連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

Sakana AI、1年でユニコーン企業へ。国内最速──5分で注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、ウォッチしておくべきニュースやコラムをまとめた記事を配信していく。題して、スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、定期的に更新中。

昨今も国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせている。その中から1本の話題、そしてトレンドとして押さえたいニュース数本をピックアップ。

・「2024年のスタートアップ」のはじめかた

・Craif、名古屋大学と共同で唾液から希少疾患の検査技術を公開

・ティアフォー、シリーズB累計調達額207億円へ

・タイミー、7月上場か

・Sakana AI、1年でユニコーン企業へ。国内最速

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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News1──「2024年のスタートアップ」のはじめかた

今、スタートアップには10年前に比べ10倍大きな山に登る挑戦が、「求められるようになった」──。

東京大学 馬田隆明氏のスライドを紹介したい。

10倍程度大きな山とは何か。よりスケールの大きな挑戦、つまるところ「日本を救う」「世界を救う」といった大きな規模感での企業を指す。

ではどうすれば、よりスケールの大きい挑戦ができる市場を見つけ、挑戦しきることができるのか。そんな考え方がまとめられたスライドとなっている。界隈では関連ポストが目立った。

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News2──Craif、名古屋大学と共同で唾液から希少疾患の検査技術を公開

Craifは、名古屋大学と共同で新生児の唾液から希少疾患である脊髄性筋萎縮症(SMA)を早期発見することができる検査技術を開発し、「SMAスクリーニングキット」を開発したと発表した

SMAとは、先天的な遺伝子の変異が原因で運動発達が障害され、哺乳や食べ物の飲み込み、呼吸が困難となる神経難病。病気が発症または進行してからの治療では効果が限定的であり、発症前に早期発見し、早期治療につなげることが重要となっている。しかし、現行の検査方法は採血と高度な検査設備を必要とし、検査結果の確定までも1~2週間の時間を必要としていた。

今回Craifが開発したスクリーニングキットは、特殊な設備がなくとも検査が可能。新生児誕生後1.5時間以内にその場で検査結果を確認することができるようになったとのこと。現在臨床実験を行っており、今後規模の拡大を予定しているとのことだ。

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News3──ティアフォー、シリーズB累計調達額207億円へ

自動運転を手掛けるティアフォーは、シリーズB追加ラウンドで85億円の資金調達を実施したと発表した。これにより、シリーズB全体の資金調達額は207億円となり、累計資金調達額は381億円となった。

今回の資金調達により、自動運転レベル4対応の車両開発と、安全性評価を加速するとのこと。その他、新規事業にもチャレンジしていくとのことだ。

また同社は、今回の資金調達先であるスズキ、いすゞと業務提携を発表。地域モビリティを支える自動運転技術の研究開発および社会実装や、路線バス領域における自動運転システムの開発を共に目指していくとのことだ。

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News4──タイミー、7月上場か

タイミーがようやく上場する──のかもしれない。

2024年6月11日、ロイターが「スポットワーク仲介のタイミー、7月にも新規上場へ 時価総額1500億円程度=関係者」との記事を公開した。その後、日本経済新聞も20日、タイミーが7月に上場する方針だと報じた。上場時の時価総額は1,300億~1,500億円規模となる見込みであり、メルカリやビジョナルのように1,000億円を超える時価総額での大型上場になるとのことだ。

タイミーや東証からの正式発表を楽しみに待ちたいと思う。

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Column──Sakana AI、1年でユニコーン企業へ。
国内最速

Sakana AIの勢いが止まらない。

たった1年で企業価値は11億ドル(1,700億円)を超え、ユニコーン企業の仲間入りをする可能性があると日本経済新聞が報じた

執筆時点で同社より資金調達のリリースは公開されていないが、同紙によれば、SalesforceやGrouponなどへ投資をしてきたNew Enterprise Associatesや、Open AIへ投資をするKhosla Venturesなどから総額1億2,500万ドルの資金調達をする方向性で調整に入っていることがわかった。

今回のニュースを受け、X上では「異次元すぎる」、「やばすぎる」といった投稿が相次いだ。しかもまだシード段階であるから驚きだ。

Sakana AIは元Google AIの研究者であるLlion Jones氏とDavid Ha氏によって2023年8月に設立したスタートアップ。Llion Jones氏は2017年に発表された生成AI革命のきっかけとなった論文「Attention Is All You Need」の著者の1人でもある。

また同社は1月に、NTTグループ、KDDI、ソニーなどから総額約45億円を調達したばかり。すでに日本を代表するスタートアップの1社であることは確実であるが、世界でどうポジションを取っていくのか、その動向に着目したい。

さて、今回のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も定期的に更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2024年06月21日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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