連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

日本のマンガを今こそ、大量に世界へ!オレンジが29.2億円調達──5分で注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、ウォッチしておくべきニュースやコラムをまとめた記事を配信していく。題して、スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、定期的に更新中。

昨今も国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせている。その中から1本の話題、そしてトレンドとして押さえたいニュース数本をピックアップ。

・ファインディ、インドへ本格進出!

・宇宙ごみ回収のアストロスケール、東証グロース上場へ

・最速で成果を出すには思考?行動?量質転化の本質とは

・日本のマンガを今こそ、大量に世界へ!オレンジが29.2億円調達

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
SECTION
/

News1──ファインディ、インドへ本格進出!

ファインディはインドへ本格進出すると発表した。ファインディを通じた、インドでの開発拠点立ち上げに対し、現地での生産性の高い組織づくり支援や、インド人材の雇用、税務や労務業務を代行するサービスも提供するとのことだ。

同社は2022年より、国内外居住の外国人ITエンジニアに特化した採用支援サービス『Findy Global』の提供を開始。登録するエンジニアの国籍はインドが最も多く、フィリピン、バングラディシュと続く。インドは、多数の優秀なエンジニアやGAFAMのCEOを多く輩出したインド工科大学があり、IT人材が豊富だ。そのため開発拠点を立ち上げる日本のベンチャー企業も出てきており、2022年にはメルカリがインド・ベンガルールで拠点を立ち上げた

今後、インドに進出するベンチャー・スタートアップはIT人材確保のため増えていくだろう。今後のファインディの動向に注目したい。

SECTION
/

News2──宇宙ごみ回収のアストロスケール、東証グロース上場へ

宇宙ごみ(スペースデブリ)回収ビジネスを手掛けるアストロスケールが、東証グロース市場への上場承認となった。同社の発表はこちら、合わせて、東証のページでもぜひ内容を確認してほしい。

アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保のため、衛生運用終了時のデブリ化防止や既存デブリの除去、衛星の寿命延命、故障機や物体の観測・点検など、持続可能な宇宙軌道環境を促進してきた。設立は2013年。2030年までにスペースデブリの除去や衛星への燃料補給などのサービス開発を目指している。有価証券報告書で、2023年4月期は売上高17億9200万円、純損失は92億6400万円と公表した。

今後も同社は、持続可能な軌道環境を促進するとともに、衛星運用者にとってのリスクを軽減し、ROI(投資利益率)を高め、ミッションの成功に貢献していくとのことだ。

SECTION
/

News3──最速で成果を出すには思考?行動?
量質転化の本質とは

Chatwork執行役員 桐谷豪氏のnote「最速で成果を出す方法」が、とてもためになる。

本記事では、「思考先行型」、「思考/行動 併用型」、「指示待ち型」、「行動先行型」の4パターンいる。その中で、「思考/行動 併用型」になるためにどのように山に登るのかという話だ。

パターンは2つあり、学術と経験学習。思考先行型の場合、学術アプローチの方が山を登りやすいが、経験学習の方がおすすめ。仕事はどうしても変数が多く、まずは行動してその経験から最適解を見つけ、近づいていく方が筋が良いため。

「量は質に転化する」とよく聞くが、まさにその話だ。

4月から新たなチャレンジをしている人、少し踏みとどまっている人、ぜひこの週末に読んでいただきたい記事だ。

SECTION
/

Column──日本のマンガを今こそ、大量に世界へ!
オレンジが29.2億円調達

今までありそうでなかった「マンガのプレスリリース」が今、Xで話題だ。

マンガに特化したAI翻訳のオレンジは、プレシリーズAで総額29.2億円の資金調達を実施したと発表した。調達先は小学館、グロービス・キャピタル・パートナーズ、ANRIなど。この調達により、自社ツールの規模を拡大し、月間500冊の翻訳を目指す。また、電子マンガストア『emaqi』を2024年夏に米国でローンチ予定とのことだ。

と、ビジネスモデルも具体的でわかりやすいが、この資金調達リリースの内容が面白い。というのも、オレンジの資金調達の背景、およびマンガ翻訳を取り巻く市場課題をマンガで表現しているからだ。

ぜひ詳細な内容はプレスリリースをご一読いただきたいが、同社の調べによれば今まで翻訳された日本のマンガは1万4,000冊程度。全体の2%に満たないという。マンガ翻訳のためのプロセスに、多くのステークホルダーが関わるほか、権利関係の調整や配信先の問題もあるとのことだ。

自社コンテンツの肝となるマンガで、なぜオレンジがマンガ翻訳に取り組むのかを読者に伝える。ここからは、プレスリリースにマンガを取り入れたことによるXの反応を紹介する。

今回オレンジに投資したANRI代表パートナーの佐俣アンリ氏は、「毎月100冊は最低限ノルマとして漫画読み続けてきて、この事業は一緒に挑戦するしかないと確信してます。ポン酢!」と投稿。同じく、グロービス・キャピタル・パートナーズ プリンシパルの磯田将太氏は、「うなぎの蒲焼きです。」と投稿した。どうも、「実際の人物・作品タイトルなどにはいっさい関係ない」わけではなかったのだろう。

そのほか、「このプレスリリースには勝てる気がしない。これが言語を超えたグローバルコミュニケーション、マンガの力なのか(違う)」、「マンガ最高!」などの投稿がよく見られた。

プレスリリースとなると、どうしても全てテキストで読者に伝えることにフォーカスされがちだ。最近ではイラストを多く取り入れることでより読みやすくするといった工夫は増え始めてはいたが、マンガという手段はなかなかなかった。このリリースとは何か、立ち止まって考えてみるのも良いのかもしれない。

さて、今回のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も定期的に更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2024年05月10日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

次の記事

記事を共有する
記事をいいねする

執筆

濱田 ひかる

会員登録/ログインすると
以下の機能を利用することが可能です。

新規会員登録/ログイン