世界の核融合をリードする京都フュージョニアリング、100億円調達──5分で今週の注目ニュースをまとめ読み
指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。
そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、一週間のウォッチしておくべきニュースだけをまとめた記事を配信していく。題して、週刊スタートアップ通信──。
土日にまとめて読みたい話題を、毎週金曜日に更新中。
今週は国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせた1週間となった。その中から4本のニュース・話題をピックアップ。
・大企業系CVCからの調達加速か?京都フュージョニアリング、105億円調達を発表
・大学発スタートアップ22年は過去最多企業数!首位は慶應大
・「Forbes 30 Under 30 Asia」発表!今年の日本人受賞者は?
・「ChatGPT」など生成AIを事業に組み込み!HERPやYOUTRUSTも
について見ていく。
- TEXT BY HIKARU HAMADA
大企業系CVCからの調達加速か?
京都フュージョニアリング、105億円調達を発表
今週の資金調達ニュースといえば、京都フュージョニアリングだろう。SMBCベンチャーキャピタルや三菱UFJ銀行、日揮などから105億円を調達したと発表した。日本経済新聞の1面記事にも取り上げられ、スタートアップ企業の資金調達の中ではかなり注目を集めたニュースリリースになったのではないか。
ようやく公開を迎えました
— Taka Nagao | Kyoto Fusioneering CEO (@taka_nagao) May 17, 2023
京都フュージョニアリング、105億円を資金調達(累計122億円)@Kyotofusioneer
今回は合計17社から調達。本当に素晴らしいパートナー様です
フュージョンエネルギー・核融合の早期実現と、産業化に向けて邁進します
そして絶賛採用中!https://t.co/5oPLrb5umj
京都フュージョニアリングは、核融合炉周辺およびプラントに必要な機器・システムの研究開発を担うプラントエンジニアリング企業。「ジャイロトロン」と呼ばれるプラズマ加熱装置で高い技術力を持ち、核融合反応を促す中核装置で、開発では世界でも先行するという。
今回調達した資金は、研究開発への投資や採用、事業拡大のための運転資金に用いるとのことだ。
このように、多くの著名大企業が直接投資やCVC投資で同時に参画していく動きを、日経新聞は「日本連合」と表現。大きな期待が見て取れる。
一方でほかにも、2023年2月にゼロボードが長瀬産業や関西電力、三菱UFJ銀行など名だたる商社・銀行が連動するようなかたちで出資した件や、Rehab for JAPANがオムロンベンチャーズ、Aflac Ventures、MTG Venturesといった名だたるヘルスケア企業が連合するようなかたちで出資した件もある。
京都フュージョニアリング以外にも、産業界の期待を一身に背負うスタートアップは少なくない。そんな目線で、今後の資金調達動向を見てみるのはいかがだろうか?
大学発スタートアップ22年は過去最多企業数!
首位は慶應大
大学発スタートアップが増加している。経済産業省は「令和4年度大学発ベンチャー実態等調査(速報)」を発表。同調査によれば、2022年度調査において存在が確認された大学発スタートアップは3,782社となり、前年度比477社増加。企業数及び増加数ともに過去最高を記録したという。
東京大学、京都大学は前年と同様に1位、2位だったが、慶應義塾大学が5位から押し上げ3位へと浮上し、61社増加した。これには、公認VCの慶応イノベーション・イニシアティブ(KII)が主導し、起業のタネの発掘や経営人材の獲得、資金調達な どを一括で支援する活動が影響しているのではないかと日本経済新聞は分析している。
また今回の調査において、スタートアップ内での博士号取得者の活動が活発的になっていることもわかった。大学発スタートアップにおいて、博士号取得者が一般企業研究職に比べて在籍割合が高いことが判明。スタートアップの中で、博士号取得者が活躍していることが伺える。
少しずつですが、アカデミアの風向きは変わっているように思います。公立でも活発な動きが見られてきているので、意識していかなければ
— まぁてぃ|ヘルスケア特化のエンジェル投資家 (@Fujimoto_Marty) May 17, 2023
大学発スタートアップ、最多の年477社増 首位は慶応 - 日本経済新聞 https://t.co/akeuxs5bfL
先週の週刊スタートアップ通信でも、博士の経歴をVCで生かす話を取り上げたが、スタートアップにおいて博士の経歴はマイナスではなく、むしろプラスに働いているのではないだろうか。
「Forbes 30 Under 30 Asia」発表!
今年の日本人受賞者は?
昨年に引き続き、今年もアジア圏で活躍する30歳以下の若者を表彰する「Forbes 30 Under 30 Asia」の発表があった。
そこで今回は、受賞した若手経営者の声を紹介していこうと思う。
BtoB決済サービスを展開するペイトナーCOOの野呂祐介
「Forbes 30 Under 30 Asia」に選ばれてました、、、!
— 野呂 祐介@ペイトナー株式会社COO (@yupcoonoro) May 18, 2023
恐れ多い、、、
会社や事業への期待だと受け止め、愚直に顧客に向きあって頑張っていきたいと思います!
FORBES 30 UNDER 30 ASIA LISThttps://t.co/YhhdOhgCx0#ForbesUnder30 #ForbesU30Asia
クラウドのセキュリティを守るCloudbase代表の岩佐晃也
Cloudbaseが「Forbes 30 Under 30 Asia」というとんでもないものに選出されました!
— Koya Iwasa | Cloudbase (@iwasakoya) May 18, 2023
大企業でのCloudbaseの利用が加速しており、引き続きセキュアなクラウド利用に向けて一生懸命頑張りますhttps://t.co/smo4fwq3Cs
ビジネスプラットフォームを手掛けるCrossBorderの代表取締役CEOの小笠原羽恭
CrossBorderの共同創業者4名が、30歳以下のアジアを代表する起業家「Forbes 30 Under 30 Asia」に選ばれました!https://t.co/S68Lg1dkmO
— 小笠原羽恭 | Sales Marker CEO (@SapphireUkyo) May 18, 2023
■Forbes 30 Under 30 Asiaとは
Forbes 30 Under 30… pic.twitter.com/rw5CreJWJw
福利厚生事業を手掛けるmiive代表取締役の栗田廉
「Forbes 30 Under 30 Asia」にmiiveが選出されました!
— 栗田 廉 (@ren_miive) May 18, 2023
プロダクトを愛してくれるお客様や皆さんの期待を裏切らないよう、もっとギア上げてきます。
福利厚生市場でゲームチェンジを起こしていくので、引き続き応援よろしくお願いします!https://t.co/FawvpU5rKr#ForbesUnder30 #ForbesU30Asia
サプライチェーンのデータ管理サービスを展開するResilire代表取締役CEOの津田裕大
Forbes 30 Under 30 Asia – Class of 2023に選んでいただきました!
— Yudai Tsuda / Resilire CEO (@yudaitsuda0301) May 18, 2023
アジアも含め、サプライチェーンデータをグローバルに繋げてモノづくり産業に貢献できるよう頑張ってまいります。https://t.co/VZFeql3Nw0
サービスの適正価格を提案するプライシングスタジオ代表取締役CEOの高橋嘉尋
フォーブス誌の30歳以下のアジアを代表する30人「Forbes 30 Under 30 Asia」に選ばれてました!!
— 高橋 嘉尋 | プライシングスタジオCEO/Founder (@BpP_Takahashi) May 18, 2023
プライシングスタジオはまだまだこれからですので、世界と戦える企業になるよう引き続き尽力していきます。
FORBES 30 UNDER 30 ASIA LISThttps://t.co/SVQ3UFmGKj#ForbesUnder30 #ForbesU30Asia
Forbes Under 30に選定された起業家は、その後国内外で著名な起業家として活躍していくことが多い。今後も、彼らの活躍に注目していきたい。
「ChatGPT」など生成AIを事業に組み込み!
HERPやYOUTRUSTも
ChatGPTをはじめとする生成AIを自社サービスに組み込む、もしくは組織に組み込む動きが加速している。5月に入ってからも、HERPやYOUTRUSTなどが相次いで発表したので紹介していく。
HERPは『HERP Hire』に、ChatGPT APIを活用した「求人票作成AIサポート(α版)」を開発したと発表した。求人票作成AIサポート(α版)は、職種名のほか職種情報・企業情報を入力すると、自社・当該職種の特徴を踏まえたオリジナルな求人票の作成を、AIがサポートする機能とのことだ。
YOUTRUSTは、生成AIやLLM(大規模言語モデル)の活用を目的とした新組織「LLM Innovation Center(LIC)」を設立したと発表した。YOUTRUSTが提供するサービス内において、生成AIの実装を加速させていくためという。また同社は2022年に有料法人企業向けに提供するサービス内において、「AIタレントサーチ(β版)」の提供を開始。独自に開発したAIが、優秀なタレントを検索・レコメンドする仕組みとのことだ。
またLegalOn Technologiesは、先週発表した会社の意思決定に関するプロセスを可視化するとともにアクションの実行を支援する「意思決定プロセスマネジメントシステム」β版において、生成AIを採用したとのことだ。
その他にも、LayerXやGaudiy、ログラスなども生成AIを本格的に組織へ取り組んでいる。今後、スタートアップがどのように生成AIやLLMをプロダクトや組織に組み込んでいくのか、注目していきたい。
ちょうど5月22日(月)には、FastGrow主催で「生成AIとスタートアップ」に関するイベントも開催する。登壇するのは、急成長AIスタートアップ・FastLabel代表上田氏のほか、ソニーベンチャーズの鈴木氏、NTTドコモ・ベンチャーズの加納氏だ。ここからチェックしてほしい。
さて、今週のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も毎週更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。
こちらの記事は2023年05月19日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。