ARR100億円超SmartHR、CEOのコッソリ開発プロダクトとは?──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。
土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。
今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。
・ARR100億円超SmartHR CEOが社内イベントのツラミを解決するアプリを開発
・Answer Engineの進化が止まらない!GPT-4公開後のTwitterの反応は?
・経産省の資料、デザインまでスタートアップライクに進化
・総額約36億円を調達した貸付投資のオンラインプラットフォームのファンズとは?
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
ARR100億円超SmartHR CEOが社内イベントのツラミを解決するアプリを開発
SmartHRがARR100億円を突破したというプレス向け事業戦略発表会(関連noteはこちら)から1日後に公開した、同社創業者で取締役ファウンダーの宮田昇始氏が書いたブログが面白い。宮田氏によると、現取締役CEOの芹澤雅人氏が非公式でプロダクト開発チームを立ち上げ、自らコードを書き、あわよくば販売しようとしているとのことだ。
ARR 100億円超えた SmartHR の新 CEO 芹澤さんが、
— Shoji Miyata (@miyata_shoji) March 15, 2023
・非公式チームをつくり
・自分もコードを書き
・自社プラットフォーム上でプロダクトを動かし
・Appストアのドッグフーディングをし
・社内課題を解決し
・あわよくば販売しようとしている
という話をブログにしました! https://t.co/lqQ4PnyiI5
作成しているアプリは「社内イベントアプリ(仮)」。SmartHR のプラットフォーム上で動くアプリケーションで、社内イベントのさまざまな課題を解決するという。
開発のきっかけは、SmartHR内のアプリストア『SmartHR Plus』を2022年に公開したことだった。しかし、実際に同プラットフォーム内でアプリを開発するハードルがわからない。ならば作ってしまおうと動き出したとのことだ。事業改善に向けたドッグフーディングの要素もありつつ、芹澤氏自身が「コードを書く喜びを取り戻したかったというのも大きな理由ですね(笑)」とその背景を明かしている。
このブログ公開後、Twitter上では実際に「欲しい」との声が続出。もしかしたら、本当に販売できるかもしれない。
社内イベント企画していた身としても、使ってみたいと思うサービス
— まちるだ@メルカリ (@machiko1015) March 15, 2023
イベントや部活もslackだとフローになってしまって、ストックしないんですよね。
これからコミュニケーションの重要性は高まる一方だし、smartHRのデータベースと連携出来る可能性とか考えると、お金払ってでも使いたい企業多そう https://t.co/MewDlpodiv
Answer Engineの進化が止まらない!
GPT-4公開後のTwitterの反応は?
Answer Engineを代表する『ChatGPT』。同サービスを開発したOpenAIは、より高度な『GPT-4』を14日に公開した。
Announcing GPT-4, a large multimodal model, with our best-ever results on capabilities and alignment: https://t.co/TwLFssyALF pic.twitter.com/lYWwPjZbSg
— OpenAI (@OpenAI) March 14, 2023
このニュースは日本経済新聞などのマスメディアだけではなく、Twitterなどでも話題をさらった。そこで今回はVCやスタートアップ経営者がどんな反応をしたのか紹介していく。
青がGPT3.5で緑がGPT-4。あらゆる世界の標準テストで成績が爆伸びしてる。
— 久保田 雅也@ベンチャーキャピタル (@kubotamas) March 14, 2023
BAR(司法試験)は上位10%、SAT数学も上位10%、生物学オリンピックでは上位1%に入ってる
子供に勉強しろという気が完全に失せた pic.twitter.com/tik9wlkYkE
これ私も今朝全く同じことを試してました。少なくともSQLはかなり高い精度のもの出てきますし、集計分析は自然言語でできる世界は割とすぐ創れそうです。
— yamotty (@yamotty3) March 15, 2023
BQが自社実装するか、自分たちでアプリケーション作るか https://t.co/Ql18ubgTQ5
GPT-4がリリースされたので本人に進化のポイント聞いてみたらとても分かりやすかった…! https://t.co/W9vx8sbV9E pic.twitter.com/He3QhypfWV
— キムラノリ / mento CEO (@norikmr) March 14, 2023
気づけは性能が向上し、「“簡単”とは言えないレベル」のライティングやコーディングができるようになっている。いつかは来ると思っていた未来は、本当に来てしまったのかもしれない。
経産省の資料、デザインまでスタートアップライクに進化
経済産業省が発行した資料『スタートアップの力で社会課題解決と経済成長を加速する』への反響がすごい。
Twitterを見ていると、スタートアップの起業家や経営者が軒並み「スッキリとしたデザイン」「わかりやすく情報整理されている」と絶賛している。
経済産業省による「スタートアップ育成に関する取組の解説資料」が公開されました。端的に政策方針がまとめられており、分かりやすいです。何より、良い意味で省庁らしくないスッキリとしたデザインが良いと思いました。 https://t.co/v7DcC7YoQN
— 岡 洋/ Logistics Innovation Fund/T&D Innovation Fund (@okayoo930) March 9, 2023
経済産業省が「スタートアップ育成に関する政府の取り組み」の解説資料を公開
— 國光俊樹|Goodpatch / Onn (@ku_ni_29) March 9, 2023
“いわゆる”行政の情報を1ページにぎゅっと詰め込んだ資料ではなく、わかりやすく情報整理された資料になっています。
起業家を志す方やスタートアップに携わる方は見ておいた方が良さそうhttps://t.co/1NmKWGHtg2 pic.twitter.com/jCOV7ei2YO
今回、経済産業省が公開したこの資料。仕掛け人は、南知果・スタートアップ創出推進室総括企画調整官だ。ダイヤモンドシグナルのインタビューへ登場し、政府が掲げた『スタートアップ育成5か年計画(案)』を、「より多くのスタートアップ関係者に計画の内容を知ってもらえればと思います」と語った。
官公庁の資料はどうしてもスライド1枚に情報が詰め込まれておりわかりにくい。そんなスタートアップと官公庁のギャップを埋める資料となっている。ぜひ、より多くの人に一読していただきたい。
総額約36億円を調達した貸付投資のオンラインプラットフォームのファンズとは?
今週の資金調達は、25.8億円を調達したユニラボや、14.5億円を調達したLexxPluss、15億円のデットファイナンスを発表した10Xなど、堅実な資金調達リリースが目立った週となった。その中で今週は、デットファイナンスプラットフォーム『Funds(ファンズ)』を運営するファンズを紹介していく。
ファンズは、ANRI、グローバル・ブレイン、B Dash Venturesなど第三者割当増資と、みずほ銀行、千葉銀行、商工中金を借入先としたデットファイナンスの総額約36億円を調達したと発表した。
【ANRI 投資先情報】
— 【公式】ANRI (@ANRI_VC) March 14, 2023
ANRIがリード投資家として今回のシリーズも出社させていただきました。
FundsがシリーズDで総額約36億円を国内外の機関投資家等から調達〜国内No.1のデットファイナンス総合プラットフォームを目指す〜 https://t.co/ZadrOdK2CR @PRTIMES_JPより
Fundsは、個人が1円から上場企業などに間接的に貸出しができるオンラインプラットフォーム。上場企業を中心とした80社が組成する183のファンドを募集。1社あたり平均1~2年の運用期間、平均調達額は1~3億円台が中心となっており、1ファンドの最大金額規模は10億円とのことだ。
今後、よりデットファイナンスを社会に浸透させるため、プロダクト強化や採用を進めていくという。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2023年03月17日に公開しており、
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