もちろん起業家自身の目標や経営戦略、タイミングなどの要素が合えばという前提でお勧めはできます。理由は「目線の引き上げ」と「事業シナジー」の2つです。
まず「目線の引き上げ」についてですが、グループインするといきなり大手企業(例えば上場企業基準)のガバナンスと事業計画、市場へのインパクトを求められるようになります。シリーズA.Bくらいのスタートアップからすると、まったく違う世界に来てしまったみたいな感覚です(笑)。また、大型ファイナンスをした後のような長期目線での戦い方ができるので、自然と視座が上がっていくメリットがありますね。日常的な会話の内容すら、まったく変わってきます。
あとは当然「事業シナジー」も大きいです。僕らは交渉時からこの点を意識していて、かなり時間をかけてコミュニケーションを取りました。まずバリュエーションの交渉は置いておいて、自分たちの事業戦略・プロダクト戦略から逆算して予算獲得以外の点でどのような事業シナジーが出るか、事業の成長角度を上げられるかを模索し、しっかり合意のもと交渉を進めたという感じです。