連載スタートアップ通信──5分で注目ニュースをまとめ読み

新展開が続々!カミナシ新事業、MIXI×ユニファ、ROXX上場承認、福山太郎氏VC立ち上げ……

指数関数的な成長を志向するスタートアップ。当然、その流れは早い。各社からリリースされるニュースを追っていくだけでも一苦労だ。

そこで、忙しいベンチャー・スタートアップに関わる人のために、ウォッチしておくべきニュースやコラムをまとめた記事を配信していく。題して、スタートアップ通信──。土日にまとめて読みたい話題を、定期的に更新中。

昨今も国内外問わず、数多くのスタートアップに関するニュースが世間を賑わせている。その中から1本の話題、そしてトレンドとして押さえたいニュース数本をピックアップ。

・上場承認のROXX、転職支援事が急成長で売上は20億円超

・親世代が歓喜?『みてね』と『ルクミー』が提携

・カミナシ新事業を発表。マルチプロダクト展開へ

・「Y Combinator」に日本人起業家として初めて採択された福山太郎氏、VCファンドをはじめました

について見ていく。

  • TEXT BY HIKARU HAMADA
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News1──上場承認のROXX、転職支援事が急成長で売上予想は20億円超、予想は35億円へ

ROXXが上場する。同社の公式ホームページで上場承認のお知らせが公開された。

同社はサービス業やブルーカラーをはじめとするノンデスクワーカー向けの転職マッチングプラットフォーム『Zキャリア プラットフォーム』と、リファレンス・コンプライアンスチェックの『back check』など、HR関連のプロダクト群を展開する。

もちろんIPOとなれば、初めて開示される具体的な事業規模に注目が向く。「新規上場申請のための有価証券報告書」によると、全社の年間売上高は2023年9月期実績が20億7,581万円にのぼったことが判明。さらに、その後の開示において2024年9月期業績予想の年間売上高は35億2,500万円となっている。新規事業の『Zキャリア プラットフォーム』が牽引するこの成長率に、Xでも感嘆の声が多くみられた。

詳細を知るには、投資元でもあるOne Capital三好氏の解説記事がどこよりも詳しく、わかりやすい。ぜひご一読を。

この上場が、今後の事業成長にどのような勢いをもたらすだろうか。

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News2──親世代が歓喜?『みてね』と『ルクミー』が提携

家族アルバム みてね』を展開するMIXIと、『保育総合ICT ルクミー』を展開するユニファが資本業務提携を発表。同時に、ユニファはシリーズEラウンドで5億円の資金調達を実施したと発表した

今回の資本業務提携により、『みてね』と『ルクミー』がサービス連携を強化。保育施設向けに新たに「ルクミー みてねプラン」を開始し、保護者向けには両プロダクト間での写真連携を開始すると発表した。保育施設で撮影した子どもの写真を起点に、コミュニケーションと家族の幸せを世界中に広げていくとのことだ。

育児中のスタートアップパーソンには、この両プロダクトをいずれも利用しているユーザーも多いようで、提携に反応するXのポストも見られた。

また、ユニファのシリーズEラウンドとしては、MIXIをはじめ、MPower Partnersや富士通ベンチャーズなどから総額5億円を新たに調達。セカンダリー取引も実施したストラクチャーとなっており、全体では相当規模の金額が動いているとも予想される。

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News3──カミナシが新事業を発表。マルチプロダクト展開へ

カミナシは、現場従業員のマネジメントをサポートする『カミナシ 従業員』の提供を開始した。また同時に、2024年度中に新製品として3製品を加え、計5製品をラインナップしたマルチプロダクト展開をすると発表した

『カミナシ 従業員』は1つのサービス内で、現場管理者・総務部門と従業員間のあらゆる情報のやりとりを完結することが可能。例えば業務連絡や給与明細の配布、チャット機能などだ。そのほかにも外国人従業員との円滑なコミュニケーションを目的に、13言語に対応している。

また、同サービスは井筒まい泉や吉清など、すでに製造業・飲食業・介護・ビルメンテナンス・バス・タクシー業界など、39社で導入が決定しているとのことだ。

また、同日発表したマルチプロダクト戦略では、『カミナシ 従業員』に加えて、2024年度内に新たに2つのプロダクトを導入し、現場の従業員管理、教育管理、設備保全の領域に進出すると発表した。2023年3月に発表した「まるごと現場DX構想」を改め、「作業方法」「人」「設備」の3つの領域を軸に事業を展開していくとのことだ。

なお、同社のマルチプロダクト化への挑戦については、先だって2024年2月のFastGrow Conferenceでもその苦労を語っていただいた。生々しい苦労についてディスカッションされたので、ぜひ今、事業開発を担う読者の皆さんには合わせて読んでみていただきたい。

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Column──「Y Combinator」に日本人起業家として初めて採択された福山太郎氏、VCファンドをはじめました

福山太郎氏が、15Mドル(日本円で22億円)規模のVCファンド「Rice Capital」を立ち上げた。自身のnoteで発表した。

福山氏は、「Y Combinator」に日本人起業家として初めて採択され、福利厚生SaaS『AnyPerk(現Fond)』を立ち上げ・M&Aでエグジットも果たした米国市場で活躍した起業家。彼が立ち上げたFONDは、SalesforceやFacebook(現Meta)、Adobeをはじめとする顧客を持ち、福利厚生や社内リワードの管理ソフトウェアを提供するサービス。2023年に福利厚生サービスの大手企業Edenredが買収した。

2023年以降、日本のメディアでも福山氏のインタビューを多く見るようになった。特に直近、Nstockが運営する「Stock Journal」ではシード期時代のタコベルで車中泊した頃の話を、そしてALL STAR SAAS FUNDが運営する「ALL STAR SAAS BLOG」では、アメリカで10年戦った起業家の「10の学び」を紹介。スタートアップの起業家の中には、福山氏に憧れる人も多いようだ。

これらを踏まえて、先日立ち上げを発表したRice Capitalは、Y Combinator創業者 Paul Graham氏や、メルカリ共同創業者 石塚亮氏らから資金を調達し立ち上げたリッチな布陣だ。ファンドサイズは、15Mドル(日本円で22億円)で、日米のシードからシリーズBのスタートアップを対象に、1社あたり3,000万から1億円の出資を行う予定とのことだ。

福山氏のファンド立ち上げについて、Xでは「応援!」「新しい挑戦!」「スタートおめでとうございます」といったコメントで溢れた。

「Y Combinator」出身の起業家が、どのような企業に投資するのか。今後の福山氏の立ち上げたRice Capitalに注目していきたい。

さて、今回のスタートアップニュースはいかがでしたでしょうか?今後も定期的に更新していきますので、ぜひFastGrowをチェックしてみてください。

こちらの記事は2024年08月30日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

濱田 ひかる

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