シリーズAで24億円調達、評価額104億円のゼロボードに注目──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。
土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。
今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。
・ゼロボード、シリーズAで24億円調達!今後の戦略は
・北海道から宇宙へ!スタートアップを『左ききのエレン』作者が漫画化
・今週もファンド組成の発表相次ぐ!ミレイズ、アニマルスピリッツ
・「バンドくらいの会社」から200人規模まで組織拡大した理由とは
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
ゼロボード、シリーズAで24億円調達!今後の戦略は
今週は驚きの資金調達の発表があった。
再生可能エネルギーや気候変動に関する課題をテクノロジーで解決するスタートアップのゼロボードは、Keyrock Capital ManagementやDNX Ventures、インクルージョン・ジャパンなどからシリーズAで総額24.4億円調達したと発表した。
資金調達しました! https://t.co/vsSIecoqB2
— 渡慶次(とけいじ)道隆 | ゼロボード代表取締役 (@mtokeiji) February 14, 2023
ゼロボードは、企業の脱炭素化経営をサポートするCO2排出量算出クラウドサービス「zeroboard」を提供・開発するスタートアップ。zeroboardは、企業の脱炭素経営パートナーとして温室効果ガス排出量算定・開示・削減までを支援する一気通貫サービス。ESG投資で環境配慮の数値公表が重要視される中、貢献度を見える化することができるサービスとして注目を集めているという。すでに同社のサービスを拡販に貢献するソリューションパートナーには関西電力や三菱UFJ銀行などの大企業が名を連ねている。
評価額は、INITIALの計算によれば104億円。シリーズAの評価額中央値が11.8億円だとこの記事においては(2019年とだいぶ前ではあるが)言及される中、非常に大きなバリュエーションになったと言える。
また、次週開催予定のFastGrowのイベント『Conference ’23』に、代表取締役の渡慶次道隆氏が登壇する。
登壇情報 | 2/26(日) | FastGrow Conference ’23 | CO2排出量の算定・可視化 zeroboard
ゼロボードが一体どのような会社で、代表がどんな方なのか、気になればぜひ参加してみてほしい。
北海道から宇宙へ!
スタートアップを『左ききのエレン』作者が漫画化
北海道から宇宙へ。
「北海道スペースポート」を運営するSPACE COTANは、同社を題材とした漫画『晴天のデルタブイ』の連載が開始したと発表した。
スタートアップが注目を集める今、このテーマを題材にした漫画ということもあり、今回は紹介していきたい。
北海道大樹町での、ロケット開発のマンガ!
— 大出大輔@北海道スペースポート(宇宙港、大樹町) (@DaisukeOde) February 7, 2023
宇宙好きじゃなくても、お仕事系が好きな人はハマるはず!
こんな勢い良くドラマチックに話を展開出来るのかと、製作した方々を尊敬です。
#晴天のデルタブイ https://t.co/99sPfLS47j
【連載開始】#左ききのエレン 原作かっぴー新連載
— かっぴー|左ききのエレン|15分の少女たち (@nora_ito) February 7, 2023
民間ロケット開発を描く仕事マンガ『晴天のデルタブイ』#LINEマンガ で連載開始です!
無料で一気に4話読めるので、お昼休みに是非!https://t.co/3zNWWRrSbG pic.twitter.com/k74vYyxYrB
そもそも同漫画の題材となっているSPACE COTANとは、北海道大樹町にある宇宙港「北海道スペースポート」を保有するスタートアップ。宇宙港の管理以外にも、宇宙カンファレンス「北海道宇宙サミット」の開催などで注目を集めている。
また今回、『晴天のデルタブイ』を手がけるのは、『左ききのエレン』の原作者であるかっぴー氏。まだ連載開始から2週間ほどしか経っていないが、熱い展開に目が離せない。スタートアップとお仕事漫画に興味がある人はぜひご一読いただきたい。
今週もファンド組成の発表相次ぐ!
ミレイズ、アニマルスピリッツ
今週も先週に引き続き、新ファンド組成が相次いだ。
エンジニア起業家に特化したVCのMIRAISE(ミレイズ)は、日本経済新聞にて、総額18億円の2号ファンドを組成したとインタビューに回答した。シード期のスタートアップを中心に30-40社へ投資。1社あたり平均投資額を1,000万円から3,000万円程度に増やす見通しだという。
すでに公開されたリリースによると、ヘルステックのユーリアやYume Cloud Japanなどに投資しているようだ。
また、レイターフェーズへのスタートアップ投資を行うシニフィアンの共同代表朝倉祐介氏は新たに、自ら運営するアニマルスピリッツにて70億円規模の1号ファンドを設立したと発表した。主にシード・アーリーステージのスタートアップを対象とし、超高齢社会に必要とされるサービスや脱炭素社会に向けた技術を開発する事業を行うスタートアップへ投資していくという。
「アニマルスピリッツ」とは、ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』内の用語で、事業家の「血気」「野心的意欲」「動物的な衝動」などと訳されます。
— 朝倉祐介 -Yusuke Asakura (@Jockey723) February 15, 2023
日本のスタートアップ・エコシステムに最も必要な核となる要素という思いを込めました。
なお、ロゴは趣味です。https://t.co/imgDlMYvs6
また今回の新ファンド組成に先立ち、解体工事一括見積もりサービスを運営するクラッソーネへ投資を実行した。
元々、レイターステージ以降に投資を行っていた朝倉氏。今後、どのようなシード・アーリー期のスタートアップへ投資を行うのか、注目していきたいところだ。
「バンドくらいの会社」から200人規模まで組織拡大した理由とは
会社を成長させていく上で、本当に採用を強化していかなければならないのだろうか。そんな疑問の回答の一つになるnoteを今回は紹介したい。
ソーシャルマーケティングのキャンサースキャン代表取締役社長の福吉潤氏のnote「『バンドくらいの会社がいいな』と思っていた私が、それでも規模拡大を選んだ理由」では、組織拡大で悩むいち起業家としての思考が綴られている。
人が増えることはシンプルに嬉しいが、一方で規則とかは面倒。とは言いつつ、今手掛けている仕事が、結果として世の中に何の役にも立たなければ悲しい。では、世の中にインパクトを与えるためにはどうすればいいのか、といった流れ。
結論として、キャンサースキャンでは組織拡大を決断。同社のカルチャーに合致しそうな人を採用し、価値基準「うちっぽくない人」は採用しないことを徹底。結果、200人規模の会社まで成長したという。
組織について悩んでいる代表やCxO、人事担当にはぜひ一読してもらいたい。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2023年02月17日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。