業を実現し、累計契約高284億円、オーナー数659名を達成。2024年7月から本格的に海外販売も開始し、グローバル展開も強化しているとのことだ。

今後のグローバル展開、クリエイティブなホテルの展開に注目し続けたい。

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News2──ウェルスナビをMUFGが約1000億円で買収へ

ロボアドバイザー国内最大手のウェルスナビは、三菱UFJ銀行の完全子会社化になる見通しだ。約1000億円を投じてTOB(公開買い付け)を実施。ウェルスナビはこのTOBに賛同する旨のプレスリリースを公開した

ウェルスナビは、「長期・積立・分散」の資産運用を自動化を強みとするロボアドバイザー『WealthNavi(ウェルスナビ)』を提供するフィンテック企業。5つの質問に答えるだけでユーザーに合った運用プランを提案。NISAで長期投資が注目を集めたことをフックに、事業を成長させていた。2020年に東証マザーズ(現 東証グロース)へ上場。その後、2024年2月には両社が資本業務提携を締結していた。

完全子会社化により、三菱UFJ銀行を含む三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)全体とのシナジーで、さらなる成長を目指すこととなる。

スタートアップがIPOしたその先の買収劇として注目を集めた本件。スモールIPOや、IPO後の成長の鈍化が叫ばれる中での出来事でもあったこともあり、「上場後のスタートアップ」の動向には引き続き注目していきたい。

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News3──Terra Drone、東証グロース市場へ上場

包括的なドローンソリューションと、運航管理システム(UTM)の開発を手掛けるTerra Droneは11月29日、東京グロース市場へ上場したと発表した

24年1期の売上高は29億円、経常損失1.1億円。株主にはサウジアラムコや三井物産などが名を連ねている。

またTerra Droneと同じく、徳重徹氏が代表を務めるTerra Chargeは、みずほ銀行や東邦ガスなどから、シリーズDラウンドで総額100億円の資金調達を実施したと発表した

Terra Chargeは、EV充電器の設置・運用を一気通貫で提供し、EV充電器の利用・決済ができるアプリ『Terra Charge』を提供。日本でのEV充電器の設置数は1万口を突破し、海外ではインド・タイ・インドネシアの3か国で展開している。

今後の展開に注目したい。

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News4──日経新聞が、スタートアップエコシステムの「苦しみ」に関する記事を増やしている

食用コオロギのグラリス、園芸や造園のストロボライト。メディア露出も決して少なくなかったスタートアップ2社が、立て続けに破産申請を行なっている。その内幕を、日本経済新聞が取材記事として公開し、注目を集めた。

日本経済新聞「食用コオロギのグリラス、自己破産申請 ネット風評響く」によれば、徳島県内の高校が2022年度にコオロギの粉末入りの給食を提供したところ、インターネット上に批判的な意見が殺到。食糧危機や昆虫食に関する授業を開き、本質的な啓蒙・理解に努めたものの、商談数の減少等により、事業の継続を断念したとのことだ。

また、ボタニカルライフのWEBメディアLOVEGREEN「ラブグリーン」を中心に注目を集めていたストロボライトもまた、10月30日に東京地裁から破産手続き開始決定を受けたと日本経済新聞は報じた。日本経済新聞「立ち枯れた園芸スタートアップ、資金支援続かず 信用調査ファイル」によれば、立ち上げた複数の事業はいずれも黒字化できない状態が続いていたことが指摘された。

東京商工リサーチによれば、2024年の倒産件数は11年ぶりに1万件を超える可能性が出てきており、その中でのスタートアップの倒産件数も増加している。

国内のスタートアップエコシステムが拡大してきた中、こうした事例も当然少なからずあるはず。適切に学び、参考としていきたい。

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Column──「準備万端になってからアメリカへ」は言い訳!Ubie久保氏のnoteに反響の嵐

Ubie 共同代表取締役 久保恒太氏のnote「日本のスタートアップがアメリカでホームランを打てない理由」が注目を集めている。

なぜ日本のスタートアップはうまく海外でグロースできないのか。メルカリやマネーフォワードなど、日本市場を勝ち取ったスタートアップが幾度となく挑戦を続けるグローバル化だが、なかなかホームランを打つことはできていない。

その理由を久保氏は「十分に大きい日本マーケット」「早期IPOのしがらみ」「日本事業で成功してから進出すれば良いという考え」の3点があると指摘します。

Xでは「これ本当にそう」や「かなり共感できる内容」といった投稿が見られた。ぜひこの週末、ご一読いただきたいnoteだ。

さて、今回のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も定期的に更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2024年12月06日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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