「大きなビジョンを持つこと」「小さい失敗体験・成功体験を積み重ねていくこと」の2つが必要だと思います。まずは登りたい山が何なのか、それがはっきりとしないと意味がないですし、できればより大きな志を持つことが大切だと思います。そのうえで目の前の仕事に自分なりの哲学や信念をもって、多くの小さな挑戦を繰り返していき、小さな失敗体験・成功体験を積み重ねていくことが重要です。
今はインターネットであまりに多くの成功した人の情報が手に入るため、一気に大きく成功できるのではないかと考えてしまいがちです。しかし、実際には一度に大きな成功を収めることは難しく、小さい失敗体験・成功体験を積み重ねていくことでしか大きな成長をすることはできません。成功した話に関心が行きがちですが、その裏にはたくさんの泥臭い仕事の積み重ねがあるんです。
私の会社や支援先では、共通言語として「ボロ船理論」というものがあります。私が知っている多くのベンチャーや大企業で、大変多くの人が立派な企画を作ることに多くの時間をかけすぎていると感じています。例えていうと、会議でかっこいい船を作る設計図の話ばかりしており、実際に船を作っていないんですね。いくらかっこいい設計図を書いても、設計図は浮かびません。それよりは木材を拾い集めてきて、ボロくてもいいから浮く船を作ることのほうがはるかに重要です。ボロ船でも、実際に海に浮かべ走らせて、その後に改善を繰り返すことのほうが、実際の航海(会社経営)に役に立つと思います。