Meety中村の「伸びる・伸びない分析」が話題に──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。
土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。
今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から5本のニュース・話題をピックアップ。
・米フードテック、まさかの日本ラーメン市場に参入
・ペットテック史上最大、累計21.7億円調達のRABOって?
・拝啓 「伸びる」新入社員へ
・株主との折り合いはいかに?bitFlyerの買収騒動
・AnyMind、上場延期も、プラットフォーム構想は完成?
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
米フードテック、まさかの日本ラーメン市場に参入
シリコンバレーのフードテックベンチャーが「ラーメン」で“ラーメン大国”の日本に市場参入した。
Yo-Kai Express(米・シリコンバレー)は羽田空港第2ターミナル、首都高芝浦パーキングエリア、そしてJR東日本 東京駅の3カ所で、6種類の味・最速90秒の出来立ての生麺タイプのラーメンを提供する『Yo-Kai Express』の運営を開始した。
Yo-Kai Expressは2016年設立。2019年に同サービスを開始し、ダイヤモンドシグナルの記事によればアメリカ国内で空港やホテルなど公共機関約50カ所でそのサービスを提供している。その中で、初めての海外展開の場を「日本」に選んだ。
【ラーメン自動調理自販機「Yo-Kai Express」日本進出】『Food Tech Studio – Bites!』に参加し、世界30ヵ国218社の応募の中から85社の採択スタートアップに選ばれた「Yo-Kai Express」の日本におけるビジネス開発とマーケティングを、スクラムスタジオは全面支援しています。https://t.co/yR3CiL1Dmu
— スクラムベンチャーズ (@ScrumVenturesJP) April 6, 2022
国内にはカップラーメンの自販機はあるものの、温かいラーメンを手軽に食べられる自販機はなかなかない。今後Yo-Kai Expressは、年内に日本各地へ規模を広げる計画だ。
ペットテック史上最大、累計21.7億円調達のRABOって?
コロナ禍へ突入し、犬や猫、フクロウなどペットとともに暮らす選択肢を取るひとが増えている。矢野経済研究所によれば、2023年には2017年の約22倍、50億円の市場になると予測されるほど巨大市場に育つ見込みがある。その中で問題となるのがペットの健康管理。この健康管理をITで解決するのが「ペットテック」だ。
スペイン語で「しっぽ」を意味する社名のRABOは、シリーズBラウンド総額13.2億円の資金調達をしたと発表した。過去の調達額とあわせると21.7億円と、国内のペットテック最大の額となったという。
【シリーズBにて資金調達しました】
— Yukiko IyoCatlog® (@oyuki_cat) April 6, 2022
Take the lead!グローバルレベルで業界を先導していきます。https://t.co/aCrMCdW1B5#Catlog #すべては猫様のために
RABOは、猫様の体調管理アプリ『Catlog』や食事管理サービス『Catlogフードケア』、トイレ・体重管理のIoTデバイス『Catlog Board』を手掛ける、“猫様”に特化したペットテック・スタートアップだ。
既存投資家の著名VCであるSTRIVEとXTech Venturesは今回のラウンドにも参加。注目は新規投資家だ。ペット向けトイレシートなどの関連商品を多く展開するユニチャームが参加し、資本業務提携を締結。また、あのキャシー松井氏率いるESG重視型ファンドMPower Partnersも名を連ねる(今回の投資に関するキャシー松井氏の記事はこちら)。
今後同社は“猫様”の健康を考える「Catlog総合研究所」の設立を検討。医療機関や“猫様”関連企業との連携を加速し、動物たちが自然に行動できる環境を整えていくという。(FastGrowでのRABO伊豫氏とXtech Ventures手嶋氏との対談記事はこちら)
また今週は、通話コミュニティ『Yay!』を運営するナナメウエがシリーズBラウンドで、16億円の資金調達を実施。投資を決めたのはSBIインベストメント、FFGベンチャービジネスパートナーズ、アカツキ、Headline Asia、Infinity Ventures Crypto(IVC)、DG Daiwa Ventures、90s、Skyland Venturesら。日経新聞によると、2023年に暗号資産(仮想通貨)事業へ参入予定だ。
— けんすう@アル代表取締役 (@kensuu) April 5, 2022
ほかにも契約業務クラウドサービス『Hubble』を展開するHubbleがシリーズAラウンドでの6.5億円調達を発表。引受先は、DNX Venturesがリードとなり、既存投資家のArchetype Ventures、マネーフォワードに加え、新たにSalesforce Venturesが参加。著名な面々を株主に揃え、さらなる飛躍が期待される。
DIAMOND SIGNAL 大崎さんにも取材いただきました。こちらもありがとうございます
— 早川晋平 - Hubble(ハブル) (@peishin914) April 7, 2022
これまでの道のりなども取材いただけましたので、是非ご覧くださいませ。
約150社・1万人が使う“契約書版GitHub”の「Hubble」が6.5億円調達|DIAMOND SIGNAL https://t.co/k0NS8vJfl7 via @d_signal_jp
このように、資金調達市場は4月の1週目から好調だ。
拝啓 「伸びる」新入社員へ
スタートアップで活躍する新入社員とは、どんなひとだろうか。
Meety代表取締役の中村拓哉氏は、多くの企業が入社式を概ね迎えた2022年4月5日、とあるnoteを公開した。その名も「新卒スタートアップ入社者 伸びる人・伸びない人の違い」だ。
スタートアップに新卒入社された方、新卒を迎え入れるスタートアップのマネジメント層の方に向けてnoteを書きました。対象の方に届くと嬉しいです!
— 中村 拓哉 | Meety | カジュアル面談プラットフォーム (@3kkabi) April 5, 2022
新社会人の皆さま、おめでとうございます
新卒スタートアップ入社者 伸びる人・伸びない人の違い #note https://t.co/QSIEMiUyCH
noteの中で中村氏は伸びる人の特徴として、7つの項目を挙げた。ここではその中でも「”機会の集中“を享受できるか」について取り上げる。
少しのスキルの差はあれ、入社したタイミングでは「どんぐりの背比べ」です。その中で、少しでも相対的に優れたひとに機会は集中するといいます。いろんなチャンスを周りから「与えられる」ために、チームを飛び越えて関係を構築する。これこそが、機会を集めるキーだといいます。
このnoteは反響を呼んだ。「学生時代の自分に読ませたい、、」や、「新卒の時に良く言われていた話を沢山思い出した笑」などのツイートが多く出回った。
学生時代の自分に読ませたい、、
— Fumiya Yaegashi (@f_yaegashi) April 5, 2022
>スタートアップというフィールドは、答えがわからない曖昧な環境であり、問題自体を自ら定義し実験を繰り返す探索の旅です。
新卒スタートアップ入社者 伸びる人・伸びない人の違い|中村 拓哉 | Meety CEO @3kkabi #note https://t.co/U6AvpGS9Gm
中村さんのnote、新卒の時に良く言われていた話を沢山思い出した笑
— 武井 勇樹 | Synamon 執行役員COO (@yktk68) April 5, 2022
「機会は集中する」「インプット偏重になるな」みたいな話は、ほんとに毎日のようにフィードバックされていた気がするw
新卒でベンチャー・スタートアップに入社される方は、必読の内容!
https://t.co/Rz76AOS0c8
筆者も心に刺さる項目がたくさんあったので精進したい。
株主との折り合いはいかに?
bitFlyerの買収騒動
土曜日の夕方、衝撃のニュースが飛び込んできた。
暗号通貨を手掛けるbitFlyerが、アジアの投資ファンドに買収されるとのニュースが日本経済新聞から出たからだ。創業者の加納裕三氏はその内容をTweet。
何これ?聞いてないよ。
— Yuzo Kano@bitFlyer (@YuzoKano) April 2, 2022
株主総会も紐付けされてるしねー。
未上場企業の大株主への敵対的買収って映画になりそうだよね。
暗号資産のビットフライヤーHD、投資ファンドが買収へ:日本経済新聞https://t.co/y1q6NGM0Jn
日経新聞によれば、「シンガポールと日本が拠点のACAグループが買収し、企業価値を高めて売却する見通し」という。この記事は仮想通貨アカウントの中で多くの波紋を呼んだ。
【速報】bitFlyer、投資ファンドが買収へ#Bitcoin #BTChttps://t.co/P3vLFCnoin
— Foxxビットコイン投資家 (@BitcoinTech5) April 2, 2022
安っっ!!Bitflyerが450億円とか、ホントにそんな金額で売却するんですか??自分もマジで数%仲間に入れてもらいたいくらい。https://t.co/ZJjckuApkm
— TJ - Tokyo Japan Trader (@CryptoIntellig6) April 3, 2022
どう決着がつくのかは想像できないが、注視したいニュースだ。
AnyMind、上場延期も、プラットフォーム構想は完成?
やっと暖かくなってきた2022年。だが、移り変わりの速いスタートアップ界では、すでに大きな話題をさらった出来事として「上場延期社数の増加」がある。3カ月の間に7社もの企業が、東証での上場を延期した。
その中に、「もし上場していたら……」と気になる存在がある。AnyMind Groupだ。
同社はこの2022年4月7日で創業6周年を迎え、「数字で見るAnyMind」を公開。アジア13カ国に展開し、2017年から2021年の売上収益平均成長率は62%、2021年の売上収益は190億円以上と、日本の未上場企業としては特筆すべき存在感を放っている。
今回注目したいのは、2022年4月6日に発表された新たなプラットフォームサービス、『AnyX』だ。これまで事業領域としてきた包括的なEC支援サービス9つを、一括で管理し、企業収益の向上まで一直線でつなげるようになったのだ。いわば“集大成”とも言えるサービスというわけだ。
次はEC管理の領域です、どんどん新しい機能を追加していきますのでご期待ください。日本含むアジア各国のECモール、プラットフォームと接続していきます。
— 十河 宏輔(Kosuke Sogo) / AnyMind Group CEO (@kosuke47) April 6, 2022
AnyMind Group、複数ECチャネルの一元管理でEC運営を最適化するECマネジメントプラットフォーム「AnyX」を提供開始 https://t.co/3s6NedVw3f
もし、予定通り3月30日に上場していたとしたら、このサービスの登場が株価にどのような影響を与えていたのか。妄想しても仕方がないのだが、企業経営とはかくも思い通りにいかないものかと、身が引き締まる事例であることは確かだろう。
一見完成したかのように見えるプラットフォーム構想だが、事業や企業に「完成」などという言葉はない。さらなる事業展開でどのように驚かせてくれるのか、そして、今後どのタイミングで、どのような上場を果たすのか、気になるばかりだ。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2022年04月08日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。