“カリスマ営業”の仕組み化は実現可能か?──急成長ベンチャーでゼロから営業組織を創る、ソルブレイン・辻の挑戦
創造性を発揮し、新しい価値を形づくろうとする人たちを“Shaper”と呼ぶ(詳しくはスローガン創業者・伊藤豊の著書『Shapers 新産業をつくる思考法』にて)。
Shaperはイノベーターやアントレプレナーに限らず、誰もがなり得る存在だ。一人ひとりがShaperとして創造性を発揮し活躍すれば、新事業や新産業が次々と生まれ、日本経済の活性化を促す原動力となるだろう。
連載企画「事業成長を生むShaperたち」では、現在スタートアップで躍動するShaperたちにスポットライトを当て、その実像に迫っていく。今回紹介するのは、グロースマーケティングを通じて企業の利益最大化を支援する仙台発のテクノロジー企業・ソルブレインで営業組織の構築を担う辻氏だ。
2008年創業のソルブレインは、2023年に三井物産と資本業務提携を締結(両社の対談記事はコチラ)し、データドリブンな事業共創を推進する企業として注目を集めている。ANAシステムズなどのエンタープライズ企業を顧客に持ち、事業を拡大してきたが、これまで営業の最前線を担うのは創業者・櫻庭誠司氏ただ一人だった。
しかし、事業の急速な拡大に伴い、スケーラブルな営業体制の構築が新たな課題として浮上──。この成長フェーズへの対応として、2024年6月に参画したのが、三菱電機で全国トップの営業成績を残し、トレジャーデータではインサイドセールスの仕組み化を推進した辻氏だ。「創業者の卓越した営業力」を「組織として再現できる営業の仕組み」へと進化させる──。辻氏の挑戦が始まった。
- TEXT BY YUKO YAMADA
- EDIT BY TAKUYA OHAMA
「緻密な分析」と「圧倒的な行動量」で全国トップの営業成績をたたき出す
辻営業の世界では「とにかく足を動かせ」とよく言われますが、闇雲に動いても成果は生まれません。過去、三菱電機とトレジャーデータで営業として成果を出し続けるために大切にしてきたのは、次の2つです。
「緻密な分析」と「圧倒的な行動量」
まず営業プロセスを徹底的に数値化し、どこにボトルネックがあるのかを可視化する。そして、狙うべきターゲットを精密に選定し、最も成果につながるポイントにリソースを集中させる。その上で、最後に誰よりも行動量を増やしてアプローチをする──。
この2つがかけ合わさることで、成果は自然とついてくると私は確信しているんです。
以下の図は、辻氏が営業戦略の中で意識してきた考え方を示したものである。

取材内容等を基にFastGrowにて作成
辻氏は新卒で三菱電機に入社し、FA(Factory Automation)システム事業本部でIoT製品の営業として全国トップの成績を記録。その後、トレジャーデータではインサイドセールスのマネージャーとしてチームのKPI達成を牽引してきた実績を持つ。
では、具体的にどうやって営業プロセスを最適化するのだろうか。
辻氏は、見込み客がサービスを認知してからサービスを採用するまでのセールスプロセスを、データで一元管理することから始めた。
辻リードの数や継続商談数・売上の数字だけでなく、年間のマーケティングイベント・セールスの保有案件数・受注確度などプロセス全体の状況をできる限り数字で把握し、変化する状況に応じて供給商談を調整してました。例えば、量より質が重視されるタイミングではアウトバウンドを増やし、インバウンドの反響が期待できない時期には休眠顧客へのアプローチを強化するなど、状況に応じてインサイドセールスの活動内容を柔軟に調整していきました。こうすることでリード不足による機会損失を防ぎ、安定的に目標達成を実現できるようになりました。
さらに四半期の売上目標に対し、それを月単位、週単位にブレイクダウンし、進捗を管理する。数値が伸び悩めば即座に次の一手を打つ仕組みだ。
辻マーケティング経由のリード数やアウトバウンドでのリード数、コール数、メール送信数などをすべて数字で把握していました。商談化率やクロージング率と照らし合わせ、ファネルのどこに課題があるのかを明確にする。こうした数値化によって、「ここを改善すれば成果が上がる」という具体的なアクションが見えてくるんです。
こうした成果の背景には、辻氏のもう一つの強み、精度の高いターゲット選定がある。彼は業界や企業規模だけでなく、投資姿勢や成長戦略まで徹底的に分析する。
辻まず企業データベースから、抜け漏れ・重複がなくデータが豊富なターゲットリストを作成します。その中で自社サービスと親和性の高い業界や、ターゲットとなる売上レンジを分析します。例えば、化粧品業界は売上における広告費の割合が高く、マーケティング予算が潤沢なためターゲットリスト作成時の売上レンジを広く設定したりします。
次に、その中でもマーケティング投資に積極的な企業を見極めるために、広告宣伝費の規模や成長戦略、CMO(最高マーケティング責任者)の発言、DXの推進状況、登壇や取材などの露出状況まで徹底的にリサーチします。こうしてあらゆる情報を収集して、最も成果につながるアプローチ先を絞り込むのです。
緻密なターゲット選定と営業プロセスの構造化が辻氏の方法論の基盤だが、彼が成果を出し続ける上で欠かせないもう1つの理由が、圧倒的な行動量だ。
辻前職では、社内のインサイドセールスのメンバーより顧客接点を2〜3倍多く持つことを意識していました。また、ただ接点を増やすのではなく、以下の3つを徹底していました。
- 訪問や架電を行った後、すぐに結果を振り返り、次回の改善につなげる
- 顧客の反応から共通点を抽出し、アプローチ方法を高速でアップデートする
- 日々のインプットを怠らず、新たな知識や業界トレンドを即座に試し、検証する
辻私はもともと好奇心が強く、業界の動向や最新の技術トレンドを積極的にキャッチアップすることが好きなんです。そこで得た知見を社内で共有し、議論を重ねることでチーム全体の底上げにもつなげていました。
構造化した営業プロセスとターゲットの絞り込みに加え、顧客接点の絶対数を圧倒的に増やし、常に高速でPDCAを回し続ける。辻氏が常に高い成果を出し続ける理由は、まさにここにある。
では、なぜ彼はこうしたアプローチにたどり着くことができたのか。辻氏のキャリアを振り返りながら紐解いていきたい。
三菱電機とトレジャーデータで学んだ「営業を仕組みにする技術」
2016年、製造業のDXが本格化し始めた時期に三菱電機に新卒入社し、FAシステム事業本部に配属された辻氏は、まさに変革の最前線に身を置くことになった。
辻私が入社した当時の製造現場は、現在ほどデジタル化が進んでおらず、多くのシステムがアナログな仕組みのままでした。
工場の制御システムはレガシーな信号線でつながれ、単純なオン・オフの信号しかやり取りできない。しかし、「インダストリー4.0*」の概念が世界的に広がり始め、センサーや高速通信および高機能計算機によるリアルタイムなデータ取得やロボティクスによる自動化など、デジタル技術による生産性の向上が徐々に求められるようになりました。
*インダストリー4.0とは、IoT、AI、ビッグデータ、ロボティクスなどのデジタル技術を活用して製造業を劇的に向上させる取り組みのこと。
AIやIoTなど新しい技術やトレンドに強い関心を持っていた辻氏は、この変革期を絶好の成長機会と捉えた。最初はがむしゃらに「足で稼ぐ営業」を実践していたが、やがてそれだけでは成果を最大化できないことに気づく。
辻三菱電機の時代に、ある先輩から大きな影響を受けました。その方は、徹底的な顧客理解で業界の知見を深め、それをターゲット選定に活かしながら圧倒的な行動量で顧客にアプローチしていたんです。どの業界のどの企業が、どんな課題を抱えているのかを整理し、狙いを定める。私はその先輩の側で手法を貪欲に学び、自分なりの営業スタイルを確立していきました。

株式会社ソルブレイン 辻氏
営業の効率を上げる方法を模索しながら、積極的に知識を吸収していた辻氏は、やがて全国トップクラスの営業成績を残すまでに成長する。しかし、それはあくまで「個人の努力」によるものであり、同じ手法を他の営業担当者が再現できるわけではなかった。
「『自分が成果を出せること』と『営業組織全体が成果を出せること』は別の話だ。属人的な成功ではなく、誰もが一定の成果を出せる営業プロセスを構築しなければ、組織としての成長は見込めない」
そんな課題意識が辻氏の中で芽生えた頃、転機は訪れる。2020年、コロナ禍の到来である。
コロナは営業の在り方を大きく変え、企業のデジタル化が急速に進む契機となった。同時に、辻氏自身のキャリアにも大きな影響を与えた。もともと海外志向が強かった彼は、海外での実務研修や駐在の話が進んでいたが、パンデミックによってその道が閉ざされることに。
辻ちょうど30歳を迎えたタイミングでした。コロナ禍で営業のあり方が大きく変わり、ITの活用がより不可欠になると確信しました。新しいチャレンジをするなら今しかない。そう決意し、転職を決めたんです。
辻氏が選んだ次のキャリアは、顧客データプラットフォーム(CDP)*を扱うトレジャーデータだ。同社でインサイドセールスのプレイヤーとしてスタートした辻氏は、わずか半年で実績が認められ、マネージャーに抜擢される。
マネージャーとしてチーム全体の成果をさらに引き上げるには、個々の営業スキルのばらつきを解消し、新たな市場への対応力や提案の精度を高める必要があった。そこで、辻氏は「チーム全体の営業力をどう高めるか」を考えるようになる。
*複数のソースから顧客データを収集・統合し、一元管理するマーケティングプラットフォーム。顧客の属性や行動履歴を統合することで、パーソナライズされたマーケティング施策の実施や顧客体験の向上を支援する技術
辻トレジャーデータでは、自社内でCDPを活用し、インサイドセールスからカスタマーサクセスまでデータドリブンで顧客との関係構築を最適化する取り組みを推進していました。
2021年当時、トレジャーデータは顧客データを活用してBtoBセールスをアップデートするサービスをローンチし、注力しているタイミングでした。自社内でも顧客データがCDPに溜まりつつある中、その活用法を模索していました。そこで、インサイドセールスでのユースケースづくりに取り組んだんです。具体的には、顧客ごとの行動データや興味関心を収集・分析し、商談化の可能性が高いリードをスコアリングする仕組みを構築しました。
たとえば、セミナー参加者や資料ダウンロードをした見込み客など、「人」単位でのアプローチ選定だけではなく、部署や企業といった「組織」単位で行動を集約して可視化することで、「組織」としてサービスに関心が高まっている兆候をいち早く検知。対象組織に面で当たることで案件発見の精度を高める仕組みを整えました。
この結果、営業チームは確度の高いリードに集中できるようになり、より効率的で精度の高いアプローチが可能になったのです。
さらに、技術勉強会や他の会社のインサイドセールスメンバーとの勉強会、成功事例の共有、ベテラン営業の商談への同席機会の提供など、組織全体の営業力を高めるための施策にも取り組んだ。結果、営業プロセスの「再現性」が向上し、継続的なKPI達成につながったという。
三菱電機では個人の努力で営業プロセスを構造化していた辻氏だが、トレジャーデータではデータとテクノロジーを駆使してチーム全体の成果を出す方法を学んだ。この経験を通じて、彼の視点は「個人の成果から、組織全体の成果へ」と変化していったのだ。
「営業の仕組み化」から「顧客の利益の最大化」へ。
拡大する挑戦ステージ
組織としての営業力を高め、再現性のある仕組みを整えた。それでもなお、辻氏の中では新たな疑問が浮かんでいた。
辻営業って、そもそも何のためにあるんだろうか。仕組みを整え、ターゲットを精緻に絞り込み、成果を出す。たしかに、それで数字は作れる。でも、それだけで本当に意味のある営業と言えるのか?自分の数字を作ることが目的になっていないか?もっと顧客の利益にフォーカスすべきではないか。そんなことを考えるようになったんです。
トレジャーデータでは、クライアントのROIを最大化するための施策を常に模索し、データを活用した提案を行う文化があった。営業の目的は「売ること」ではなく、「顧客の利益を生み出すこと」にある。辻氏は同社での経験を通じてその点を強く意識するようになっていった。そんな中、彼の中ではある考えが膨らんでいった。
辻特定のプロダクトの枠組みの中でROIを考えるだけでいいのか?本当に最適なソリューションを届けるには、もっと自由なアプローチが必要なんじゃないか。そう考えるようになり、挑戦の場を移す決断をしました。
そんな折、友人から「仙台に面白い会社がある」と紹介された。それがまさに、顧客の利益に徹底的に向き合うソルブレインだった。
ソルブレインは、顧客のバリューチェーン全体を最適化する『グロースマーケティング』を駆使し、中小企業から大企業まで幅広い業界の事業成長を後押ししているベンチャー企業だ。

提供:株式会社ソルブレイン
2024年3月、辻氏はソルブレイン代表・櫻庭 誠司氏と初めて対面する。
辻櫻庭から「ROIを高めるためには、ツールはただの道具(手段)に過ぎない」という言葉を聞いて、「まさに自分が求めていたものだ」と確信しました。
これまでの経験の中で、ツール導入やKPI達成が目的化してしまい、本来目指すべき「顧客の利益創出」についてきちんと検討せずに提案をしてしまうこともありました。ROIを強く意識するようになって、そのような提案をしてしまうことに葛藤を抱えていたんです。ソルブレインの考え方はそれとは全く異なり、ビジネス全体を俯瞰して顧客の利益の最大化まで踏み込む。その本質的なスタンスに強く共感しました。
そして何より衝撃を受けたのが、櫻庭の営業アプローチです。ただソリューションを提案するだけではなく、顧客のビジネスに深く入り込んで、経営層すら気づいていない本質的な課題を見つけ出す。企業の経営戦略や市場環境を徹底的に分析して、真のボトルネックを特定する。これほどまで深いレベルで顧客と向き合う営業の姿勢を見たことがありませんでした。
しかし、その強みをさらに活かし、事業をより大きく成長させるために、ソルブレインが乗り越えるべき課題もあった。創業以来、営業の最前線に立ち、事業成長を牽引してきたのは櫻庭氏だった。彼の高い営業力と深い顧客理解が、会社の拡大を支えてきたのは間違いない。一方で、事業のスケールアップを進めるには、営業ノウハウを体系化し、より多くのメンバーが再現できる仕組みを整える必要があった。
そこで2024年6月、辻氏は「営業組織の構築」というミッションを託され、同社の一人目の営業担当としてソルブレインに参画。現在、櫻庭氏と共に議論を重ねながら「突出したセールスプロフェッショナルがいなくても、組織として安定的に成果を出せる仕組みづくり」を推進している。
では、辻氏が取り組む「営業の仕組み化」とは具体的にどういうものなのだろうか。
辻「データを活用した営業プロセスの標準化」と、「営業手法の体系化」の2つです。
1:データを活用した営業プロセスの標準化
経験や勘に頼らず、データとテクノロジーを活用して営業活動を最適化すること
辻まず、これまで櫻庭の経験や直感に基づいていた「課題発見のプロセス」を、データを活用して可視化し、再現性を高める。これにより、営業活動の属人性を減らし、誰もが一定の成果を出せる仕組みを作ることを目指しています。
2:営業手法の体系化
成功する営業ノウハウを整理し、誰もが活用できる仕組みをつくること
辻また、これまで顧客ごとに個別対応していたものの、実は横展開できるノウハウや手法が数多く存在しています。それらを抽出・整理し、営業の共通メニューとしてテンプレート化することで、より効率的に課題解決を進められるようになります。
もちろん、すべての顧客課題がテンプレート化できるわけではなく、高度で複雑な案件には個別対応が必要になります。ただ、それでもできる限り仕組み化を進めることで、属人化を減らし、組織としての成長を加速させたいと考えています。
これまでソルブレインの営業は、櫻庭氏の卓越した知見と経験に支えられてきた。それが事業の成長を牽引する強みであった一方で、さらなるスケールを目指すには、新たなアプローチが求められていた。
そこで辻氏が今取り組むのは、「データとテクノロジーを活用した仕組み化」による営業の進化だ。営業プロセスの標準化と営業手法の体系化を推進することで、誰もが成果を再現できる体制を整える。これが実現できれば、ソルブレインはスケーラビリティの高い成長が可能になる。
辻氏はこれまで、三菱電機で個人の営業スタイルを磨き、トレジャーデータにおいてデータドリブンな営業の仕組み化を実践してきた。
しかし、ソルブレインでの挑戦は単なる営業の仕組みづくりではない。顧客のビジネス全体を俯瞰し、利益創出の最適解を導くことが求められる。それも、成熟した企業の中ではなく、変化のスピードが速い環境でゼロから仕組みを築くといった難しさがある。
辻氏は今、これまで培った経験を活かしながらも、過去の手法がそのまま通用しない、新たな次元の営業改革に挑んでいるのだ。
営業の枠を超え、グロースマーケティングで企業成長を加速させる
営業の再現性を高め、組織としての成果を最大化する。それは重要なステップだが、辻氏の視線はさらに先を見据えていた。
「営業とは何のためにあるのか?」
その問いを深く掘り下げる中で、ソルブレインの成長を通じて、社会に価値を生み出すこと が、自身の本当のミッションであると確信するようになった。
辻顧客の利益が上がれば、業界全体の活気につながり、ひいては社会全体の経済活動も活発になります。その結果、新たなビジネスチャンスも次々と生まれていく。この好循環を生み出すために、まずは顧客の利益を上げることにフルコミットするソルブレイン自身の成長に全力を注ぎたい。それが自分の使命だと考えています。
そのために辻氏は、営業組織の構築だけでなく、自らプロダクト開発やマーケティングにも関わり、「営業のあり方」そのもののアップデートを進めている。
辻私はもともとプロダクトを売る営業畑の人間でしたが、現在はプロダクト開発やそのプロダクトを世に広める為のマーケティングに携わり、大きな裁量のもと会社の成長のために新しいチャレンジを続けています。社内にエンジニアやデザイナー、マーケターが揃っているため、他分野のプロフェッショナルから直接フィードバックも受けられ、圧倒的な成長実感があります。
従来の営業の枠を超えプロダクト開発やマーケティングなど事業開発全般に携わること。それが、ソルブレインで辻氏が挑んでいるテーマだ。そして、こうした裁量ある環境は、今後ソルブレインに加わるメンバーにも開かれているという。

提供:株式会社ソルブレイン
辻私自身、まだ試行錯誤の段階ですが、営業組織を自らデザインしています。ソルブレインのグロースマーケティングを広めていくためには、もっと良いアイデアや手法があるかもしれない。「こんなアプローチも試せるのでは?」と新たな視点を持ち込んでくれる仲間と一緒に、柔軟に最適解を見つけていきたいと思っています。
事実、ソルブレインでは若手が自由に意見を発信し、それを実行に移せる環境が整っている。代表の櫻庭氏自身が、企業の成長には若手の挑戦が不可欠だと考え、大きな裁量と責任を与えているからだ。
入社3年目のメンバーがプロジェクトの中核を担って自らの判断で事業全体に影響を与える事例なども過去の取材で詳しく紹介されているので、ぜひ覗いていただきたい。
こうしたチャレンジを通じて、ソルブレインは「すべての産業にテクノロジーで最適解を提供する」というミッションを実践している。
特定の業界や流行りの手法に縛られることなく、企業ごとの商慣習や市場環境を深く理解し、本質的な利益の創出に向き合う。それこそがソルブレインのグロースマーケティングの本質だ。
辻今、ビジネスの現場では「DX」や「XaaS」といった新しい概念や「BizDev」「RevOps」などの目新しい職種が注目されています。
こうした変化が、企業の成長に大きな可能性をもたらしているのは間違いありません。ただ、一方で、デジタルツールの導入や肩書きの変更が目的化し、「なぜそれを行うのか?」 という本質的な視点が見落とされてしまうこともあると感じています。
どんな時代でもビジネスの本質は「顧客の利益を生み出すこと」に尽きます。自分は今、その本質と正面から向き合い、ソルブレインで挑戦を続けていくつもりです。
ソルブレインが急成長を遂げた背景には、櫻庭氏の卓越した営業力があった。しかし、それだけでは組織全体の成果にはつながらない。
大事なのは、誰もが成果を出せる再現性のある仕組みをつくること。 その仕組みこそが営業の進化を加速させ、企業の成長を支える。特に、ソルブレインのように急成長が求められる環境では、仕組み化のスピードが事業拡大の成功を左右する。
「営業の仕組みをどう進化させ、より大きな価値を生み出せるか」──。
その問いに向き合いながら、辻氏のShaperとしての挑戦は続いていく。
こちらの記事は2025年04月09日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
山田 優子
編集
大浜 拓也
株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。