後輩起業家にアドバイスするなら、大手へのM&Aは勧めますか?理由も合わせて教えていただきたいです。
後輩起業家にアドバイスするなら、大手へのM&Aは勧めますか?理由も合わせて教えていただきたいです。
3件の回答
勧めます。大手事業会社のメリットはブランド力、潤沢なキャッシュです。事業成長においてとても価値のあるものだと思います。そしてこれらを自分たちだけで築くには何十年とかかるものを、活用する経験ができているのは何よりの資産です。目先のキャッシュに囚われることなく、中長期的な視座で事業成長を目指した施策を打つ事ができるので自身の成長速度も上がります。
ご質問への回答としては、ケースバイケースなので選択肢の一つとしては持つべきです。僕らの場合は、ラクスルが上場企業ということもあっていわゆる「経営の型」を学べること、そして皆さんがめちゃくちゃ優秀なので目線が引き上げられることの2点はすごく良かったと思います。特に、ラクスルから今ペライチにCOOとして出向してもらっている安井さんは、完全フルコミットでやってもらっていますし、経営陣には日頃からノウハウや型を大量に注入していただいている感覚はありますね。
あとは前提として、僕らの場合は完全に買収されたわけではなく、49%出資いただいているという形になっています。もともとラクスルCFOの永見さんにはエンジェルで投資いただいていたのですが、4回目の資金調達のご相談をしている流れでこの形に落ち着きました。
そういう意味では今後M&Aの選択肢もありますが、まだIPOの可能性も残っています。正直一緒に仕事をしてみないことにはわからない部分も多いので、僕らのような形で連携強化をしながら、今後の動きを模索するというケースは今後増えてくるのではないでしょうか。
もちろん起業家自身の目標や経営戦略、タイミングなどの要素が合えばという前提でお勧めはできます。理由は「目線の引き上げ」と「事業シナジー」の2つです。
まず「目線の引き上げ」についてですが、グループインするといきなり大手企業(例えば上場企業基準)のガバナンスと事業計画、市場へのインパクトを求められるようになります。シリーズA.Bくらいのスタートアップからすると、まったく違う世界に来てしまったみたいな感覚です(笑)。また、大型ファイナンスをした後のような長期目線での戦い方ができるので、自然と視座が上がっていくメリットがありますね。日常的な会話の内容すら、まったく変わってきます。
あとは当然「事業シナジー」も大きいです。僕らは交渉時からこの点を意識していて、かなり時間をかけてコミュニケーションを取りました。まずバリュエーションの交渉は置いておいて、自分たちの事業戦略・プロダクト戦略から逆算して予算獲得以外の点でどのような事業シナジーが出るか、事業の成長角度を上げられるかを模索し、しっかり合意のもと交渉を進めたという感じです。