サイバーエージェント25周年で注目は、Abemaよりも後継社長の行方に……?──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。
土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。
今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。
・ChatGPTは福利厚生?Gaudiy、ミラティブ、JPYCの例
・「IRはnoteで共同発信」広がるか
・サイバーエージェント25周年!次の世代にバトンを渡すということ
・スクロールマンガのソラジマ、10億円を調達!その事業内容は
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
ChatGPTは福利厚生?
Gaudiy、ミラティブ、JPYCの例
昨今話題の対話型AI『ChatGPT』。完全に信頼して使用することはまだまだ難しい精度であるものの、業務効率化などの面から導入を推奨し、福利厚生として従業員に有料版を無償提供するスタートアップが出てきている。
今回はChatGPTに肯定的なスタートアップの動向について紹介していこうと思う。
早速福利厚生として有料版である『ChatGPT Plus』を導入し、いち早くプレスリリースを公開したのはGaudiyだった。同社は、「GPT-4」が公開された段階で福利厚生としての導入を発表。
【プレス出ました】
— Yuya Ishikawa / Gaudiy (@yuya_gaudiy) March 17, 2023
プレスの文章もタイトルも全てGPT-4が作成してます。クオリティ高い
Gaudiyでは開発生産性向上のためにLLMに大規模投資をしていきます。プロダクトにも活用予定
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Gaudiy、全社員向け福利厚生にAIサービス「ChatGPT Plus」「GitHub Copilot」を導入https://t.co/t4IxLjgRIN
同じくミラティブも福利厚生として『ChatGPT Plus』の月額利用料を全額補助することをリリースした。
プレスリリース!コメントも書きました!序章だと捉えています
— Junichi Akagawa @ミラティブ (@jakaguwa) March 22, 2023
ミラティブ、全社員を対象に「ChatGPT Plus」の月額利用料を全額補助する福利厚生を導入 今後のサポート強化も予定 https://t.co/y55W2otb5h @PRTIMES_JP
そのほかにも、日本円ステーブルコインのJPYCも福利厚生として『ChatGPT Plus』の利用を従業員に促進しているようだ。
利用料を会社が負担する福利厚生をもうけてchatGPTの全社的な利用を促進しています。
— 岡部典孝 JPYC代表取締役 (@noritaka_okabe) March 21, 2023
この対話型AIの利用促進に関しては、すでにLayerXが新卒採用選考に導入するリリースを発表し、話題を呼んでいる。
一方で、対話型AIの利用方法については情報漏洩リスクの懸念からも利用を慎重にならざるを得ないケースもある。そうした観点からクラスメソッドでは、社内向けに業務上利用する際に気をつけるべきことをまとめ、利用する場合に準ずるべきガイドラインを作成したと発表した。
今回は福利厚生への導入について紹介したが、スタートアップへどのように受け入れられていくのか、今後の動向が気になるところだ。
「IRはnoteで共同発信」広がるか
上場企業のIR記事を配信するnote公式マガジンが発足した。IRコンテンツの代表的なものといえば、適時開示情報『TDnet』で公開されるものであり、堅苦しいというイメージが強い。一方で、noteやツクルバ、スマレジなど、個人投資家に向けたIR発進に力を入れる企業もじわじわ増えている。
このような背景から、『note』を活用した積極的なIR発信の場として『IRマガジン』が誕生した。
【31社共同のIRマガジン、創刊します】
— 鹿島幸裕 | note CFO (@kashiman_jp) March 23, 2023
IRで前代未聞の試みが始まります。上場企業31社が、業種の枠を超えて、共同でIRの発信を行います。NISAの拡充などかつてないほど投資に注目が集まる今、IR発信を通じて企業と投資家がつながる、そんな場を創りたいと思います。#noteでIRhttps://t.co/rbsdFxXHbS pic.twitter.com/DSjQHytbIf
参画企業は31社。個人投資家に向けてIR情報をよりスピーディーに届け、投資判断に役立てていただくことを目的としているという。適時開示だけでは実現できないコミュニケーションを醸成していくとのことだ。
実際、今回のリリース以前から、IR担当によるTwitter発信の強化といった新たな傾向は見られた。
"場づくり"の会社ツクルバとして、note社らと共に合計31社で新しいIRコミュニケーションの場、「IRマガジン」を発明しました!
— シゲマツ (@omatsujapan) March 23, 2023
よりカジュアルなIRコミュニケーションで投資をもっと身近に、もっと楽しく、もっと面白く!
投資家の皆様、ぜひIRマガジンをフォロー下さい!https://t.co/JipSmC9O3k
【お知らせ】
— 近藤りな|トビラシステムズ (@iinakod) March 23, 2023
IR情報をまとめ読みできる共創メディア、「IRマガジン」創刊
企業の枠を超えて31社が連携。
トビラシステムズも参画しています
ぜひIRマガジンをフォローいただき、各社の #noteでIR をお楽しみください
⁰https://t.co/AMeyILvMTy
この度、noteを始めさせていただきます
— 川上真帆|セレンディップHD(7318)|IR広報 (@maho___kawakami) March 22, 2023
投資家の皆様に、弊社のことをより身近に感じてもらえるような情報発信を目指していきます!
1発目の記事は、
「セレンディップHDって何の会社だろう?」にお答えしている内容です
ぜひご覧ください!#noteでIR #note https://t.co/HPRpU2mwVm
今後、IRの発信がどのように変化していくのか気になるところだ。
サイバーエージェント25周年!
次の世代にバトンを渡すということ
サイバーエージェントは2023年3月18日に創業25周年を迎えた。これを機に、代表取締役 藤田晋氏は自身のアメブロにて「25周年」とのタイトルのブログを公開。そこで、2026年にサイバーエージェントの新社長を内部から昇格させ、会長になることを公開した。
久しぶりにアメブロを更新しました。3年後、サイバーエージェントの新社長を選出する件についても書きました。
— 藤田晋 (@susumu_fujita) March 19, 2023
25周年
⇒ https://t.co/tBp8st9vTU #アメブロ @ameba_officialより
インターネットバブル期に設立したメガベンチャーの代表交代と読むことができる今回の代表交代。これは今の国内ベンチャー企業がそろそろ直面するであろうテーマとも見て取れる。
実際、藤田社長が交代を決意したきっかけは、11年後をイメージした中長期の社内資料を目にした時だったという。「藤田晋(60)」との文字を見た時、今から準備しないと事業継承できないと思ったと明かしている。
また、今回の代表交代の件に関しては日本経済新聞やダイヤモンド・シグナルでもインタビュー記事が公開された。交代理由として、「社長をやればやるほど、どんどんこの仕事が引き継ぎ困難になっていくことを実感し、ずっと危機感を持っていた」などと説明されている。
日本を代表するメガベンチャーの事業継承タイミングがもうすぐやってくる。そのとき、代表は次のトップを誰にするのか、どうバトンを渡すのか、そうそう簡単な決断ではないため、行方が気になるばかりだ。
スクロールマンガのソラジマ、10億円を調達!
その事業内容は
縦スクロールマンガの市場がアツイ。
スクロールマンガWebtoonを制作するソラジマは、Z Venture Capitalをリード投資家として、ニッセイ・キャピタル、DBJキャピタルなどから総額10億円を調達したと発表した。調達した資金は作品数増と、さらなるグローバル展開に活用するという。
本日、無事資金調達のニュースを公開することができました。
— 萩原鼓十郎@未経験からマンガ編集者になりませんか! (@KJR_HAGI) March 22, 2023
各PJTチームの皆さん、本当にお疲れさまでした! https://t.co/eUrA18eB2E…
Webtoonとは、スマホに特化した縦スクロール型・フルカラーのマンガ全般を指す。韓国を中心に市場は拡大傾向にあり、Netflix『梨泰院クラス』など、ドラマ原作としても世界で注目されているという。実際、『Global Webtoons Market Size, Status and Forecast 2022-2028』によれば、Webtoonはその全体の市場規模は2021年の37億8,751万ドル(約4,900億円)に対し、2028年には275億1,007万ドル(約3兆6,000億円)まで成長すると予測されている。
その中でソラジマは、Webtoon制作スタジオ「SORAJIMA」にて、脚本から作画まで一気通貫制作のオリジナル作品として、『お求め頂いた暴君陛下の悪女です』、『逆行令嬢の復讐計画』など26作品を公開。2023年度の目標公開数は51作品とのことだ。
また同社は、中期経営戦略資料も同時に公開。ここでは、2023年に年商10億円を突破。2025年にはインドネシア、フランス、スペインに進出予定。その後、2027年をめどに年商100億円を目指すという。
拡大市場に挑むスタートアップの1社として、今後のソラジマの成長に着目していきたいところだ。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2023年03月24日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。