スタートアップも公開「年頭所感」まとめ
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、ウォッチしておくべきニュースやコラムをまとめた記事を配信していく。題して、スタートアップ通信──。
土日にまとめて読みたい話題を、定期的に更新中。
昨今も国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせている。その中から1本の話題、そしてトレンドとして押さえたいニュース数本をピックアップ。
・Preferred Networks、140億円を調達!AI半導体や生成AI基盤モデルの開発を強化
・リージョナルフィッシュ、40億円の資金調達を発表
・数字を「達成し続ける組織」となるためには
・スタートアップも公開「年頭所感」まとめ
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
News1──Preferred Networks、140億円を調達!AI半導体や生成AI基盤モデルの開発を強化
Preferred Networksは、ファーストクローズとして総額190億円の資金調達を実施したと発表した。SBIグループをリード投資家とした、積水ハウスや日本政策投資銀行、三菱商事などからのエクイティ投資と、商工組合中央金庫や三井住友銀行などからのデット投資をあわせた金額。
今回調達した資金を通じて、採用強化と低消費電力AIプロセッサーの開発、製造、販売を強化、国産生成AIモデルの性能強化へ投じるとのことだ。
これまで社外発信が多かったとはいいがたい同社。今回の調達に合わせ、CFO堅山氏がnoteを公開し、「忙しすぎてちゃんといろいろ外に出せておらず、今後出していきたいと思っています!」と綴っており、1月9日(木)には採用候補者向けの事業戦略説明会まで開かれていたようだ。
Preferred Networksの資金調達と今後の戦略について|Yotaro Katayama @YotaroKatayama #note https://t.co/VtKYiAdYax
— Yotaro Katayama (@YotaroKatayama) December 24, 2024
今年はこういうことをしていました(忙しすぎてみなさん全くご挨拶などできておらずすみません :bow:)
また1月には、Rapidus、さくらインターネットとともに、国産AIインフラの提供に向けた基本合意を締結している。
これから新たな仕掛けが多くみられるかもしれない。注目していきたい。
News2──リージョナルフィッシュ、40億円の資金調達を発表
リージョナルフィッシュは、シリーズCラウンドで総額40.7億円を調達したと発表した。エクイティファイナンスとしての第三者割当増資では、新たに、セブン-イレブン・ジャパン、Mizkan、崎陽軒などが引受先となった。
今回調達した資金を通じて、品種改良の推進、生産体制の強化、そして研究開発の強化を行うとのことだ。
リージョナルフィッシュ、シリーズCで約40億円調達(エクイティ30.2億円)https://t.co/I5idQ19Fxo
— 平川 凌/スピーダ事業スタートアップアナリスト (@g7z5e) December 26, 2024
崎陽軒が入ったのおもしろいw
タイ・フグ・ヒラメときて、次は何になるのか楽しみ(神経締め&血抜きをして丸のままで売って欲しい)
日経によると、評価額は420億円(22年のシリーズBから約4倍に)… https://t.co/DzJpkSlbxL
リージョナルフィッシュは、京都大学の研究シーズをもとに設立されたスタートアップで、ゲノム編集技術をはじめとする品種改良技術やスマート養殖技術を活用した養殖事業を展開している。これまでに、マダイ、トラフグ、ヒラメなどを市場に送り出している。
News3──数字を「達成し続ける組織」となるためには
2024年もスタートアップの中で組織を拡大してきたLayerX。その中で、どのように数字を達成し、急成長する組織としてきたのか。LayerXのメンバーが年末に公開したnoteでは、LayerXがいかにストレッチな目標を達成し、急成長し続けているのかを学び取ることができる。
その中から今回は、執行役員 バクラク事業担当 牧迫寛之氏が書いたnote「達成し続けるチカラ」を紹介したい。
同社は11月、4月対比で増加MRRを2.5倍にすることに成功した。この目標が達成できなければ、「11月の予算を1円でもショートしたら役員報酬をカットする」ことを決めていた(代表福島氏のnoteから引用)という。
どのようにこの数字目標を達成したのかというと、「実現したい未来との差分を認識」し、「具体的でactionableな実行計画」を策定。そして、「実行計画内の施策のオーナーシップを明確にした」という。この時の差分は、「受注率を1%あげるには」という議論ではなく、「受注数をあと1件あげるには」というカウントアップのマネジメントにシフトした。
具体的にどのような施策を取ったのかは、ぜひnoteを一読いただきたい。
Column──スタートアップも公開「年頭所感」まとめ
年始に企業が関係者に向けてコメントを発表する「年頭所感」。1年間を振り返り、次の年をどのように捉えているのか、所信表明の場所にもなっている。 この年頭所感が、スタートアップでも公開されるようになってきた。
そこで今回は、3社の年頭所感を紹介していきたいと思う。
キャディは2024年、祖業であるCADDi Manufacturingの、製造業データ活用クラウドCADDi Drawerとの統合を発表。9月には、製造業AI見積クラウドCADDi Quoteを新アプリケーションとしてリリースした。また2022年から開始した「モノづくり未来会議」は、5000人規模を達成。そのほかにも、名古屋拠点の設立やガバナンス体制を強化した。今後は、プラットフォームCADDiをさらに進化させ、製造業の「標準」を引き上げることで、創造的な活動に集中できる基盤を構築することを目指すという。
2025年 年頭のご挨拶 キャディ株式会社
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000134.000039886.html
物流スタートアップのX Mileは2024年、シリーズB資金調達や、1000名規模の「物流DX未来会議2024」の開催。また、東京都トラック協会の『初めての運送DXセミナー』へ登壇した。今後は、「物流2024年問題」をはじめとするノンデスク産業の社会課題解決に挑み続けるリーディングカンパニーとしてさらに成長をしていくとのことだ。
X Mile株式会社|2025年 年頭のご挨拶
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000085.000063503.html
不動産業界のDXを推進するestieは2024年、1000名規模の「不動産DXカンファレンス2025」の開催、シリーズBで28億円の資金調達を実施。今後は、不動産業界におけるデジタルインフラ構築を加速させ、業界のDX推進と業界全体の繁栄に貢献していくとのことだ。 また同社は8日、三菱UFJ信託銀行や三井住友信託銀行などから資金調達を発表した。
株式会社estie 2025年 年頭所感
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000130.000040115.html
さて、今回のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も定期的に更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2025年01月10日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。