市場価値は「何を成したか」でしかない──キャディCHRO×20代エースが語る、自分の可能性を無限に広げるキャリアの築き方
Sponsoredとりあえず外資系戦略コンサルティングファームへ、そして事業会社に転身を──。
このような道でこそ市場価値が最も高まる、そう考える20代が今も多い。たしかに、急成長を続けるベンチャー企業やスタートアップにおいて、その事業を牽引するCxOやマネジメントレイヤーにはコンサルティングファーム出身者が多くなっている。多くの企業から求められているのは事実だろう。
しかし本来、「市場価値を高める」というのは、経験した業界で決まるほど単純なものではないはず。
「前例のない事業に挑戦し、正解がない中で意思決定を続け、失敗を乗り越えて成果を出していく」という経験こそが、人を成長させ、市場価値をも向上させると考えているのが、キャディというスタートアップだ。AI×グローバル×製造業という難度の高い領域で急成長を遂げる同社では、経営陣こそ戦略コンサルティングファームで成果を残した面々が揃うものの、躍動する若手たちの出自はそうではない。むしろ、スタートアップを含む事業会社からの転職が非常に多くなっている。
そこで今回、マッキンゼー・アンド・カンパニーでマネージャーを務めたCHRO幸松氏に加え、USマーケティングを担当する西村氏(東京大卒、UCLA休学中に第二新卒入社)と、未経験ながらPdMを務める後藤氏(東京大卒、22年新卒入社)の3名を招いた。語ってもらったのは、新卒1期生を中心に20代の優秀人材の採用に注力していく同社の生々しい現状と、この3名が感じているチャレンジングな環境の実態だ。
特に新卒に関して言えば、1期生としてスタートアップやメガベンチャーに飛び込んだ結果、大きく成長した事例は数多くある。
【著名ベンチャー新卒1期生の活躍事例】
•ソフトバンク → Unipos創業(田中弦氏)
ソフトバンク新卒1期生としてインターネット事業の黎明期を経験。その後、ネットエイジグループ(現ユナイテッド)を経て、2005年にFringe81(現Unipos)を創業。2017年にUniposを東証マザーズ上場へ導き、現在は代表取締役会長を務める。
•ディー・エヌ・エー → DONUTS創業(西村 啓成氏・根岸 心氏)
新卒1期生としてエンジニア・事業開発に従事。退職後、クラウド業務管理ツール「ジョブカン」やライブ配信アプリ「ミクチャ」を展開するDONUTSを創業(2024年3月期の売上高約176億円)。
•サイバーエージェント → ジンガジャパンGM(石川 篤氏)
新卒1期生として営業・海外事業に携わる。その後、日本発の画像共有サービス「ウノウ」の副社長を経て、当時世界最大級のソーシャルゲーム企業ジンガジャパンのGMに就任。
•GREE → 取締役 上級執行役員(荒木 英士氏)
新卒1期生としてエンジニア・事業責任者としてモバイル版GREE・ソーシャルゲーム事業を立ち上げ、現在は取締役 上級執行役員として事業を牽引。
•ラクスル → 執行役員(木下 治紀氏)
新卒1期生としてマーケティング責任者を務めた後、グループ会社COOを経て、現在は本体の執行役員として事業の中核を担う。
こうした事例が示すように、新卒1期生として挑戦した面々は、その後のキャリアで事業責任者や経営層へと成長している。彼らが手にしたのと同じようなチャンスが、2024年から始まるキャディの第二創業期でも得られるはず。1期生を始めとした20代の若手たちの中から、未来のリーダーが生まれることは間違いないはずだ。
- TEXT BY YUKO YAMADA
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
- EDIT BY TAKUYA OHAMA
20代の今こそ意識すべき「市場価値の本質」とは──外資コンサルや総合商社は、本当に理想のファーストキャリアなのか?
──キャリア選択において20代が意識している「市場価値」について、その本質はどこにあるとお考えですか?
幸松 多くの20代が、「履歴書に著名企業の名前が並ぶこと」や「高い年収を得ること」を、市場価値の高さだと捉えがちなのではと感じます。しかし、CHROとして断言しますが、「人材市場」における「価値」の尺度として本当に重要なのは「どの会社にいたか」「いくら稼いだか」よりも、「自分が何を成したか」にあります。
事実、ステップアップしていく若手ビジネスパーソンの皆さんからは、「チャレンジングな目標の中、責任を持って仕事に向き合い成果を出してきた」というオーラや自信を感じます。そんな努力の延長線上には事業責任者や経営者といった大きな責任を持てるキャリアパスがあり、結果として、数千万円、数億円の報酬を手にする人材になる。私たちは、こうして「大きなことを成す」に至った人たちこそが、真に市場価値の高いビジネスパーソンだと考えています。

キャディ株式会社 最高人事責任者 CHRO 幸松 大喜氏(Daiki Komatsu)

取材内容等を基にFastGrowにて作成
──では、より具体的に、どのような環境での挑戦によって市場価値が最も高まると感じていますか?
幸松「不確実性の高い環境」ですね。どのタイミングでキャリアを選択するにしても、成長の鍵は「正解がない環境で意思決定し、成果を出す経験を積むこと」にあります。「お客様も上司も正解を持っていない」という状況が当たり前の環境のことです。そんな状況では、正解を探しても見つからないので、自分で正解をつくり出す必要があります。
キャディは、製造業という巨大産業に、AIとデータを活用した革命を起こすという前人未到の挑戦をしています。これは単に「難しい仕事」というレベルではなく、世界のどの企業も成功事例を持っていない、まさしく正解のない領域への挑戦です。さらに、この変革を日本だけでなく、グローバル規模で同時に進めようとしているため、既存の手法や考え方が通用しない状況に日々直面しています。こうした環境だからこそ、正解を与えられるのを待つのではなく、自ら作り出していく必要があるのです。
「正解はわからないけれど、こうしよう」と意思決定し、成果が出るまで試行錯誤しながらがむしゃらに取り組む。そんな経験を繰り返すことで、先ほども話したように事業責任者や経営者といったキャリアにつながり、社会を大きく動かすような仕事ができるようになる。そうなれば、市場価値は無限に高まっていきますよね。
⸺「不確実性の高い環境」とは言い換えれば「リスクの高い環境」だと思います。多くの20代が大企業やコンサルを選ぶ理由の一つに「安定性」がありますが、キャリア形成における「リスク」についてはどうお考えですか?
幸松リスクというものは早い段階で取るほうが合理的です。若いうちはやり直しがきくため、実は20代でリスクを回避し続けることこそが、キャリア全体から見ると最大のリスクとなり得ます。私自身、キャリアの始まりはマッキンゼーという「安定した環境」でしたが、26歳でキャディの創業期にジョインした理由は、若いうちだからこそ大きな挑戦に身を投じるべきだと考えたからです。
「不確実性の高い環境」は不安に感じる方も多いでしょうが、そこでの経験は他では得られない資産となります。実際に当社では、西村さんや後藤さんのように若くして大きな裁量と責任を持って挑戦しているメンバーが、驚異的なスピードで成長している姿を日々目の当たりにしています。また、「スタートアップでのキャリアは大企業への転職の障壁になる」という固定観念は、すでに過去のものになっています。
確かに大手商社やコンサルティングファームと比較すれば、スタートアップであるキャディは相対的に「企業の存続リスク」は高いかもしれません。しかし、2025年3月に発表した銀行借入(無担保・無保証)を含む91億円の資金調達からもわかるように、当社は金融機関からの信用も得られており、財務基盤は盤石です。

「『CADDi Drawer』の導入クライアント例」提供:キャディ株式会社
20代で海外を飛び回りグローバル展開の最前線へ、キャディで挑戦する若手の実例
──西村さんはまさに今、「不確実性の高い環境」として、キャディのアメリカ法人「CADDi Co., Ltd.」で現地の経営者とのつながりをつくるマーケティングを担当されています。20代のうちからグローバル展開の現場で裁量を持って挑戦する環境はなかなかないと思いますが、どのような経緯だったのでしょうか?

キャディ株式会社 USマーケティング 西村拓之(Takuno Nishimura)氏
西村キャディに入社してから3年間、日本、タイ、メキシコ、シカゴと約半年ごとに拠点を変えながら、グローバル展開の推進に携わってきました。各拠点で成果を出し、現地のメンバーに業務を託した上で次のステップへと進ませてもらっています。
直近ではアメリカで、『モノづくり未来会議 in ラスベガス』を主催しました(結果についてのリリースはこちら)。これは世界最大級のテクノロジー見本市『CES 2025』に合わせて、同じラスベガスで開催したキャディ主催のイベントです。製造業を代表する大企業の経営層や役員の方々を対象に約120名の集客を達成することができ、開催から3カ月足らずで数多くの参加企業からの受注に繋がりました。
こうした経験を積んでいく中で、グローバル展開のさらなる加速を見据え、次のステップとしてカントリーマネージャーを目指したいと考えています。アメリカで活動を共にしていた上司が今ではタイのカントリーマネージャーとして活躍しているのを見て、私も早くアメリカ事業を完全に軌道に乗せて、次の展開先に挑戦したいと思うようになりました。
当社が今後視野に入れているヨーロッパ展開はまだ具体的には確定していませんが、私がその役割を担える可能性はあります。確定していない未来だからこそ、自分の成果次第でチャンスを生み出せる。「西村に任せるべきだ」と思われる存在になることで、必ずその機会を自分の手でつかみ取りたいんです。キャディでは、与えられるのを待つのではなく、自分で道を切り拓くことができますから。
──後藤さんも同じく「不確実性の高い環境」として、日本国内の大企業とのプロジェクトを推進してきたとお聞きしました。
後藤入社してからはまずManufacturing事業において、プロジェクトマネージャーとしてお客様と向き合いながら、国内外の協力工場と調整を重ねることで、お客様の調達課題を迅速に解決していく日々を送っていました。特に、製造業という長いバリューチェーンを持つドメインにおけるプロジェクトは不確実性が高く、予測できない問題が頻繁に発生します。
たとえば、あるお客様が新たな部品の調達を始める際のプロジェクトを担当したときのことです。この初動で小さなミスがあると、その後の全工程に長期間にわたって影響を及ぼし、お客様の損失にも、もちろんキャディとしての大きな損失にもつながる。だからこそ、細部まで徹底して確認しながら進める必要があり、そうしたプレッシャーの中で仕事をする経験は、非常に大きな学びになりました。
そうした現場で経験を積むうちに、「ITの力を使って、もっと多くのお客様に価値を届けられる仕事にも挑戦したい」という想いが強くなり、「今度はプロダクトマネージャーに挑戦したい」と自ら手を挙げたんです。
幸松キャディでは、プロダクトマネージャーというポジションは会社やプロダクトの未来を左右する責任ある立場のため、通常は他社で同様の経験ある中途社員のみに任せています。
しかし、後藤の場合は例外的な判断をしました。これまで担当した難しい案件で常に期待以上の成果を出し続けていたため、「未経験でも後藤なら必ず役割を全うする」という信頼が経営陣の間で生まれていたんです。スタートアップの良さは、このように実力者には前例がなくても新たな挑戦機会を提供できること。後藤のさらなる能力拡張に期待して、プロダクトマネージャーに抜擢したというわけです。
これはつまり、「キャディが抜擢した」というよりも「後藤さんがチャンスを勝ち取った」ということです。若手の皆さんには、この姿勢をぜひ持ってほしい。チャンスは「待つ」のではなく「勝ち取ろう」ということです。
キャディのミッションは「モノづくり産業のポテンシャル解放」ですが、人財活用においては「社員のポテンシャルの解放」を大事にしており、まさにその一例だと思います。

取材内容等を基にFastGrowにて作成
流されない就活術、自分で選ぶキャリアの決め方
──「不確実性の高い環境」の中で成果を出し続け、市場価値を高めている後藤さんと西村さん。お二人に、就活の進め方や、その前提となるキャリアの考え方についても振り返ってお聞きしたいです。

キャディ株式会社 プロダクトマネージャー 後藤 潤平氏(Jumpei Goto)
後藤私は「自分が本当に大切にしたいものは何か」を明確にしてから、理想のキャリアを考え、新卒入社先を検討しました。
というのも、これまでの人生は「周囲からの期待に応える」という選択ばかりだったことに気が付いたんです。進学校だった高校では「東大に行きなさい」と言われて大学受験し、理系学部に入った後、大学院もまた周囲の雰囲気に合わせて進学しました。そんな受け身の姿勢に対して、就職を前に自分自身で意思決定して人生を歩みたいと思ったんです。
この時初めて、「そもそも自分はどう生きたいんだろう?」と真剣に考えました。その結果、私が大事にしようと思ったのは「肩書きに関係なく、フラットに議論できる環境」「最大限成長できるキャリア」「国内に留まらず、グローバルに挑戦できる場」でした。
キャディと出会い、何人かの社員と話して、直感的に「ここならそれを実現できる」と思ったんです。ここでは世の中を変えるような最高難度の挑戦に、若手もベテランも皆が熱量高く向き合っている。単に「給料が高い」とか「肩書きが良い」ではなく、本気で社会にインパクトを与えようとする人たちが集まっている。
特に印象的だったのは、一人ひとりが仕事だけでなく「人としての生き方」にも真剣に向き合っていることでした。こうした熱い大人たちの中で過ごせば、ビジネススキルだけでなく、自分自身の生き方を見つめ直し、人間として成長できる環境だと確信し、キャディを選びました。
西村私は、大きく2つの観点で考えていました。1つ目は、将来的に宇宙産業に携わりたいということ。ロケットや人工衛星の開発、衛星データの活用など、どの分野でもハードウェア、つまり「モノづくり」が根幹にある。だからこそ、まずは製造業の知見を深めることが不可欠だと考えました。
2つ目は、自分のバックグラウンドを活かせる環境だったこと。私は中学から大学までアメリカで過ごしてきたことから、グローバルな環境で働きたいと人一倍強く思っていました。 就活では商社や日系大手も含め複数の企業と接点を持ちましたが、キャディは「若手が担える挑戦とフィードバックのバランス」が優れていると感じます。グローバル展開という大きな挑戦ができる一方で、マッキンゼーやApple出身の経験豊富な経営陣や、元CxO・執行役員クラスの先輩たちから直接フィードバックをもらいながら進められる。そうした環境で働くことが、自分の成長にとって最適だと考えました。

「高難度な挑戦に惹かれ、他社でCxOを担った面々など多様な人材が続々とジョイン」提供:キャディ株式会社
──実際にキャディで働く中で、成長環境として特に驚きを感じるのはどのような点ですか?
後藤「ムーンショット(*1)な目標設定」ですね。その特徴は、ただ高い目標設定をしているというだけでなく、「それをいかに異常なほど短期間で達成するか」を重視している点です。
通常なら2年かかるとされる大手エンタープライズ企業との契約プロセスを、キャディでは約半年で完了させます。契約締結までに数十人の関係者を巻き込み、お客様との調整、社内の意思決定、パートナーとの連携を同時並行で進める。一般的なスケジュール感では考えられないスピード感で、これを「3ヶ月~半年でやる」といった短期間の目標に落とし込んで進めていくんです。
キャディではこれが日常茶飯事ですが、重要なのは、はなから「無理だ」と諦めるのではなく、あらゆる手を打って突破口を探ることです。一般的に、高い目標を掲げると「時間をかければ達成できる」と考えがちですが、キャディでは徹底して「短期間での達成」を目指します。そのため、目標達成の難度が圧倒的に高くなる。
ただ、こうした「異次元の目標」に挑み続けることで、自分の中の「当たり前の基準」が変わっていきます。「無理だろう」と諦めることが、徐々になくなっていくんです(笑)。この経験の積み重ねが、自分自身の市場価値を飛躍的に高めているのを実感しています。
(*1)ムーンショット(Moonshot)……実現が困難だが、成功すれば社会に大きなインパクトを与える革新的なプロジェクトや目標を指す言葉。1960年代のアメリカのアポロ計画:人類を月(Moon)に送る(Shot)計画に由来し、「非常に大胆な挑戦」といった意味合いでスタートアップもよく使用する

取材内容等を基にFastGrowにて作成
「キャディの経営戦略として必要な投資だ」。
新卒一期生や20代の採用にかける期待
──お二人のように“肩書ではなく挑戦”を選ぶ若手をさらに増やすべく、キャディは20代の若手ビジネスパーソンの採用はもちろん、新卒採用も本格化させるそうですね。しかも新卒は1期生として、いきなり30名もの採用を予定している。多くのスタートアップが少人数から始める中、なぜこれほど大規模に始めるのでしょうか?
幸松 キャディが今後も成長し続ける経営戦略のために、20代の若手や新卒メンバーが増えていくことは不可欠だからです。
ベンチャー企業やスタートアップの経営者さんから、「人件費が相対的に安く、コストパフォーマンスが高いため優秀な若手人材の採用を進める」という考えをお聞きすることがありました。ですが、我々はそうした考えは持っていません。将来のリーダー層を育て、事業を加速・継続させ続けるための、攻めの投資なんです。

──つまり、新卒や20代の若手人材の採用が経営戦略として重要な位置づけになっているということですね。
幸松そうなんです。先ほどお伝えした「ムーンショットな目標設定」というキャディならではのカルチャーを、これからも維持・強化していく必要性があります。なぜなら、3年以内に新しいプロダクトを新たに数十個立ち上げると決めているからです。そのために、現在600名ほどの社員数を、この1年で1,000名規模にまで一気に拡大していきます。
人数が大きく増える中でも、今のカルチャーを維持し、進化させていけるよう、「ムーンショットな目標設定」を息を吸うように体現できる20代のリーダー層を増やしたいと考えています。
今のキャディのカルチャーなくしては、「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」という企業理念の実現には近づけない。一気に人員拡大する中でも絶対にカルチャーを維持するための重要な経営施策として、新卒を含めた20代の採用を本格化させているんです。
半年前には「不可能」と思えた目標も、チーム全員で挑むことで、「必ず達成できる」という感覚に
──「ムーンショットな目標」や「最高難度の挑戦」という言葉は魅力的ですが、その実態がどのようなものなのか、まだ具体的にイメージしにくい部分もあります。実際の現場でどのように困難に立ち向かい、成長し続けているのか、具体的なエピソードをお聞きできますか?

西村私たちは毎四半期、新たに「達成不可能に見える目標」を立てて挑戦しています。たとえば現在のアメリカ市場に向けた戦略では、大手企業のCEOや役員クラスとの直接商談を合計数十件以上獲得(*2)する、という高いハードルを設定しました。
そもそも半年前までは、アメリカで大手企業の役員クラスとの商談はゼロ件でした。そこからいきなり、数十件以上を創出するという高い目標を置いたんです。しかもこの先3か月という極めて短い時間軸で。
「これまでほぼできなかったのに、いきなりできるわけないだろう……」という考えが頭をよぎりながらも、必死でさまざまなアプローチを考え、実行してきました。たとえば、まずは中間管理職との商談を設定し、そこから徐々に上層部にアプローチするという手法。ただ、これはあまり上手くいかなかった。
そこで、以前は感覚的に筋が悪いと思っていた「いきなり社長にアプローチする」トップダウン戦略に切り替えました。CEOへの直筆の手紙、LinkedInでの直接コンタクト、役員の方々を対象としたイベントの開催など、思い浮かぶことはすべてやりました。するとその一部が想定以上にうまく進み、徐々に商談実施数として成果が出始めたんです。
このサイクルを通して、半年前には不可能と思えた目標も、四半期を重ねるごとに「あと少しで届く」という感覚に変わっていきます。チーム全員で「必ず達成できる」という確信を持ち、試行錯誤して成功を勝ち取る。これがキャディの「最高難度の挑戦」の実態ですね。
(*2)機密事項のため、具体的な数値は非公表
──「チームで挑む」といった点もキャディならではですね。実際に働く中で、特に影響を受けた考え方や学びはありますか?
後藤日々多くの刺激を受けています。たとえば、現在CPO(Chief Product Officer:最高プロダクト責任者)を務める白井は、フリークアウト出身で、非常に論理的かつ深い思考力を持つ人物です。
最初は「まるで魔法使いのようだ」と思うほど的確な解を導き出す姿に圧倒されました。しかし、実際には圧倒的なインプット量と、徹底した凡事徹底の積み重ねから生まれる卓越したアウトプットだと気づいたんです。彼は膨大な書籍や文献から学び、人一倍考え抜き、最適解を導き出している。
こうした姿勢を間近で見ていると、「自分はまだまだ成長できる」「白井さんの実力は努力の賜物なんだ」と実感します。周囲のレベルや努力の基準が高いからこそ、常に自分も「もっと高みにいけるのではないか」と刺激を受けています。
挑戦する意志がある者に、全力で光が当たる環境に
──キャディならではの魅力が具体的に伝わってきました。こうした環境を新卒1期生や20代の若手にも提供していくわけですね。その対象となる方々に向けて、改めてお伝えしたいことはありますか?
幸松キャディを受ける/受けないを考える前に、就活中、転職活動中の20代の皆さんには、「本当の市場価値とは何か?」を改めて考えてみてほしいです。それは、会社の看板や肩書きではなく、自分自身の経験と成長の積み重ねにおける「成したこと」で綴られるものであるはずです。あなたが考えているキャリアのイメージが、本当にそのファーストキャリアの選択で実現するのか?それを見つめ直すチャンスは今しかありません。
そして、今のキャディは「将来の市場価値が飛躍的に高まる、最高難度の挑戦ができる環境」だと、自信を持ってお伝えできます。
その理由は大きく3つあります。1つ目は「前例のない挑戦の大きさ」、2つ目は「自らを引き上げてくれる組織」、3つ目は「第二創業期という今だけのフェーズ」です。
まず「前例のない挑戦の大きさ」について。製造業では約100年ごとに革命が起こると言われています。今はAIによってグローバルで大きな変革の波が起ころうとしている状態です。今後5年〜10年の間にこれまでにない変革を起こす事業が求められる中で、それをキャディが牽引していく。その規模と難度は、単なる「難しい仕事」のレベルをはるかに超えています。
次に「自らを引き上げてくれる組織」という点。キャディには元マッキンゼー、Apple、トヨタ自動車に、ベンチャー / スタートアップのCxO経験者など、世界トップクラスの実力者が集まっています。彼らと日々議論し、直接フィードバックをもらいながら仕事ができる環境は、自分の視座と能力を急速に引き上げてくれます。
さらに、グローバル展開においても大きな強みがあります。現在、日本だけでなく、東南アジアやアメリカなど複数の国・地域で事業を展開していますが、各国で異なる商慣習やバリューチェーン、製造業の成熟度に合わせたアプローチが求められます。日本の常識が通用しない環境で、アンラーニングと新たな挑戦を繰り返しながら市場を開拓する経験は、他ではなかなか得られないものではないでしょうか。
そして「第二創業期という今だけのフェーズ」。キャディは現在600名ほどの社員を1,000名規模へと拡大し、3年以内に数十個の新プロダクトをローンチするという急成長フェーズにあります。製造現場の大量のデータを扱う複雑なSaaS型プロダクトを構築していく過程で、今このタイミングでしか経験できない挑戦があります。
難しさだらけの現場ですが、製造業の大変革とAI技術進展の背景から「今のキャディでは、間違いなく日本で最高難度の挑戦ができる」という自負があります。大げさかもしれませんが、キャディがGAFAM(*3)のような世界を代表する企業に成長した暁には、新卒1期生として「伝説の一員」になれるのではないでしょうか。日本にそうそうない、プレミアムな機会と言えると思っています。
(*3)Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftの頭文字を取り、グローバルテックカンパニーとしてのこの5社を差して使う略称
西村キャディには「不可能を可能にする」カルチャーがあります。毎四半期、一見達成できないように思える目標を立てますが、チームで力を合わせ、できることはすべてやり切り、何としてでも目標を達成し続けるというプロセスを経験できます。
また、キャディでは毎月新しいメンバーが入社するため、同じ月に入社した人を「同期」とし、強い横のつながりが生まれる環境があります。たとえば、私の同期は30名以上いますが、3年経った今も定期的に「同期会」を開催しており、20名以上が参加します。20代から40代まで、メーカー出身者、コンサル経験者、メガベンチャー出身者など多様なバックグラウンドのメンバーが集まる環境ですが、同期としての一体感が強く、日々刺激を受けながら成長できる場になっています。
こうした仲間とのつながりに加えて、個人のキャリア拡張のスピードも注目すべき点です。特にグローバルなキャリアを20代で積みたい方にとって、キャディは理想的な環境だと思います。先ほどもお伝えしたように、私自身、入社してわずか3年で4カ国もの拠点で事業活動を経験することができ、自分の成長スピードに自分自身が驚くような経験ができています。これこそが、キャディの最大の魅力だと思います。
後藤キャディの最大の魅力は2つあります。1つは繰り返しになりますが、「優秀で熱意あるメンバー」です。前職での豊富な経験を持ち優秀であるのはもちろんですが、それだけでなく全メンバーがものすごく高い熱量で仕事をしています。
さらに、こうした優秀なメンバーが若手の成長支援に惜しみなく時間を割いてくれる点です。たとえば、CPOの白井とは、日々の雑談や1on1で「プロダクトづくりとは何か」という話をすることがよくあり、そこでの学びがプロダクトマネージャーとしての基礎を築く大きな支えになっています。
また、アジア本部長の武居に「リーダーシップを学びたい」と頼んだら、土曜日に1時間しっかり時間を取って話してくれました(笑)。このようにキャディには、上司やリーダー陣に相談すれば、快く時間を割いてくれる文化があります。こうした環境があるからこそ視座が上がり、圧倒的なスピードで成長することができるのだと思います。
もう1つは「プロダクトの持つポテンシャル」です。CADDi Drawerは製造業AIデータプラットフォームという抽象的なプロダクトであり、プロダクトマネジメントの難度は高いのですが、その分多くの人に価値を届けられる可能性を秘めています。また、3年間で数十個のプロダクトをローンチしていくという方針があり、これもまた異常なほど高い目標設定です。スタートアップでも大企業でも、この開発スピードはめったにない話です。
こうした環境の中で求められるのは、「前例のない領域で意思決定し、自ら正解をつくる力」 です。新しいプロダクトを生み出し、成長させる過程では、誰も答えを持っていない局面が常に訪れます。そこで自分で考え抜き、決断し、結果を出す。この積み重ねこそが、本当の市場価値につながるのだと僕は感じています。

取材内容等を基にFastGrowにて作成

こちらの記事は2025年03月28日に公開しており、
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執筆
山田 優子
写真
藤田 慎一郎
編集
大浜 拓也
株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。
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