電子契約サービスに新しい風──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。リリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップパーソンのために、週次でウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──
土日にまとめて読みたいニュースを、毎週金曜日に更新中。
Oishii Farm、シリーズAで約55億円の大型調達
アメリカを拠点に活動するOishii Farmが、シリーズAで約55億円の資金調達を達成。4月末を目安に、総額約65億円の調達を完了するとのこと。今回の調達資金は、世界最大のいちごの植物工場の建設を完了すると同時に、世界進出を進め、また自動化とCO₂排出ゼロを目指した次世代工場“Farm of the Future”の開発に取り組むために使われる。
YJキャピタルの堀氏も「日本食の品質の可能性」に注目している今回の資金調達。
おめでとうございます!
— 堀新一郎(ほりしん)@STARTUP本 (@horrrrry) March 12, 2021
YJキャピタルのスコープ外だったので検討させていただかなかったんですが、日本食の品質は可能性ありますよね!
Oishii Farmが大型シリーズAラウンドで約55億円を資金調達。NYで、世界最大のいちごの植物工場の建設... https://t.co/WZ77WPlaea @PRTIMES_JPより
Oishii Farmとは、CEO古賀大貴氏がニューヨークで起業した植物工場スタートアップだ。慶応義塾大学を卒業後、コンサルティングファームを経てカリフォルニア大学バークレー(UCバークレー)校でMBAを取得したのち、2017年からニューヨーク近郊に植物工場を構え、日本品種の高級いちごを展開。量産化に向け技術が確立できたこのタイミングで、調達に踏み切った。今回のリリースの背景を含め、後日、FastGrowでも記事を公開するので、乞うご期待。
開成M&A。freee、28億で電子契約に参入
先週の週刊スタートアップで、freeeがARR100億円突破というニュースを取り上げた。SaaS企業は、ARR100億円が一種の大きな壁として認識されることが多いが、その突破に引き続き、今週もfreeeの思わぬ一手が飛び込んできた。
電子契約サービスなどを展開するサイトビジットの株式の70%を取得し、子会社化する予定だという発表したのだ。買収価格は、約27.8億円であり、freeeは、サイトビジットのサービスを引き継ぎ、電子契約サービスも提供開始することになる。
開成同士のM&A。佐々木さんが1999年卒で鬼頭さんが2000年卒で1つ学年違いだったと思います。
— 伊藤 豊 | Slogan 「Shapers 新産業をつくる思考法」21年1月29日出版 (@yutaslogan) March 10, 2021
2020年10月に改正電子帳簿保存法が施行されてから、LegalTech業界に、新たな流れが生まれている。実際、マネーフォワードが、先月、電子契約サービスの提供を発表したことに続き、今回のfreeeの発表は、新たな台風の目となりそうだ。
BRIDGEが法人化、平野武士氏が率いコミュニティなど新事業も
レスリリース配信サービス『PR TIMES』を中核に事業展開するPR TIMESが、新しく「株式会社THE BRIDGE」を設立。スタートアップメディアの運営だけでなく、スタートアップエコシステムを活性させるための、コミュニティ情勢とマッチング支援を行うことを発表した。
マイネット上原仁氏も、「嬉しい報せ」と平野氏の新たな門出を祝った。
嬉しい報せ。
— 上原 仁 / マイネット代表 / 琉球愛 (@ueharajin) March 12, 2021
平野さんとダイヤモンドの岩本さんは多くの我々世代のベンチャー起業家にとって戦友です。
子会社「株式会社THE BRIDGE」設立及び同社代表に「平野武士」就任、スタートアップメディア事業の承継とコミュニティ新事業の開始について https://t.co/j5NEONDWFQ @PRTIMES_JPより
THE BRIDGEの設立によって、スタートアップエコシステムをどう活性化していくのか注目だ。
VCにもダイバーシティを
こちらは、今週の編集部が注目したnoteからご紹介。それは、Tokyo Women in VCの「日本における女性VCの現状」だ。
このnoteでは、これまでのVC業界は「Old Boy’s Network」だったと指摘。女性ベンチャーキャピタリストがいたほうがファンドリターンが増加するデータなどを紹介し、女性ベンチャーキャピタリストの必要性を説いている。
確かに近年、「女性の起業家を生み出す」という議論が盛んになってきた。例えば、ANRIは2020年11月、運用中のファンド(総額220億円)で投資先の2割以上を女性が代表を務める企業にする方針を発表した。ANRI代表の下記のようなツイートを見たことがある人も多いのではないだろうか。
日本におけるジェンダー問題について、今までは発言の前に行動で示そうとしてきました。
— 佐俣アンリ (@Anrit) February 17, 2021
しかし、自分の子どもたちの世代に今の日本のジェンダー感覚を引き継ぎたいかというと明確にNOです。
よって、発言も行動もしていこうと考えを改めました。
ただ、女性の起業家だけでなく、女性のベンチャーキャピタリストも注目され始めた昨今。女性ベンチャーキャピタリストの存在が、イノベーションエコシステムをさらに活性化させるための鍵になることは間違いない。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2021年03月15日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。