最強のボードの作り方を、DCM原が徹底解説──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。
土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。
今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。
・oViceが45億円調達で目指すは、ハイブリットワークの実現
・国内初、コマース特化VC誕生。抜本的DX実現なるか
・Beyond Next Venturesがインドとの関係性を強める理由とは?
・スタートアップ最強のボードづくりとは?
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
oViceが45億円調達で目指すは、ハイブリットワークの実現
今週は本当に資金調達のニュースが多かった。GaudiyのシリーズBでの34億円調達リリースや、paizaのシリーズBでの7.1億円調達リリースなど、目を引くリリースが多かった印象だ。その中で今回は、リモートワークを導入する企業に貢献するバーチャルオフィスoViceの資金調達リリースを取り上げたい。
oViceは、シリーズBで総額45億円を調達したと発表した。One CapitalやJAFCOなど既存投資家だけではなく、新たにSBIインベストメントなどが加わった。また同日、コクヨとの業務提携も発表した。
今年2月から動き始めて、それからの市況の変化で交渉が決裂したり、未上場ながら時価総額がドラスティックに変化したり、「生き残る」ために何をすればいいかをひたすら考えて実行して、業績ではなく「会社」として成長する機会になり、とても学びの多い資金調達になりました。https://t.co/CgpR8nhHQB
— oVice ジョン / Founder (@saehyungjung) August 31, 2022
oViceは以前から、バーチャルオフィスとしてその頭角を著していた。2020年にサービスを開始し、これまでに2,200社を超える企業が利用。バーチャルオフィスだけではなく、コロナ禍で広まったオンラインイベントでの利用も多いという。
その中で広まる、テレワークとオフィス出社が混在するハイブリッドワーク。今までにはなかった働き方をどうシームレスにサポートするのか、この点にoViceは着目。今回調達した資金用途は、このハイブリッドワークを円滑に行うためのプロダクト開発、そして海外展開に使用するという。
アフターコロナでオフィスのあり方が問われる中、oViceの描くハイブリッドワークが気になる。今後もぜひ利用していきたい。
国内初、コマース特化VC誕生。
抜本的DX実現なるか
小売・流通のコマースに特化したVCファンドが立ち上がった。
New Commerce Venturesは、国内初のコマース領域に特化したVCファンド「New Commerce Explosion投資事業有限責任組合」を組成したと発表した。ギフティやユナイテッドなどから出資を受けた。投資対象はシードとアーリーで、1社あたり1000万-5000万円程度を投じるという。
New Commerce Ventures始動!!
— 松山馨太@New Commerce Ventures (@KTMY0507) August 31, 2022
最近Twitter休みがちでしたが、@Koheei_Okuboと共にコマース領域特化VCファンドを組成しました!ご支援いただいた皆様、本当にありがとうございます!
小売・流通をDX・SXするスタートアップの皆様、是非お気軽にご相談ください!https://t.co/SdLKhW8ZG4
【VC起業しました】
— 大久保New Commerce Ventures株式会社 (@Koheei_Okubo) August 31, 2022
コマース特化型ファンド『New Commerce Explosion』を松山さん@KTMY0507と組成しました!
多様なコマース事業が産まれるプラットフォームを目指します!
コマースな起業家・事業会社・VCの皆さま、引き続きよろしくお願いしますhttps://t.co/ZAHAmREhgG
今回同ファンドに出資したギフティは、新しいパン経済圏を目指すパンフォーユーや、地域と生を食でつなぐキッチハイクなどに投資している。だが今回なぜ、あえてコマース特化のVCへの出資も決めたのかなど、気になる点が満載だ。
New Commerce Venturesは、スタートアップ起業家に対し勉強会や相談会、ネットワーキングの醸成などで、同領域の起業家を育てていく方針という。
コマース領域はレガシー企業が多い。その中でどうスタートアップや新しいことに挑戦したい起業家たちを育てていくのか、今後の動向に着目したい。
Beyond Next Venturesがインドとの関係性を強める理由とは?
Beyond Next Venturesといえば、インドの印象が強い。
日本経済新聞は、Beyond Next Venturesがインド工科大学ハイデラバード校と9月1日に提携すると報じた。今回の提携により、インド国内で活躍するスタートアップの投資や、連携の機会を模索していくという。
同社は以前からインドとの関係を深めてきた。2020年にはインドに子会社を設立。インドでのスタートアップ投資実績もある。その他にも、東芝ソフトウェア・インドと共同でアイデアソンを実施するなど、インドでチャレンジする日本人を応援する企画を立ち上げている。
また代表の伊藤毅氏は、自身のTwitterでインドに関する発信を行なっている。過去には、OWNDAYSがインドのメガネECのLenskartに買収されたニュースにコメント。その他にも、メルカリCEOの山田進太郎氏がインドに開発拠点を設立するツイートをリツイートするなどしている。
インドのスタートアップが日本企業を買収する時代にいよいよ突入
— Tsuyoshi Ito | BeyondNextVentures (@miraibouken) June 29, 2022
眼鏡専門店のオンデーズ、インド最大手の傘下に:日本経済新聞https://t.co/IZeKNPlhoB
インドは以前から、IT人材の宝庫として有名だ。昨今ではユニコーン企業の誕生もめざましく、2021年には30社のユニコーンが生まれた。今後、海外拠点をインドにするという決断も、インドで起業をするという決断も増加していきそうだ。
スタートアップ最強のボードづくりとは?
スタートアップにとってボードメンバーをどう選定していくのかは重要だ。
だが、どうやってメンバーを選定し、ボードを作成していくのか解はない。そんな経営者の悩みを言語化したようなnoteが今、注目を集めている。
「取締役会」についてnoteを書きました。ただの負担や無駄にしてしまうか、社内とも違う最強のチームにするか、活かすも殺すもCEO次第。
— Kenichiro Hara| DCM Ventures (原健一郎) (@kenichiro_hara) August 29, 2022
"報告会"を脱却して、大局観を持ちCEOの意思決定の質を最大化させる取締役会というチームをどう作るか、個人的にも勉強中。https://t.co/RBI8Qn92zI
ボードはどうしても報告会になりがちだ。このnoteでも、報告のための報告に、質問のための質問が一番無駄なボードミーティングの典型だと指摘している。そのためにも重要なのが、アジェンダの事前設定だ。 MTG中で一番無駄となりがちなのが、「わかっていて当たり前の質問が飛び交うこと」だ。そのために必要なのがアジェンダの事前準備と共有だという。
その他にもこのnoteでは、どのような参加者がいいのか、社外取締役の人数など、経営者が抱えるボードの悩みの解答をしてくれている。またMTGの開催方法は、メンバー単位でも参考になる内容だ。
またこのnoteを執筆したDMCベンチャーズの原健一郎氏は、10Xのpodcastでも登場している。ぜひ気になった方は聴いてみてほしい。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2022年09月02日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。