2021年の国内SaaSはどのような変化、トレンドが生まれそうでしょうか?(SaaS×マーケットプレイスなど)
2021年の国内SaaSはどのような変化、トレンドが生まれそうでしょうか?(SaaS×マーケットプレイスなど)
3件の回答
これまでに引き続き、Vertical SaaS・Horizontal SaaSの活躍が見られると思います。グローバル全体のマクロトレンドでいうと、アメリカではエンジニア向けSaaSがますます台頭する年になるのではないでしょうか。グローバルにおける未上場の有望なクラウド企業を掲載したForbes Cloud 100によると、昨年は上位10社中5社をエンジニア向けのSaaSが占めていました。大型資金調達し、さらにIPOしたことで注目されたSnowflakeも、AWS、Azure、GCPといったGAFAMが提供するエンジニア向け開発基盤市場に切り込もうとしていますよね。
一方で、日本ではVertical・Horizontal SaaSのトレンドが続くと感じています。これまでのGAFAMによる開発基盤を新たにリプレイスするためには開発人員が大量に必要になります。そのためには巨額の資金が必要になりますが、国内スタートアップにそれだけの資金が流れ込まないからです。国内では昨年に続いて業界特化型のVertical SaaS、業界横断型のHorizontal SaaSに注目が集まる年になるのではないでしょうか。
「リモートワーク」は2020年に続きSaaSの大きなテーマになりますが、私個人が注目しているトレンドは、「バーティカルSaaS」と「SaaS×フィンテック」です。
1つ目の「バーティカルSaaS」は、小売や建設業のように、コロナで働き方や事業運営を大きく変えざる得ないデスクレスワーカー向けSaaSや、ECに代表される、コロナによって急激に成長した産業のバックエンドを支えるSaaSが成長が見込めると思います。
2つ目の「SaaS×フィンテック」は、収入/支出管理とペイメントを組み合わせたようなSaaS、もっと踏み込んで決済履歴データ等を活用したレンディングを提供するSaaSも多く出てくると思います。この点は、政府のキャッシュレスの推進もありますが、コロナによって消費者のキャッシュレスへの意識が変わったことも大きなトリガーになってると思います。
特に注目しているのは、ノンデスクワーカー向けのSaaSです。
これまではIT業界をはじめ、PCの前で仕事を行える方向けのものでしたが、現場で働く方やサービス業の方、店舗で営業をしている方などに向けたSaaSが今年はいよいよ台頭してくるのではないかと思います。具体的には現場のDX推進支援を行う「カミナシ」さんや、月額制店舗に適した会員管理・予約・キャッシュレス決済システムサービスを展開する「hacomono」さんなどです。
これらのノンデスクワーカー向けのSaaSの場合、設計する際に2つ重要な点があると思います。「UIのデファクトスタンダードを意識した設計」「ユーザーの使用シーンを考慮すること」の2つです。
LINEやメルカリなど、普段多くの人が触れているtoCサービスを意識した設計にしないと、それらと比較して不便を感じる方がいると思うので、馴染みのあるUIにすることは重要かなと思います。また、ノンデスクワーカー向けのSaaSの場合、ユーザーは手袋をしていたり、衛生面の観点からスマホを触れないなどといったことが想定されます。ですので実際に使用しているユーザーはどのような環境に置かれているかをより深く洞察し、それを踏まえたデザインにすることが求められますね。