テラドローン、なんとサウジアラムコから資金調達。その裏側は?──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。
土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。
今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。
・テラドローン、サウジアラムコから資金調達を実施!
・マネフォ辻氏が「20代での成長」をnoteで指南
・シリーズBで7.8億円調達したアクセルラボとは?
・「冬の時代」はまだこれから?2022年の調達トレンドから見る未来
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
テラドローン、サウジアラムコから資金調達を実施!
今週一番の驚きのニュースといえば、テラドローンが世界時価総額2位のサウジアラムコの投資部門から1,400万ドル(約18.5億円)を調達したニュースだろう。
日本から本気で世界的なベンチャー創出していきます!
— 関 鉄平|Terra Drone|積極採用中! (@Tepstar1107) January 25, 2023
サウジアラビアの産業創造にも貢献していきます!
テラドローン、アジア初となる世界時価総額2位アラムコのVC Wa’edより18.5億円の資金調達(累計調達126.6億円) https://t.co/S0RCShJN1F #TerraDrone #空から世界を進化させる
総合エネルギー・化学企業サウジアラムコのグループ内でスタートアップへの投資を担うWa‘ed。日本のスタートアップに投資することはもちろん、アジアでも初めての出来事だ。そのためか、今回の資金調達はブルームバーグやTechCrunchなど、海外のメディアでも大きく取り上げられた。
しかし一体、どのようにしてテラドローンはWa‘edから資金調達を実現させたのだろうか。 詳細は、取締役 関鉄平氏のnoteやCEO 徳重徹氏のインタビュー記事(Forbes JAPAN)に書かれているので一読いただきたいが、ソニーやホンダのような「世界的企業」を作りたいという思いが、Wa‘edへ伝わったことが大きいようだ。
今回の資金調達は「冬の時代」を迎えたスタートアップにとって、とても信じられないものだったかもしれない。そのためか、Twitterでは驚きの声が飛び交った。
テラドローン、アラムコのVC Wa’edより18.5億円の資金調達(累計調達126.6億円)。アラムコは時価総額世界二位、文字通り世界で勝負しているスタートアップ。シリーズA以降は厳しい市況といわれる中でのこの実績、さすが。本気で世界で勝負する、という事がどういうことか?を体現していると感じます https://t.co/StY1QxTeTE
— Asakura | Final Aim | Berkeley SkyDeck (@MasafumiAsakura) January 25, 2023
日本初のスタートアップがどこまで世界に通用するのか。挑戦する企業も少なければ、成功する企業も少ない。その中でも、ドローン業界で3年連続世界Top3に選出されている「テラドローン」が18.5億円の資金調達を実施。これからが楽しみですサウジアラビア展開アツい!!https://t.co/LnU1tvxuNY
— おいなりさん札幌スタートアップCCO (@oinariiisan) January 25, 2023
世界的企業として、今後テラドローンがどう躍進していくのか、注目していきたい。
マネフォ辻氏が「20代での成長」をnoteで指南
20代で効率よく成長するためには、どのようなことを意識すればいいのだろうか。
そんな疑問に答える、マネーフォワード代表取締役社長CEO 辻庸介氏のnoteがいま、注目を集めている。
月1目標のnote発信。
— 辻庸介/Yosuke Tsuji@マネーフォワードCEO (@Yosuke0630) January 23, 2023
読んでいただけると、さらに感想やシェアいただけると、とっても嬉しいですhttps://t.co/TQrmh4akye
20代の皆さんに伝えたい、「最も効率よく成長するための、最初のステップ」。|Yosuke Tsuji @Yosuke0630 #note https://t.co/teE8PIVPs3
20代で成長するために、辻氏が送った言葉は「とにかく目の前のことに集中して、楽しくしっかり働いてきてほしい」だ。
20代の最大の武器は「時間」。この時間を最大限に有効活用し、本を読み、人と会い、興味のあるテーマのインプットをする。これらにじっくり時間をかけることで、20代は成長できるという。
そしてこの話には、オチがある。公開翌日の辻氏のツイート内容も秀逸だ。
もう20年近いお付き合いの50代先輩から
— 辻庸介/Yosuke Tsuji@マネーフォワードCEO (@Yosuke0630) January 24, 2023
「noteよかったよ。いい事書いてある。でもさ20代は目の前の仕事を、まずは一生懸命やってみよう
って書いてあったけど俺50になったけどまだそれやってるよ。20代からずっと」と言われ爆笑しました。
仕事できる素敵な人は、年齢関係なくやっているみたいですw https://t.co/Two9KuzJAc
目の前のことに向き合い、時間をフル活用する。今20代で、成長したい人はぜひ一読してほしい。
シリーズBで7.8億円調達したアクセルラボとは?
スマートホームサービスを提供するアクセルラボは、シリーズBでケネディクスより7.8億円調達したと発表した。
【資金調達のお知らせ】
— スマートホームのACCEL LAB(アクセルラボ) (@ACCEL_LAB) January 25, 2023
アクセルラボ、シリーズBを開始。ケネディクスより7.8億円の資金調達を実施。シリーズAからの累計調達額33.3億円。https://t.co/2AUEEQJoBV
アクセルラボは、スマートホームサービス『SpaceCore』を提供するスタートアップ。スマホ1台で家じゅうの家電やデバイスを操作できるホームコントロールやセキュリティ機能を搭載。お家のIoTに貢献する。
既に導入実績は、HOUSEDOや日鉄興和不動産など250社以上。導入戸数は21,000戸以上。大手企業との取り組みを増やし、大きな事業成長への絵図を描く。特に、引受先となったケネディクスが提供する新築賃貸戸建ブランド『Kolet』では全戸導入されており、これにとどまらないさらなるシナジーを生みだすことを検討している。
今回の資金調達は、研究開発による開発や、IoTデバイスの調達などに投資するとのことだ。
「冬の時代」はまだこれから?
2022年の調達トレンドから見る未来
スタートアップ「冬の時代」と言われて久しいが、実際2022年はどのような年だったのだろうか。今回は、今週NewsPicksより公開された「【最新版】2022年スタートアップ調達トレンド」から紹介したい。
2022年初頭から、スタートアップは資金調達が難しく、成長が伸び悩む冬の時代と言われてきたが、国内に限って見れば累計調達額は過去最高の8,774億円だった。だが詳しく見ていくと、これはシードやシリーズAが牽引した結果であり、実際はシリーズB以降の調達は伸び悩んでいるとの分析もある。
また、スタートアップ向けファンドも堅調に増加していた。新設ファンドは144本と過去最高で、総額も5,890億円と過去最高を更新した。
このようなデータを見ていると、まだまだ日本のスタートアップ市場はそこまで焦る必要がないのではと思えてきてしまうが、IPO件数の減少やシリーズB以降の資金調達の低迷を見ると先は暗いかもしれない。
今後も、資金調達の動向は定期的に追っていきたいところだ。
また、資金調達といえばOne CapitalのJapan SaaS Quarterly Reportが四半期ごとの資金調達動向を鳥瞰的にまとめている。今回から解説記事も付記されており、おすすめのレポートなので、併せて見ておきたい。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2023年01月27日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。