ファクタリングを用いて事業成長するスタートアップが増加?──多様化するスタートアップ資金調達手法のトレンドや活用を、マネーフォワードケッサイに訊く
Sponsored国内スタートアップの資金調達と言えば、VCやCVCからのエクイティファイナンスが主たる選択肢となってきた中、昨今はデットファイナンスやファクタリングといった手法を活用するスタートアップも増えてきた。
例えば、10XやUPSIDER、タイミーなどといった急成長企業たちが、実際にプレスリリースでデットも含んだ資金調達を公表している。
これは何も「デットの活用が広がった」というだけの話ではない。ファクタリングあるいはレベニューベースドファイナンス(RBF)といった新たな手法を取り入れた「多様性のある資本政策」が広がっているというわけなのである。
こうした事実を踏まえ、資本政策に関する実態をより解像度高く起業家や経営者の読者に届けるため、FastGrowではこの記事を企画した。テーマは「資金提供者たちから見た、スタートアップにおけるファクタリングの活用法」。インタビュイーは、ファクタリング事業を展開するマネーフォワードケッサイの飯塚氏・中野氏だ。
- TEXT BY RINA AMAGAYA
- PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
- EDIT BY TAKUYA OHAMA
多様なファイナンス手法を組み合わせるスタートアップが増えてきている
──スタートアップの資本政策で、デットファイナンスやファクタリングの活用が増えているように思います。お二人はどのように現状を見ていますか?
飯塚確かに、少し前までは「資金調達=エクイティファイナンス」だけと捉える人が多かったかもしれません。しかし、最近はその雰囲気が変わり、「資金調達=エクイティファイナンスだけでなく、デットファイナンスやファクタリングも含めて行うもの」と考える人が少しずつ増えてきているように思います。
中野そうですね。起業家や経営者、CFOの皆さん同士でファイナンスに関するノウハウや知識、実体験がシェアされていく中で、多様な資本政策の検討がなされていると感じています。
実際に、我々もご相談を受ける中で「なんて複雑な資本政策なんだ……!」と驚いたり、その内容について勉強させられたりする場面も多いです。
──資金調達のご支援をされる中で特に印象的だった、スタートアップの動き方や考え方はありますか?
飯塚「資金調達活動への着手が早いこと」ですね。急成長を続けているスタートアップほど、私たちに対して具体的なご相談をいただくタイミングが早いように感じます。
私たちが提供している「ファクタリング」というサービスに対して感じるイメージは、「資金ショートの間際になって検討する資金調達手段」というのが強いかもしれません。ですが最近は、ランウェイに余裕がある状態の「未来の急成長を見据えて相談に来るスタートアップ」が増えています。
また、調達希望金額や契約条件においても、「こんなに多くの資金を調達しなくても、十分に事業や組織を拡大していけるのでは?」と感じるほどに、バッファを持とうとするケースも多いです。
中野当社の取引先には多様なフェーズのスタートアップがいらっしゃいます。その多くが、エクイティで少なくない額の資金調達を進め、しっかりと伸び続けているイメージを持った企業ばかりです。昨今ではこうしたスタートアップからのご相談が増えており、大変嬉しい限りです。ファクタリングを事業成長の手段として活用する企業が増えることを通じて、スタートアップエコシステム自体の発展にも貢献していきたいと思っています。
ファクタリングを事業成長の手段として活用する企業が増えることを通じて、スタートアップエコシステム自体の発展にも貢献していきたいと思っています。
<資金調達のポイント>
- ランウェイに余裕のある段階で早期に検討 / 相談を開始する
- エクイティ、デット、ファクタリングなどの複数手段のメリット / デメリットに関する理解を深める
- 経験者や専門家への相談を積極的に活用する
「株式の希薄化を防ぐ」「エクイティ調達の成功率を高める」といった活用メリット
──スタートアップの資金調達手法が多様化している今だからこそ強調したい、マネーフォワードケッサイさんが提供されているファクタリングのメリットや活用シーンについて教えてください。
飯塚マネーフォワードケッサイが提供しているファクタリング、これは従来、「運転資金をいかに確保するか」という資金繰りの改善に焦点を当てた手法です。しかし、スタートアップ経営に携わる起業家やCFOの方々に向けて強調したいメリットがほかにもあります。「成長資金としての活用」という考え方です。
この資金調達手法のメリットとは、バランスシート(B/S、貸借対照表)における「負債」を拡大することなく、キャッシュを迅速に得られる点にあります。つまり、誤解を恐れずに言えば、「バランスシートの見た目を損なうことなく、現預金を増やすことができる」ということなのです。
飯塚ただし、会計士・税理士の考え方によっても、仕訳などにおける細かな運用が変わる部分でもあるので、まずは会計士・税理士の先生に相談してみることをお勧めします。
──ファクタリングをうまく活用できれば、エクイティ / デット問わず、新たな資金調達を“より有利”に進められる可能性もあるということでしょうか?
飯塚そうですね。ファクタリングなどを活用して資金に余裕を持つことで、ほかの調達活動を進めやすくなることがあるようです。そんな目的で利用するスタートアップも、続々と増えています。
また、他の調達手段より早く資金を得ることができるため、突発的な外注や広告宣伝費などの施策実行に対しても活用が可能です。
つまり、スタートアップの事業を加速させる上で大変役立つファイナンス戦略の一つだと捉えることができると思います。
中野先ほど飯塚も話したように、ファクタリングと言うと、「倒産寸前の企業が取る最後の手段」といったイメージを想起するかもしれませんが、多くのスタートアップが「事業を加速させる目的」で活用を始めています。
「成長市場で事業もPMFしており、優秀な人材も徐々に揃い始めている。だけど、そうした人材をより多く採用するための資金や、マーケティング拡大にかける資金が、手元ではまだ十分とは言えない…」。ファクタリングは、そんなスタートアップにこそフィットする資金調達手法です。
飯塚そうですね。市況が悪化している昨今、エクイティやデットでの調達活動に想定よりも時間がかかりそうな場合にご相談いただけると、私たちも力を発揮しやすいと思います。
ファクタリングを活用するなら、資金が必要な1カ月前には動き出せるとベスト
──これから資金調達をお考えの起業家やCFO、スタートアップの皆さんからは、どのようなタイミングで相談してもらえると良いでしょうか?
中野ケースバイケースかとは思いますが、目安としては、資金が必要な1ヶ月前には動き出せると安心かと思います。
「来週中には資金が必要です」といった突発的にご相談をいただくこともありますが、理想は事前に資金繰り表を精緻に作っていただき、精神的余裕がある状態でご相談してもらうことですね。そんな状態であれば、弊社からも色々な解決案を一緒に模索することができます。
自社の経営はもちろん、自社のステークホルダーのみなさんを守る意味でも、早め早めのアクションを心がけられると良いのではないでしょうか。
とはいえ、ファクタリングには他の資金調達に比べ審査の時間が短いというメリットもあります。ですので、資金調達にお困りになった時はいつでも、すぐにご相談していただければスピーディにご支援させていただきます。
飯塚その上で、1つだけお願いしたいこととして、ファクタリングで資金を得た後の「出口」についてお伝えさせてください。
ここで言う「出口」とは、先々見込んでいる資金調達や売上増による余裕資金の獲得です。それはエクイティファイナンスでも、助成金でも良いですし、もちろん「この冬になったら繁忙期になり、売上が見込めます」といった季節性による売上予測でも構いません。ファクタリングはあくまで将来の売上の前倒し入金です。したがって、資金繰りの改善目処が見えている状況で検討いただくことをオススメします。
逆に、資金繰りの改善目処が事業計画として立てられていない企業がファクタリングを利用し始めてしまうと、恒常的な利用から脱することができなくなり、結果として未来の粗利をファクタリング手数料によって削っていく事になってしまいます。ですので、この点を吟味された上でご相談いただけるとスタートアップの方々にとって安心かと思います。
ファイナンスについて何でも相談できる「外部パートナー」を持とう
──最後に、起業家やCFO、スタートアップで資金調達に関わる方々のお役に立ちそうな情報として、お二人からお伝えしたいことはありますか?
中野資金調達を検討する際に、外部の専門家の活用を検討するとよい、ということでしょうか。
社外に「頼れるファイナンスパートナー」がいれば、社内の誰かが専門的な資金調達の知識を調べたり身につけたりすることに割く時間を減らせる可能性がありますよね。優秀なCFOを採用することはもちろん重要ですが、我々に限らず専門家・外部アドバイザーのサポートをもっと多くの起業家に活用いただきたいですし、その価値が社会に広まると嬉しいですね。
エクイティファイナンスに閉じない、多様な資金調達の活用が広まっていくことこそが、スタートアップエコシステムを今よりも活性化させていくための重要な一手になると信じています。
中野上場前も上場後も、スタートアップの非連続成長のために資金調達は不可欠です。ですが、資金提供元とのコネクションがなかったり、自社で考え得る調達手法を検討しつくした感覚があって悩んだり立ち止まったりしてしまう起業家や経営者の方々は、少なくないと感じています。
自社だけでファイナンスの問題を抱え込まず、ぜひ私たちのようなスタートアップの資金調達事例を数多く知るファイナンスパートナーにご相談いただけると嬉しいです。
飯塚今回は、資金提供者の立場から見た昨今のスタートアップ・ファイナンス事情をお伝えさせていただき、ファクタリングという手段についても解説させていただきました。最後に、そのファクタリングの中でもマネーフォワードケッサイならではの強みをお伝えさせてください。
当社の親会社であるマネーフォワードはプライム上場企業です。ですので、こうしたバックグラウンドを踏まえてサービスをご提供できるということは、スタートアップにとっても安心してご相談いただけるポイントなのかなと感じています。
──スタートアップとして非連続的に拡大してきた“あの”マネーフォワードさんが相談に乗ってくれるわけですから、実際にファクタリングを使わなかったとしても、スタートアップファイナンスの知見として他では得られないものが得られるはずですよね。
飯塚ありがとうございます(笑)。手数料は業界の平均よりも低く設定していますので、スタートアップフレンドリーなサービス設計にできていると思います。
昨今はやはり、アメリカを中心にテック企業への企業価値評価が芳しくないままで、その影響もあってエクイティファイナンスがまとまるまでに時間がかかっているように感じます。そういう時こそ、我々のようなファクタリングサービスの出番かと思いますので、まずはお気軽に相談をしてほしいですね。
【マネーフォワードグループのファクタリングサービス、詳細はこちらから】
こちらの記事は2023年11月30日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
執筆
雨谷 里奈
写真
藤田 慎一郎
編集
大浜 拓也
株式会社スモールクリエイター代表。2010年立教大学在学中にWeb制作、メディア事業にて起業し、キャリア・エンタメ系クライアントを中心に業務支援を行う。2017年からは併行して人材紹介会社の創業メンバーとしてIT企業の採用支援に従事。現在はIT・人材・エンタメをキーワードにクライアントWebメディアのプロデュースや制作運営を担っている。ロック好きでギター歴20年。
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