連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

自動運転向け生成世界モデル「Terra」誕生!自動運転の開発は加速するのか?──5分で注目ニュースをまとめ読み

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、ウォッチしておくべきニュースやコラムをまとめた記事を配信していく。題して、スタートアップ通信──。

土日にまとめて読みたい話題を、定期的に更新中。

昨今も国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせている。その中から1本の話題、そしてトレンドとして押さえたいニュース数本をピックアップ。

・アスエネが日本生命・JERAの2社と業務提携

・Sakana AIが科学研究サイクル自動化AIをローンチ

・a16z日本支社を立ち上げか?日本経済新聞が報道

・自動運転向け生成世界モデル「Terra」誕生!自動運転の開発は加速するのか?

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
SECTION
/

News1──アスエネが日本生命・JERAの2社と業務提携

アスエネは、日本生命とJERAとの資本業務提携を発表した。シリーズCセカンドクローズ8億円の資金調達リリースにて合わせて公表した。

アスエネは、CO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービス『ASUENE』やESG評価クラウドサービス『ASUENE ESG』などを展開するスタートアップ。シリーズCで総額で50億円の調達を完了しており、今までの資金調達額の累計は101億円となる。

日本生命との業務提携の主旨は、ESG領域で連携・提携を強化すること、そしてJERAとの業務提携主旨は脱炭素領域で複数の連携施策を実行していくことなど。

また、新会社としてアスエネヴェリタスの設立を発表。環境会計コンサルティングなどを手掛けるコロケットから、元大手監査法人グループ出身の専門性の高い人材が参画するとのこと。今後さらに事業提携を深化させていくとのことだ。

SECTION
/

News2──Sakana AIが科学研究サイクル自動化AIをローンチ

Sakana AIは、科学研究サイクルを自動化したAI「The AI Scientist」を公開したと、同社のブログにて発表した。同研究は、オックスフォード大学とブリティッシュ・コロンビア大学の科学者チームと協力して実施したもの。研究成果をまとめた論文「The AI Scientist: Towards Fully Automated Open-Ended Scientific Discovery」とソースコードも公開した。

The AI Scientistは、研究準備以外のアイデア創出、実験の実行と結果の要約、論文の執筆及びピアレビューといった科学研究のサイクル・アウトプットで必要となる項目を自動化した。

Sakana AIの発表により、「あとはAIに論文を書かせる方法を見つけるだけだ!」が現実味を帯びてきた。

SECTION
/

News3──a16z日本支社を立ち上げか?
日本経済新聞が報道

a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)が、日本での拠点作りの調整を始めたようだ。2024年8月15日、日本経済新聞が報じた

4月に総額72億ドルの新ファンドを立ち上げており、日経新聞の報道によるとその出資にNTTグループや東京海上日動火災保険が加わった。新ファンドは、AIに注力する方針とのことだ。

この報道を受け、Xでは起業家・スタートアップが盛り上がりを見せた。「お、ついにきた」、「Welcome to Japan」などのコメントと共に、記事が拡散された。

一方で、現時点でa16zは、日本企業への投資実績はない。「日本のスタートアップへの投資は可能性は残しつつも、当面なさそう」なのではないだろうか。

SECTION
/

Column──自動運転向け生成世界モデル「Terra」誕生!
自動運転の開発は加速するのか?

Turingは、自動運転向け生成世界モデル『Terra』を開発したと発表した。Terraは、現実世界の物理法則や物体間の相互作用など複雑な状況を理解し、リアルな運転シーンを動画として出力することが可能な生成世界モデル。生成世界モデルとは、道路上の周囲の環境の変化やそれに対する運転操作を再現したものであり、使用することにより安全かつ効率的な自動運転開発を行うことができるようになる。

Turingは、完全自動運転車両の開発に取り組むスタートアップ。カメラから取得したデータのみでステアリング、ブレーキ、アクセルなど、運転に必要なすべての判断をAIが行うE2Eの自動運転AIを開発しており、2030年までに完全自動運転を実現することを目指している。

Terraは、Turingが保有する独自の走行データと、オンラインで公開されている走行映像の合計約1500時間分のデータを学習に使用して作成。任意の運転操作を高精度で再現することが可能であるとのことだ。主な利用用途としては、シュミレータと自動運転システムの一要素。現在の交通状況を分析し、未来の予測結果を自動運転システムの運転判断に用いることができるようだ。

今後Turingは、Terraの精度や生成速度を向上させる研究を進めるとのこと。自動運転の精度向上と実用化に期待がかかる。

さて、今回のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も定期的に更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2024年08月16日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

次の記事

記事を共有する
記事をいいねする

執筆

濱田 ひかる

会員登録/ログインすると
以下の機能を利用することが可能です。

新規会員登録/ログイン