高校生COO誕生のAilaBとは?──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。
土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。
今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。
・インキュベイトファンド、シード特化2号ファンド誕生
・Luup、KiteRaが大型調達を実施
・高校生COO誕生のAilaBとは?
・SaaS、伸びる会社はまだまだ伸びる?
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
インキュベイトファンド、シード特化2号ファンド誕生
インキュベイトファンドは、独立系シードファンドへのリミテッド・パートナー(LP)出資に特化したファンド「IFLP2号ファンド」を設立したと発表した。2022年末まで募集し、ファンド規模は100億円を目指すという。
将来キャピタリストとして独立し、ファンドを持つ際にLP出資いただくことになる予定のファンドが組成されました!
— misuzu|Incubate Fund (@miaspired) April 12, 2022
ありがたい限りです、頑張ります
インキュベイトファンド、IFLP2号ファンドを設立。2022年末までに100億円規模を目指す https://t.co/S2tZ4M2fwd @PRTIMES_JPより
同様にLP出資に特化した1号ファンドは2018年に69億円で設立。ソラシードスタートアップスタジオや、プライマルキャピタルなど17社のファンドへ出資し、スタートアップ合計259社への投資が実現している。
インキュベイトファンドが立ち上げた、「若手VC育成」特化の2号ファンドについて赤浦さん、和田さんに話を聞いてきました。経験はないけど、意志のある人がベンチャーキャピタリストになれる道がある、というのは非常に良い取り組みだなと思います。https://t.co/qTBE4amWoE @d_signal_jpより
— 新國翔大 / DIAMOND SIGNAL (@n_sh2192) April 12, 2022
今回誕生した2号ファンドは、地方特化、技術特化、海外など、GPのバックグラウンドも踏まえLP出資を行うことで、多様なスタートアップの創出を後押しする。
Luup、KiteRaが大型調達を実施
電動マイクロモビリティサービスを展開するLuupは、車両のリース及び銀行融資等で総額約10億円の資金調達を成功させたと発表。累計調達額は約46億円となる。Luupによれば、電動キックボードのシェアサービスを展開する事業者として、リースによる調達を実施するのは国内初という。
Luupは新たに10億円を資金調達をし、累計額も46億円となりました!
— 岡井 大輝|『LUUP』電動キックボードシェアアプリ (@DAIKIOKAI) April 14, 2022
また、道路交通法改正案も国会提出され、改正後は電動キックボードは免許不要となり最高時速は15kmから20kmに引き上げられる見込みです
Luup一同全力で取り組み、ここから全国展開をして参ります!
(続く)https://t.co/pi6ig83ZUS
リースにて車体を調達できる下地づくりができたため、今後のLuupは全国展開を加速していく。Forbes JAPANの記事によれば、車両を置く「ポート」の設置数は、昨年10月時点の約500カ所から、今年3月末時点で約1100カ所に拡大。また、およそ800台(同10月時点)だった車両は、この5月に5000台程度になる見通しだという。
今回のリースによる調達は、Luupにとって大きな一歩になったという。
その他、今週も資金調達のニュースは尽きなかった。
社労士向けSaaSを運営するKiteRaは、シリーズAで総額14億円の資金調達を発表。XTech Venturesをリードに、既存投資家である三井住友海上キャピタルDIMENSION、及び新規引受先としてSansan、みずほキャピタルを迎え第三者割当増資を実施した。
『KiteRa』は、社労士向けに社内規程類の作成、運用そして行政への電子申請といった一連の業務プロセスをクラウド上で効率化するサービス『KiteRa Pro』を展開。今後はエンタープライズ企業向けに、コーポレートガバナンス領域での価値提供を進める。いわば、バーティカルSaaSからホリゾンタルSaaSへ進化すると言えそうだ(FastGrowの記事はこちら)。
今週も、アーリーフェーズから10億円を超える資金調達がみられた。今後の展開にも期待したい。
高校生COO誕生のAilaBとは?
自分でビジネスを始めるのではなく、すでにある会社のCOOに就任する高校生がとうとう誕生した。
【ご報告】4月1日より株式会社AilaBのCOOになりました
— 向井 涼一 | AilaB inc. (@suzuhito_mukai) April 11, 2022
高校通いながらという割とハードな両立になりますが、全力で貢献できるように頑張ります‼︎
17歳現役高校生がCOOに就任 AilaBの最高執行責任者へ|株式会社AilaB https://t.co/GEAbYnLaBj
AilaBは、現役高校生の向井涼一氏が最高執行責任者(COO)へ就任したとnoteにて発表した。向井氏は京都生まれ、現在高校3年生の17歳。中学生の頃から起業家を目指し、自身で事業を立ち上げるも頓挫。その後、インターン生としてAilaBへジョインし、今に至るという。
今後の活躍に期待しかない。
SaaS、伸びる会社はまだまだ伸びる?
SaaSへの投資が減るかもしれない、と感じる読者も多いだろう。しかし国内においても、特に強いプロダクトの成長は、まだまだ青天井のようだ。
Sansanが2022年4月11日に発表した決算資料によれば、『Bill One』事業が急成長し、リリースから1年9ヶ月でARR10億円突破。有料契約件数も700件を超え、1,000件目前に迫っている。
第三四半期連結売上高も前年同期比24.6%増の51億2800万円と急速に伸びた。 名刺管理サービス『Eight』や『Sansan』を土台として、「第2の軸」を成功させている好事例と言えるだろう。
Sansanの「Bill One」。リリースから1年9ヶ月でARR10億円を突破してしまう
— 三好 翔 One Capital (@saas_penguin) April 11, 2022
MRR:9200万円(YoY+886.7%)
契約件数:707件(YoY+412.3%)
ARPA:13万円(YoY+94%) pic.twitter.com/qASmoWhyX6
またマネーフォワードも急速に成長。2022年4月13日に発表した決算資料によれば第一四半期連結売上高は前年同期比37%増の47.6億円となった。代表取締役社長CEOの辻庸介氏はTwitterで「四半期で過去最大のSaaS ARR成長となりました」と強調している。
1Qの決算発表。期初見通しを大きく上振れ、四半期で過去最大のSaaS ARR成長となりました。
— 辻庸介/Yosuke Tsuji@マネーフォワードCEO (@Yosuke0630) April 13, 2022
・連結売上高 +37% 47.6億円
・SaaSARR +40% 129億
・EBITDA △11.6億円、売上総利益31.4億円
・連結従業員、130名採用で1389名に。
数多くあるSaaSの中で、どのように生き残っていくのか今後も注目していきたい。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2022年04月15日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。