連載資金調達の週報
物置き版シェアエコからWeWorkの中国法人など──押さえておきたい資金調達ニュース【〜7月29日】
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。
全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。
今週も日本から4社、海外から1社をピックアップした。
2018年7月23日〜2018年7月29日分
- TEXT BY MASUMI OSAKI
日本美食 : 飲食店向けのインバウンド決済、集客サービス
資金調達概要
調達額 |
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10.1億円 |
調達先 |
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農林中央金庫 |
複数の個人投資家 |
サービス概要
インバウンド観光客に特化した飲食・旅行の集客から決済までをサポートするオンラインサービス「日本美食」。
同サービスでは日本で美味しい食事を楽しみたいという思いを持っている一方で、ニーズにあったお店を「探せない」「(言葉が)通じない」「払えない」という課題を抱える訪日観光客と、彼ら彼女らにアプローチしたい飲食店をうまくマッチングするもの。
厳選した飲食店や日本の食文化を紹介するメディア機能、5言語に対応する予約・注文機能、14種類に対応する店頭でのスマホ決済機能をひとつのアプリを通じて提供している。
モノオク : 物置きのシェアリングサービス
資金調達概要
調達額 |
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数千万円 |
調達先 |
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ANRI |
サービス概要
荷物を置くスペースを探している人と、空いているスペースを有効活用したい人をマッチングする物置きのシェアサービス「モノオク 」。
個人が保有する空き部屋や押入れ、クローゼットなどの遊休スペースを使って荷物を預かることで収益を得られるシェアリングエコノミー型のビジネス。荷物を預ける側にとっては、通常のトランクルームよりも安い価格で利用できることがメリットだ。
taskey : チャット小説アプリ「peep」
資金調達概要
調達額 |
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1.5億円 |
調達先 |
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Global Catalyst Partners Japan |
グッドスマイルカンパニー |
サイバーエージェント・ベンチャーズ |
コルク |
BASE Partners Fund LLP |
三井住友海上キャピタル |
サービス概要
ホラーや恋愛ジャンルの短編小説を中心としたコンテンツをチャット型のUIで楽しめる「peep」を提供するtaskey。
近年国内でも「DMM TELLER」や「pixiv chatstory」をはじめ、チャット形式のUIを採用したチャット小説アプリが広がり始めている。ユーザー投稿型のチャット小説アプリが主流の中で、peepでは商業作家を中心にプロ作家が執筆した小説を集めている点が特徴。iOS国内チャット小説アプリで課金売上第1位を獲得した実績を持つ(2018年7月4日時点で)。
VALU : 個人の価値をシェアすることで継続的な支援を募れるSNS
資金調達概要
調達額 |
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4500万円 |
調達先 |
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千葉功太郎氏 |
サービス概要
何かに挑戦したい個人が継続的な支援を募ることのできるSNS「VALU」。
個人が自分の価値を株式のような形(VA)で発行し、ユーザー間で売買できるサービスとして注目を集めてから約1年。現在は約10万人が利用する。自分のVAは好きな価格で発行でき、インセンティブとして優待をつけることも可能。VAの取引はビットコインを用いる。
WeWork China(中国): 世界で会員制のシェアオフィスを展開
資金調達概要
調達額 |
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5億ドル |
調達先 |
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Trustbridge Partners |
Temasek Holdings |
SoftBank Vision Fund |
SoftBank |
Hony Capital |
サービス概要
グローバルでシェアオフィススペースと、会員限定のネットワークを提供している『WeWork』の中国法人。中国内におけるWeWorkの拠点はすでに約40箇所。会員数も2万人に及ぶ。今回の調達を踏まえ、中国内での事業をさらに加速させる方針だ。
なお今週は同様のビジネスを手がけるスタートアップの資金調達が集中した。香港に拠点を置く『CAMPFIRE』が1800万ドル、インドのムンバイに拠点を置く『Awfis』が2000万ドルを調達している。
今週は計5社の調達状況を紹介した。今後も、FastGrowでは週次で調達状況を発信していく。
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