ジョブズ没後10年、国内起業家の反応は──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。
当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信しいていく。
題して、週刊スタートアップ通信──。
今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。
・“民”のデジタル庁?PoliPoliの世界観、実現へ加速
・スペースポートでまちおこし?HOSPO始動
・スティーブ・ジョブズを讃える日
・人事の仕事は「採用」ではない。採用に参加するための仕組みづくりが仕事だ
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
“民”のデジタル庁?PoliPoliの世界観、実現へ加速
世論をどのように拾い上げればいいのか──。PoliPoliは、行政向けの政策共創プラットフォーム『PoliPoli Gov(ポリポリガブ)』のβ版をリリースした。同サービスは、行政の政策づくりのプロセスに誰もが簡単に参加できる場所を作ることを目標に、行政と国民が気軽に政策を共創できるプラットフォームだ。
[大事なお知らせ]
— 伊藤 和真@PoliPoli (@kazuma12222) October 5, 2021
行政向けの政策共創プラットフォーム「PoliPoli Gov (β版)」(ポリポリ ガブ) をリリースしました!
また、9月に創設されたデジタル庁さんに採択していただき、本日より利用開始しました。
ぜひ、行政に直接意見を伝えて政策を共創してみてください!https://t.co/gpxsNFp2wQ
『PoliPoli Gov』は、官公庁がサイト上に掲載する相談に、コメントしたりSNSでシェアしたりできるサービス。官公庁がサイト上に掲載する情報も、グラフィック表現をすることでわかりやすくする。
現代社会において、行政と民間の距離感は近いとは言い難い。特に行政からのコメントは発信内容の固さや利用メディアの方よりなどにより、民間に伝わっていないこともあるのが現状だ。9月に始動したデジタル庁は、これらのギャップをITにより解決しようとしている。同サービスは、「国民との共創による制作実現のためのコミュニティプラットフォーム実証事業」の参加者事業者として採択されている。
今回のローンチに際し、各方面からは賞賛の声が上がった。
投資先のPoliPoliがtoGサービスをローンチ!同時に、デジタル庁により新サービスを採択して頂きました。まちがいなく、PoliPoliのターニングポイントになりそう。諸々おめでとうございます!
投資支援先のPoliPoliが政策共創プラットフォームをリリース!デジタル庁に採択されました〜
政治DXにフォーカスしてブレずにやり続ける姿勢が本当に素晴らしいです
衆議院議員総選挙はこの10月末の実施想定と迫っている。しかし、忙しいビジネスパーソンの中には、「なかなか政治に関するニュースを見る暇がない」と感じる人も多いだろう。スタートアップの挑戦ということで、一度重い腰を上げ、触れてみてはいかがだろうか。
スペースポートでまちおこし?HOSPO始動
宇宙は誰もが憧れる場所だ。そんな場所に民間でもアクセスが容易なスペースポートを立ち上げる企画が本格化している。
「北海道十勝に宇宙港をつくりたい」とうたうSPACE COTANは、北海道東部の大樹町にスペースポート『HOSPO』を立ち上げるための資金集めの一環として、クラウドファンディングを開始した。
\NEWS/
— 北海道スペースポート(HOSPO/ホスポ)|Hokkaido Spaceport (@hospojapan) October 4, 2021
クラウドファンディングを開始します
宇宙ビジネスの民主化だ!
北海道十勝に宇宙港『 #北海道スペースポート HOSPO』を建設するため、共に宇宙を目指すHOSPO LC-1クルーを募集します!#北海道開港
HOSPO LC-1クルーとして共に宇宙を目指そう!https://t.co/LuyWCg6hVz
HOSPOは、世界中の宇宙産業に取り組む民間企業や大学、研究機関が自由に使えるシェア宇宙港を目指す。ロケットやスペースプレーンの実験・打ち上げ設備や滑走路を提供することで、エンジン燃焼試験から打ち上げまでをトータルでサポートするという。
人工衛星の打ち上げがここ数年、実は急速に増加している。SPACE COTANによれば、2009年には年間500基ほどだったのが、2020年だけで年間1000機以上、、2021年には1~4月だけで800機以上が打ち上げられているという。関連市場も当然、それに伴って拡大しており、スペースポートへのニーズは高まる一方だ。
大樹町では35年前から、民間企業が製作したロケットを打ち上げるための宇宙港を作る構想があったという。北海道ということもあり、広大な土地が必要なスペースポートにおいて十分すぎる条件を満たしている。次世代産業として注目を浴びる「宇宙」。北海道から宇宙へ、夢は大きい。
スティーブ・ジョブズを讃える日
起業家の憧れ、Apple創業者のスティーブ・ジョブズ没後10年が経過した10月5日、Appleの公式サイトが一変した。
“People with passion can change the world for the better.”— SJ. Hard to believe it’s been 10 years. Celebrating you today and always. pic.twitter.com/x2IUnlO7ta
— Tim Cook (@tim_cook) October 5, 2021
1日限りで「Steveを称えて」として映像や家族からの言葉を掲載。これに多くの起業家たちが反応した。
創業したのも、今のヤプリがあるのもスティーブ・ジョブスのお陰と思うと10年経っても畏敬の念しか感じません。彼とそのチームがいなかったらスマートフォンが正しく存在したのかも怪しいですね。あっても、画面ウェブリンクでぐっちゃぐちゃの汚いスマホになっていたかも。
ジョブズが亡くなって10年。本日しか見れないそうなので、ぜひ。
ジョブズなら、今どんなプロダクト作るんだろう、、
人事の仕事は「採用」ではない
採用に参加するための仕組みづくりが仕事だ
採用はどの企業にとっても頭を永遠に悩ませる「課題」だ。いい人は誰でも採りたい。しかし、知名度がないことや、規模が小さい、企業の安定感がなければなかなか「いい採用」はできない。
その中で、ブロックチェーンでエンタメのDXを目指すGaidiyのPR・HRの山本花香氏が書いたnoteに注目が集まっている。
Gaudiyに入社して半年ほど真剣に採用と向き合ってきたなかで実感しているのは「採用=人事の仕事」にすべきでないということ。そのWHYを社内向けに改めて言語化しておきたかったのと、他社さんの参考になればと思い、弊社で工夫している点をnoteにまとめてみましたhttps://t.co/fT7WEQJx7o
— 山本 花香 | Gaudiy (@hanahanayaman) October 5, 2021
noteの中で山本氏は「採用を人事の仕事にしない」を強調。人事以外の、例えば開発の現場ではエンジニアが直接採用に関わることで「候補者の解像度が上がり、事業や組織状況の変化にも柔軟に対応できる」と述べている。他にも、人事だけではリーチできない候補者との接点ができたり、人事だけでは伝えきれない魅力を伝えたりすることができるようになるのだ。
そのため、人事に求められることは「みんなが採用に参加しやすい仕組みづくり」だという。例えば、Slackを活用した情報共有やブログの執筆、最近ではカジュアル面談マッチングサービス『Meety』の活用だ。社員が誰でも気軽に採用活動に参画することで、カルチャーにマッチした人材を採用することに繋がる。
他には「採用活動の可視化」も重要だ。採用活動そのものを言語化。そして全社MTGでの報告を通じて、社員に採用を「知ってもらう」のだ。
最近、採用活動は人事主体から社員主体の「スクラム採用」へと変化させる企業が、スタートアップを中心に増えている。全員参加型で採用活動を行うことで、採用後のミスマッチをなくすとともに、「本当に必要な人材」を獲得できるカギになるだろう。
実際、採用領域に軸足を置いたスタートアップの活動にも注目が集まっている。例えば、「スクラム採用」という概念を生み出したHERPやキャリアSNSを展開するYOUTRUSTがシリーズBラウンドで数億円の資金調達を果たすほど事業を成長させていることが挙げられる。
スタートアップの全体的な流れとして、自社カルチャーを社外に発信するためPodcastやメールマガジン、SNSをフルに活用することで採用活動を加速させようとするケースが目立っている。
採用に悩む会社は多いが、人事だけで悩まず、社員全員をいかに巻き込めるか。始めるのは簡単ではないが、サービスも増えた今こそ、チャレンジしてみるのに良いタイミングかもしれない。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2021年10月08日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。