データの収集と整理を効率化し、日本のエンプラ企業のデータ・AI活用を変革する。シリーズAで総額7.5億円を調達──株式会社Quollio Technologies
重要なのは、調達額の大きさ?バリュエーション?ラウンド?いやいや、スタートアップの資金調達とは、もっと奥深く、緻密で複雑なものである。
FastGrow編集部では、調達リリースを見るたび、その裏側について思いを巡らせ、その後のビジョンについて予測や仮説立てをしてきた。そのために知りたい情報を、ぜひ外部向けにも記事としてまとめてみよう──そんな想いで始まったこの連載。
今回は、2024年6月に資金調達を発表したQuollio Technologies(クオリオ)について、その「横顔」をまとめる。
FastGrow編集部が注目するポイント
注目ポイント1
メタデータ技術家が結集。国内で経験を積んだデータサイエンティストによって創業され、研究機関とも活発に連携を行なっている
注目ポイント2
創業から3年で、KDDIや博報堂テクノロジーズなど日系大手企業で続々と導入が進む
注目ポイント3
社員の45%がグローバル人材。20代から60代までのメンバーが在籍するなど、多様なチーム構成
代表を始めとした、同社のメンバーについて
(1)代表取締役CEO 松元 亮太 氏
調達に際してのコメント
データは「新しい石油」とも言われ、その潜在的な価値は計り知れません。しかし、基盤内に格納される膨大なデータはそのままでは上手く活用されず、データのデータ(=メタデータ)を適切に管理し、データ&AI活用の促進や、ガバナンスの強化を行えるかが大企業において解決を図り続けている長年の課題になっています。
Quollio Technologiesでは、こうした大企業の経営課題を解決し、データ資産のポテンシャルを最大限に引き出すため日々挑戦を続けています。今回の資金調達ではプロダクト・サポート体制の強化および生成AIとのインテグレーションを含むテクノロジーへの積極的な投資を行い、より多くのデータマネジメントに苦悩する企業に向けて、さらに満足度の高いサービスを提供してまいります。
「世界中のデータと知を繋げ、人類の価値創造を促進する」のミッションのもと、あらゆる産業を下支えする未来のインフラを一緒に作り、その喜びを分かち合えるメンバーを募集しています。我々と一緒に働くことに興味のある方、ぜひご連絡ください。
Quollio Technologiesはこの度、シリーズAラウンドにて、7.5億円の資金調達を実施し、累計調達額は10億円を突破しました。専門とするメタデータ技術から、日本のデータ&AI活用、ガバナンスの根幹を作っていきます。グローバルチームで組織拡大中です、是非ご覧ください!https://t.co/SNhW7gDQ45
— 松元 亮太 / Quollio (@rytmw) June 26, 2024
プロフィール
大阪大学経済学部卒業。在学中に複数のWebサービスを立ち上げる。卒業後、KPMGあずさ監査法人に入社。監査のデータアナリティクス、全社のデータ分析基盤構築に従事。その後、クオリオを創業。
(2)取締役COO 眞田 貴央 氏
プロフィール
早稲田大学物理学及応用物理学にて修士取得後、博士課程満期退学。数社でシステムエンジニア、データ分析コンサルタントを経て、KPMGあずさ監査法人にてデータサイエンティストに従事。その後、クオリオに参画。
(3)Product Marketing Director Loys Belleguie 氏
プロフィール
フランスのLouis Pasteur大学で物理学の博士号取得後、システムエンジニアとしてキャリアをスタートし、1998年に日本に移住。フィリップス・セミコンダクターズ(現 NXP)、日本マイクロソフト、コーレルにて、技術サポートから事業開発マネージャーまで、デジタル技術を中心とした役職に従事。その後、2023年より現職。
調達の概要
プレスリリース |
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Quollio、シリーズAラウンドで7.5億円を調達、累計調達額10億円を突破 |
調達額 |
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7.5億円(累計約10億円) |
ラウンド |
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シリーズA |
主な使途 |
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サービス・プロダクトの機能強化 |
採用強化 |
生成AIとのインテグレーションを含むテクノロジーへの積極的な投資 |
投資家からの評価(抜粋) |
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DNX Ventures Managing Partner Head of Japan 倉林 陽氏 / Principal 中野 智裕氏 この度、QuollioのシリーズAにリード投資家として出資できましたこと、大変嬉しく思います。前回ラウンドから1年余り伴走する中で、松元さんが経営者として大きくスケールアップし、多様で優秀なタレントが続々と集い、ビジネスの視座が日々高まっていく様子を頼もしく見ておりました。大企業のデータ活用に向けて、メタデータを基点にしたインテリジェンスが喫緊で決定的なピースであることは確信しています。今回の資金調達が、Quollioの挑戦を加速させ、データのインフラとして社会をアップデートしていけるよう、DNXは力強く支援いたします。 |
伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社 取締役 & パートナー 中野 慎三氏 / 取締役 & パートナー 阿部 剛士氏 この度、Quollio Technologies へのプレシリーズAに続く追加資金調達に参画させて頂きました事を大変嬉しく思います。前回調達以降、Quollio社は高い提案力と丁寧なカスタマーサクセスを武器に顧客を獲得し急成長しています。ユーザー企業は誰もが簡単にデータ活用を実現する事を目指しており、Quollio社のデータカタログ製品はその道標となっています。またQuollio社は要件を素早く吸収して製品に落とし込む事に長けており、ユーザー企業から圧倒的に支持されています。弊社としましても、今後のQuollio社の成長に寄与できるよう最大限ご支援させて頂きたいと思っています。 |
関連ポスト
メタデータ管理プラットフォームを展開する、まさに時流に乗ったスタートアップ、QuollioへのシリーズAリード投資のストーリー。
— 倉林陽(Akira Kurabayashi, Ph.D) (@kurabayashi_vc) June 26, 2024
松元さん@rytmwと、DNX中野@tomopiloとの対談記事、ぜひご覧ください! https://t.co/oEpRnymA8o
主なサービス・プロダクト
『Quollio Data Intelligence Cloud』
Quollio Data Intelligenceは、エンタープライズ企業のDXやデータ活用、AI活用を加速するプラットフォーム。データサイエンティストやデータエンジニアだけでなく、DX担当者や事業部ユーザー、外部パートナーなど幅広い利用者のコラボレーションを想定したインターフェイス設計で、データ活用をする上で重要となるメタデータを一元管理し、企業全体のデータ活用・データガバナンスの活動を根本から支えている。
FastGrow編集部の注目ポイント
- 従来のデータ活用の専門家(データサイエンティスト)がメタデータを見るためだけでなく、専門家ではないDX担当者や事業部ユーザーがメタデータ入力しやすい設計
- エコシステムを横断した接続の拡張性。Quollioは、企業としてDWH・ETL・BI提供を行わず、中立性を担保できる。
- 国産で独自のAIを搭載。また、専門的なアドバイザリーによる総合的な課題解決を提供
採用関連情報
こちらの記事は2024年07月11日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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