連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

日本から世界へ!注目スタートアップの“一歩目”戦略──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。

今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から3本のニュース・話題をピックアップ。

・注目のスタートアップが海外進出を発表!その内容は

・ペイトナーが目指す「先払い」ビジネスとは?

・プライバシー問題どうする?メタップス事例から考察

について見ていく。

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注目のスタートアップが海外進出を発表!その内容は

日本から世界へ、はスタートアップにとって重要なキーワードだ。とはいえ、海外展開は当然、簡単なことではない。言語の問題や、そもそも現地で需要があるのかといった問題、異文化理解の問題など、さまざまな難しさを孕んでいる。その中で今回は、はじめての海外進出を発表した2社に着目したい。

1社目はイベントプラットフォームを運営するEventHubだ。同社はオーストラリア・ニュージーランド進出を発表した。日本経済新聞によれば、英語圏でありかつ、日本との時差が少ないことが理由だという。今回の進出に至り、同社は新たに英語での営業を担う専門部署を新設し、責任者には増田 “アレックス” 晃一氏を招へいした。今後は広告営業を強化し、年内に100社獲得を目指すという。

EventHub』はイベント規模や開催方法を問わず、イベントページ作成、参加者登録、当日のイベント配信、マッチング、データ分析などイベントの開催にかかわるプロセス全てを一気通貫で管理することが可能なサービス。コロナ禍でリアルイベント需要が縮小し、オンラインイベントがメインとなる中、今までリーチできなかった層にアプローチする必要性を感じる企業が増加。その一助となり、導入企業数や累計参加人数でシェアNo.1を獲得している(日本マーケティングリサーチ機構、2021年の調査より)。

もう一社は、NFTのマーケットプレイスを運営するクリアーション。同社は、日米のVCから1,500万ドルの資金調達を実施。同時に米国法人を設立した。目的は米国を中心とした組織の拡充とプロクトの開発となる。同社はスニーカーやジャケットなどのCGデータをNFTとして販売している。

より市場のある米国に力を入れるとみてとれるだろう。米国展開をメインとした資金調達を、国内で聞くことはほとんどない。こうした動きが、今後ほかにもみられるのか、注目したい。

今回、海外進出を発表した2社はいずれも、グロース期のスタートアップだ。日本で成長を果たしてから海外へ、と考える経営者や企業が少なくない印象もあるが、成長過程で海外施策を打ち出す会社も増えるかもしれない。

日本からユニコーン企業が増えるために、こうした意思決定もさらに期待していきたい。

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ペイトナーが目指す「先払い」ビジネスとは?

yupは、「Pay(支払い)」と「Partner(パートナー)」をかけ合わせた「ペイトナー」へ社名変更を発表。ミッション「スモールビジネスにやさしい支払い・請求で新しい挑戦を後押しする」を、より力強く体現するような社名となった。

同社はフリーランスなどスモールビジネスパートナーとして、オンライン型ファクタリングサービス『ペイトナー ファクタリング(旧yup 先払い)』を提供。彼らが資金繰りに悩む時間をより付加価値を作り出す時間に変えることができるサービスだ。

取引先に送った入金前の請求書情報を「ペイトナーファクタリング」に登録すると、即日報酬を受け取ることができる仕組み。手続きはすべてオンラインで完結し、面談や書面でのやり取りはなしという。

多様な働き方の広がりから、コロナ禍で大きく増加を見せたフリーランス(ランサーズ『フリーランス実態調査2021』など参照)。今後も彼らの働き方をサポートするサービスとして注目していきたい。

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プライバシー問題どうする?メタップス事例から考察

個人情報の流出事例は、案外多い。他山の石として捉えられているだろうか?

東京商工リサーチによれば、2021年の上場企業の個人情報漏えい・紛失事故は137件、約574万人分と、調査開始以降過去最高だった。最も多い原因は「ウイルス感染・不正アクセス」。そのあとに「誤表示・誤送信」「紛失・誤破棄」が続く。それほど、サイバー攻撃は深刻というわけだ。

2022年2月28日にメタップスが公表した案件も同様で、ユーザーのクレジットカード情報の流出が、不正アクセスにより発生。トークン方式クレジットカード決済情報データベースや決済情報データベース、加盟店情報データベースからクレジットカード番号や決済情報、加盟店コードなどが流出したという。

事の発端は、2021年12月の不正利用懸念の連絡。その後調査を開始し、流出記録を突き止め、発表に至った。今後は改めてPCI DSSアセスメントを実施するほか、再発防止委員会を設置。対応していくとしている。

メタップスペイメントは、ユーザーが加盟店のページ上でカード情報を入力し、暗号化してメタップス側にデータを送る「トークン式」をとる。同社HPでは情報セキュリティへの取り組みとして「PCI DSS準拠」や「ISMS認証取得」「プライバシーマークの取得」を謳っていたが、それでも“事件“は起こってしまった。対策に万全はないのだと、考えさせられる。

また今回の件は、まだ派生している。ITmediaによれば、この問題に便乗してカード情報を盗もうとする詐欺メールやSMSが出回っているという。なかなか決着がつきにくそうな問題にまで発展。同社の経営や事業に悪影響が出すぎないよう、一刻も早い沈静化を期待したい。

さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2022年03月04日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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