「エンプラ営業も任せろ」?“ゲンバ主義”を徹底する新CFOが語る、建設業界でのプラットフォーム構想の勝ち筋

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インタビュイー
北川 憲二郎
  • 株式会社助太刀 取締役 CFO 

東京大学 法学部卒、ノースウェスタン大学 経営学修士課程修了。アクセンチュア戦略グループを経て、2005年ゴールドマンサックス証券に入社。その後、ドイツ証券、シティグループ証券等にてTMT(テレコム・メディア・テクノロジー)グループの統括責任者として、大手企業のM&A・資金調達やベンチャー企業のIPO案件等をリード。2024年4月に助太刀の取締役CFOに就任。

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先般の記事では「既存事業/新規事業/組織」という3要素から切り込むかたちで、建設DXスタートアップ・助太刀に対する成長の論点に迫った。本記事では、現CFOの言葉で、別の角度からその実態を見ていきたい。

これまで外資系の投資銀行であるシティグループ証券にて、大手の売却・買収・資金調達やベンチャーのIPOなどに携わり、あらゆる規模における事業成長と戦略推進を担ってきた助太刀の新取締役CFOである北川憲二郎氏。前職ではTMT(テレコム・メディア・テクノロジー)グループの統括責任者も務め、キャリア遍歴を見るだけで豊富な知見と経験を有していることがわかる。

超ハードワークな世界を勝ち抜いてきた並々ならぬ経歴を見ると、つい野心的でギラギラした人物をイメージしてしまうかもしれない。だが、北川氏はお世辞抜きに温和だ。どんな質問にも真摯に悩みながら答えてくれた。

新CFOが語る、助太刀のリアルな現状とは。そして、今後の成長ポテンシャルとは。助太刀が描いてきた成長曲線とその全貌に迫っていこう。

  • TEXT BY HARUKA YAMANE
  • PHOTO BY SHINICHIRO FUJITA
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順調な資金調達・サービス登録者増加率は超好調

助太刀は、2017年設立以来『建設現場を魅力ある職場に。』というミッションを掲げて建設DXに取り組んでいる。

提供:株式会社助太刀

主要事業の建設人材マッチングサービス『助太刀』は事業登録者数21万を突破。くわえて、建設業特化の採用サービス『助太刀社員』は建設業の実態に合わせ81職種にまで細分化し、職人にアプローチできる希少な媒体として数々の採用成功を生み出している。

以前から資金調達も順調なうえ、『助太刀学院』といった新規事業も動き出している。

取材内容等を基にFastGrowにて作成

北川事業は私が参画した時点(2024年4月)で、非常に好調でした。ほぼT2D3(*1)で進んでいる状態で、今後の成長ポテンシャルも十分過ぎるほど持っていました。

もう少し話すと、これまでの調達は全額エクイティ(株式)でのファイナンスだったわけではなく、デット(借入)のファイナンスもけっこう多かったんです。その分が影響して、ネガティブエクイティ(*2)として見える面は当然あります。

そもそも助太刀は、業務を始める前に契約料金を全額前払いで受け取るビジネスモデルとしていました。このため、事業運営に必要な資金(運転資本)を自社で用意する必要がなく、むしろ顧客からの前払い金で余裕のある資金繰りを実現できる構造でした。だからこそ長期の借入も織り交ぜて、株式の希薄化を抑えた資本政策を取っていたことも起因しています。

ですから、ビジネス自体は伸びていましたし、財務基盤も安全圏に近いところにあったというわけなんです。

*1……T2D3(Triple, Triple, Double, Double, Doubleの略)は、スタートアップの成長指標。年率300%成長を2年、その後200%成長を3年維持する成長曲線を指す。ベンチャーキャピタルが投資判断の一つの基準とする

*2……ネガティブエクイティとは、負債が資産を上回り、純資産がマイナスの状態。成長企業では、戦略的な資金調達の結果として生じることもある

北川むしろ、今はゼロ・トゥ・ワン(*)の仮説を実行しようとしているステージ。私は、市場が本格的に広がる前の重要な時期に、CFOとして参画しました。これから事業をどこまで大きく成長させられるか、その可能性が、今このフェーズの施策一つひとつにかかっていると思っています。経営陣として、将来の成長につながる成果を出すためには、ある程度のリスクを取る必要がある。そして、リスクを取らなければ、私自身が会社に対して本当の意味での価値を提供することはできないと考えています。

結局のところ、私が入ってから17億円のエクイティファイナンスも完了していますから、財務的な心配はまったくありませんよ。

*……水平的な進歩(これまでの延長)ではなく、垂直的な進歩(非連続的な変化)を指して使われる言葉(参考:『ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか』 著 ピーター・ティール)

泰然自若(たいぜんじじゃく)。柔和な物言いで答える北川氏にはそんな言葉がよく似合う。

実際に、サービスの利用者数は右肩上がりで成長を続けている。オーガニックな流入も増加傾向。新サービスのリリースやエンタープライズ向けの取り組みも順調だ。

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“ブルーオーシャン×ゼロ・トゥ・ワン”。
新CFO北川氏が助太刀を選ぶ理由

財務状況について冒頭、じっくりと語ってくれた北川氏には、金融界で培った確かな経験がある。外資系の投資銀行でキャリアを積み上げ、数多くのM&Aや資金調達の最前線を歩いてきた金融のプロ。そんな北川氏が次なるステージとして選んだのが、建設業界のスタートアップだったのはなぜなのか。

建設業界を選んだ理由を問うと、意外にも「テックバンカー(テクノロジー業界専門の投資銀行家)でしたから、建設業界は私にとって未踏の地でした。我妻と初めて会うまでは正直、“よく知らないし、どうかな”と感じていました」と語る。それを覆すこととなる助太刀の面白さとは、一体何だったのか。

北川「外資系の投資銀行からスタートアップのCFOへ」というキャリアパスは、業界人にとっては今や、日本でも一般的です。事業会社のマネジメント層になれる、かつ、ファイナンス知識で大きくレバレッジさせられる意味では、むしろ固いキャリアパスという認識があるんじゃないかなと思います。

私の元同僚や後輩もスタートアップに行く人は多くいました。たとえば、マネーフォワード元CFO(現CSO)の金坂直哉さんやSansanのCFO橋本宗之さん、delyのCFO戸田裕介さん。同僚や後輩が旅立っていくなか、先輩CFOたちから「北川もそろそろか」とは言われていて、10年前くらいからいろいろなお話はもらっていたんですよ。

そのなかで、delyの戸田さんを介して助太刀を紹介してもらいました。はじめはね、「僕はテックバンカーですから、建設業はよく知らないな、どうだろうか……」なんて思ったんです。けれど、とりあえずお会いしてみたら、これがまあ面白くて魅力的でしたね。

業務プロセス改善系のDXではなく、人手不足問題を解消するソリューションだったこと。一言でいえば、ブルーオーシャンだなと。

建設業には、重層下請構造、有料職業紹介や人材派遣ができない法規制、そして安全面などから、職人がいきなり現場に入るハードルが高く、新たな仕事を増やすことが意外と難しい。そんな業界特有の壁があり、各社が職人・協力会社探しに苦戦し、職人や個人事業主は新しい取引先との出会いに苦戦を強いられてきたのだ。

だが、現場の課題は明白であるにも関わらず、特有の業界構造のため大手人材会社でさえほとんど参入がなかった。

北川参入が難しいとされていた領域に入っていったのが、建設業出身ならではのインサイトを持った我妻のビジネスアイデア。“出会うのが難しいなら、出会える場を提供したら良い”と、建設人材同士をマッチングさせるプラットフォームをつくり上げた。着眼点からして素晴らしい。まさに、ゼロからイチを生み出すイノベーションを起こせる事業だと期待が持てました。

もう1点決め手をあげると、COO添田の組織づくりがうまいんですよ。助太刀は、サービスもイノベーティブだけれど、人によるレバレッジも良い。マーケティングからインサイドセールス、フィールドセールス、そしてカスタマーサクセスといったTHE MODEL型の流れを、業界に適した形でしっかりと組めている一方、大手企業向けのエンタープライズセールス・アライアンスセールスといった法人営業は一気通貫型の深耕営業組織を築いています。

またAI導入にも積極的です。一人当たりの生産性が高いハイパフォーマンスな組織をつくれている点を思うと、足りないレバレッジは財務だけだなと。「これは良いタイミングで面白い会社に出会えた」と思い、他の会社はあまり検討せず助太刀に決めました。

その目線は正しかったようだ。さっそく北川氏が主導して投資を受けたパナソニックホールディングスや日本郵政キャピタルとの間では、それぞれのグループ企業との協業を進めるに至っている。

また、2024年、産学官の主要なキーマンを集めた「建設業働き方フォーラム」を開催。人手不足や処遇改善など業界の重要課題について議論を交わした。こうしたフォーラムに産官学のキーマンを招き、業界への提言ができるほどに、影響力を持つようになっている。

建設業働き方フォーラム」に登壇した際の北川氏(提供:株式会社助太刀)

北川これまでは中小企業や個人事業主が中心でしたが、今では大手企業からも信頼をいただけるようになってきました。建設業界の構造改革に向けて、私たちの役割も着実に大きくなってきていると感じています。

北川氏は、その成長フェーズにおいて最適なタイミングで舵取り役として参画することになったのだ。

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助太刀はイノベーションを起こすポテンシャルがある──世の中にあるサービスの10倍以上の価値を見い出す

「イノベーションを起こすことでしか、スタートアップは価値を示せないと考えています」。

穏やかな口調を崩さずも、言葉の端々には揺るぎない信念がにじむ。北川氏は、助太刀の事業にどんな未来を見たのか。

詳しく伺う前に、『助太刀』のビジネスモデルを整理しておこう。

前提、日本の建設業界は約500万人が従事する巨大産業だ。そのうち、およそ300万人が職人であり、重層下請構造によって仕事の受発注が行われている。

取材内容等を基にFastGrowにて作成

たとえば、ゼネコンと呼ばれる元請け(*1)が、協力会社(*2)に「◯◯の工事案件のため100人集めたい」と依頼をする。すると、協力会社は自社の社員だけでなくツテもたどって、職人に連絡して人を集めていく。

*1……国・地方公共団体・個人・会社などの発注者から直接工事の依頼を受ける業者

*2……元請けの工事/施工に協力する中小受託企業のこと(サブコンとも呼ばれる)。

逆に言えば、職人が新しい仕事を得る方法は基本的に“仲間からの紹介”だった。

このような業界特性の中で、工事内容によっては大きな非効率も残る。人材不足が深刻と言われる"エレベーター職人"で例に取ると、日本全体でわずか数千人しかいないと言われているこの職種は、工事の進行に欠かせない存在である。しかし皮肉なことに、マッチングがうまくなされず、「職人が見つからず工期が遅れている現場」のすぐ近くに「手が空いている職人」がいるという状況も珍しくない(参照:日経新聞<エレベーター設置に迫る「24年問題」 日立は工数2割減>など)。

これだけ社会的にデジタル化が進んでいるにも関わらず、建設業界は未だにアナログ色の強い仕組みで動いていたのだ。その背景には、労働者派遣法や職業安定法によって人材派遣や有料職業紹介を行えない問題もある。

こうした重層下請構造や法規制といった難問をくぐり抜けたのが『助太刀』だ。

先程の北川氏の発言にもあった通り、建設業界の人手探し・仕事探しが困難な根本的な要因は、“出会える場がない”ことにある。ツテや紹介を頼りにするほかなく、電話連絡が主流だった。その根本を打ち砕き、Webを介した人(会社)と人(会社)とが出会えるプラットフォームを築き上げたからこそ、業界に新たな旋風を巻き起こす存在となっているのだ。

さらには、求人を掲載できる『助太刀社員』をプラットフォーム上に紐づけることで、出会いの場に“採用”という新しい出口を見出した点も面白い。登録している事業者数はすでに21万を超え、大手ゼネコン・サブコンを含めて活用されているサービスという地位を確立している。

北川いま世の中に出ているサービスが提供する価値の“10倍以上の価値”がなければ、イノベーティブとは呼べません。そう考えたとき、助太刀はどうか。

建設業界はこれまで重層的な構造があったことから、なかなか取引先を増やせない特徴があります。「10年間かけて、新たに増えた取引先はたった3社だった」なんてことが当たり前の世界だった。1年以上、新たな取引先を1社も見つけることができないことだってあるわけです。ですが、そこに『助太刀』のスキームを入れることで「たった1年間で3社の取引先を増やすことができる」という世界を実現できています。

提供:株式会社助太刀

北川工事会社の方々にとって、取引先を獲得できるかどうかは死活問題です。助太刀を利用することで年間で一気に3社以上の増加が期待できるわけですから、“10倍以上の価値”がありますよね。本当にイノベーションが起きている。

月間の新規登録者もここ半年で倍増していますし、プラットフォームの価値は、かなり上昇トレンドにあります。Go To Market戦略が進化している兆候もあって受注獲得の動きも非常に良いです。とくにエンタープライズ向け、なかでも年間売上高が1,000億円以上ある大手ゼネコンのお客さまもメインになりつつあります。

たとえば、各スーパーゼネコンは直接職人を雇用しているわけではないんです。協力会社と1,000社ほど繋がりがあり、協力会社と連携して工事案件を行います。そこで我々はスーパーゼネコンや大手に直接提案しにいくんです。「協力会社の人材不足を解消するために『助太刀』を使いませんか?」と。つまり、元請けに提案をすることで、“協力会社を含めた施工力を向上してもらう提案”がいま型化しつつあるんです。

業界にとって不可欠なサービスとして堅実な歩みができているうえ、成長ポテンシャルはまだまだ大きい。誰もやっていない領域でイノベーションを起こしてきたわけですから、これほど面白い仕事は他にありません。

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スーパーゼネコンとのアライアンスに向けて北川氏も自らセールス現場へ、「ゲンバ主義」のバリューを体現

今後のさらなる成長を促進するカギとなるのが、多角的なアライアンス戦略だ。中でも重要な取り組みの1つがスーパーゼネコンとの取り組みである。

北川直近では、『助太刀パートナーシッププログラム』を開始しています。スーパーゼネコン向けにITを駆使した協力会社のネットワーク強化や施工体制の強化などを、ともに実現するためのプロジェクトです。

助太刀パートナーシッププログラムは、第1号案件として竹中工務店が導入した。竹中工務店 執行役員 調達本部長 西村氏は、以下のようにコメントを残している。

今回の「助太刀パートナーシッププログラム」は、協力会社の皆様が抱える人材確保の課題に応えるものであり、大きな貢献を果たすと考えています。本プログラムを通じて、協力会社の皆様が多様なネットワークを通じて自ら採用できる仕組みが整い、人材不足の解消に繋がることを期待しています。そして、これが当社全体の生産力確保に、ひいては建設業界全体に貢献することを強く願っております。

──PR TIMES<助太刀、大手建設会社向け協力会社支援「パートナーシッププログラム」を開始>から引用

同時に、金融機関や専門商社・リセラーと呼ばれる大手代理店とのアライアンスも加速。地方銀行や信用金庫との提携は約50社にまで拡大した。

北川各金融機関は取引先である建設会社に助太刀を紹介することで、取引先における人手不足による経営リスクの軽減を図っています。金融機関経由での紹介は新規顧客獲得の重要なチャネルとなっています。

こうした大企業との商談には、CFOである北川氏自身も足を運ぶ。

北川CFOの傘下に経営戦略部があり、新規事業開発や新規アライアンスのインキュベーションを行っています。そこでつくった企画を大手向けに営業活動をする際には、私も一緒に行くことが多いですね。

単純に「サービスを使ってください」ではなく「御社の課題解決のために『助太刀』は何ができるか」というお話をスーパーゼネコンの役員クラスに提案しています。やっぱり営業現場は面白いですし、新規アライアンスの取り組みは最重要なので、自分も引き続き関わっていきたいですね。

提供:株式会社助太刀

助太刀の4つのバリュー「全員親方」「仲間とつくる」「ゲンバ主義」「職人たれ」のうち、CFOがセールス現場に足を運ぶ姿はまさに「ゲンバ主義」を体現しているといえる。

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建設業界を変革することは、巡りめぐって自身を支え助けてくれる

既存事業の売上高は急成長、新規事業も誕生、スーパーゼネコンとのアライアンスも進行中と堅調な歩みをみせる助太刀。さらなる事業拡大に向けて外部発信や組織強化にも力を入れているなか、北川氏は“もっと多くの人に建設業を知ってほしい”と言う。

北川助太刀の主要事業は建設人材のマッチングと正社員採用ですが、その先のこともずっと考えています。我々が目指すは建設業の課題解決そして『建設現場を魅力ある職場に。』を実現すること。建設業の人々に寄り添い、そして職人をエンパワーするようなサービスへ進化を続けていきます。

その過程では会社の持続的な成長のため、売上・利益を追いかけます。ですが、“おいしくかっこよく稼ぎたい”わけではありません。都市開発・災害復興なども担う建設業を支える仕事は社会的な意義が非常に大きい。世の中にとって欠かせない存在だからこそ困っている人や会社の助けになりたいし、できることがあるならば自身の経験を駆使してチャレンジしたい。私自身、そういった気概を持っていますし、助太刀には同じような想いを持って働く社員が多くいます。

最近では、人材確保で卓越した成果を収めた工事会社100社を「助太刀 百名社 2025」として選出するというユニークな取り組みを進めている(2025年3月にリリース予定)。選出企業による対談動画の公開や、採用・教育のノウハウ共有など、業界全体の魅力向上に向けた取り組みを展開していく。

さらに定期的な交流会も開催。人手不足という共通の課題に向き合う建設事業者が集まり、横のつながりを創出する場となっている。オンラインでのマッチングに加え、リアルな交流の場を設けることで、「人材の採用や教育、定着」などの関心の高いテーマの議論が進んだり、より深い信頼関係の構築を支援している。

ユーザーが集まる交流会の様子(提供:株式会社助太刀)

北川FastGrowの読者さんにも日本に欠かせない建設業の問題について是非知っていただきたい。喫緊の課題が山積みで、皆さんの生活にも影響を及ぼすことが多いですから。

そのうえでピンとくるものがあるのなら、助太刀にくれば建設業の問題解決、ひいてはインフラの維持、国土・社会の発展の一翼を担えます。会社のフェーズとして0→1、1→10はできていると感じているので、10→100の成長を一緒に進めていきたいです。

取材冒頭、「建設業はよく知らないしどうだろうと思ったんです」と語っていた北川氏。テックバンカーのキャリアを経て、50代で未踏の地に踏み込んだ熟練のCFOは、建設業の新たな魅力を発見する。

北川そうだ、助太刀で職人さんにフィーチャーしたYouTubeチャンネルがあるんです。職人の仕事と、その後に訪れる至福の『メシ』の瞬間に密着したドキュメンタリーなんですけど、見てみると「かっこいいな」と思いますよ、やっぱり。

「建設業への興味がまだ……」という人は“職人の姿”を見てみるのも良いだろう。工事現場の柵の向こう側で働く職人たち。普段はその姿を見る機会は少ないが、その世界を知ったとき「この人たちを支えたい」そんな気持ちが芽生えるかもしれない。

【絶品の肉!】重機女子、巨大ショベル運転後のメシ

『助太刀』利用者からの「100人以上の人とつながりをもてた」「自分の予定が埋まっていたら助太刀を通してつながった人に案件を紹介している」(詳細はこちらの記事で)といった声も多々あり、会社だけでなく個人事業主の職人の間にも良い循環を生んでいる。

【旨い…!】杭打ち職人、キンキンに冷えた至福の一杯を飲む

特殊な業界構造も相まって撤退を余儀なくされるサービスも多いなか、助太刀が地位を確立できたのは、建設業界への強い思いと惜しみない投資の賜物だろう。

だからこそ、北川氏は「まずは、私たちの生活インフラを守る建設に興味を持ってほしい」と繰り返す。建設を支えることは、巡り巡って私たち自身を支えることにもなるのだと語る。

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社会を支える産業は数あれど、災害の多い日本で、復興も含めたインフラ維持の前線に立つのが“建設”だ──これほど熱い仕事は他にない

助太刀のこれまでの歩みを、北川氏の目線で伺ってきた。事業投資を積極的に行いながら成長を続ける同社の姿からは、従来の収益性や財務指標だけでは測れない価値が見えてくる。マッチングプラットフォームを基盤としながら教育事業へと展開を広げ、非連続的な成長を実現しようとしている。

日々当たり前のように整備される街並みの裏には、AIやロボットではなく“人の力”がある。建設現場では予期せぬ事態や複雑な問題が発生しやすく、経験と直感的な判断力が不可欠だ。テクノロジーは進化しても、現場の人の力はなかなか代替できない。だからこそ、人手不足問題を解決するサービスの価値は大きい。

こうしてあなたが記事を読んでいる今も、都心でも地方でも、再開発工事が各地で進んでいる。東京都が認可した市街地再開発事業地区は303区もあり、多くの人の手によって安全で快適なまちづくりは続いている。

また、日本は地震災害の多い国だ。日本の国土面積は全世界のたった0.29%でありながら、マグニチュード6以上の地震の18.5%は日本で起こっている。そんな日本で、建設は災害復興にも大きく貢献する。たとえば災害時の建設現場では、地域の住民の命や財産を守るために迅速な応急復旧やライフラインの復旧などに努めているのだ。

直近では、下水道管の老朽化による道路陥没なども発生しているように、インフラ構造物の耐用年数経過によるメンテナンスの需要も高まっている。

そう考えれば「建設業、よく知らないな……」だなんて素知らぬ振りはもうできないのではないだろうか?これだけ社会貢献性の高い業界を支える助太刀での挑戦は、たとえ自身に建設業のバックボーンがなくとも、大きな誇りとなり、人生のやりがいにもなるはずだ。

建設現場の人手不足は世界共通の課題でもある。マッチングプラットフォームのリーディングカンパニーとして、助太刀の挑戦は国内に留まらないだろう。今後は表面的な数字だけでなく、同社が生み出すビジネスの強さと市場のポテンシャルにも注目していきたい。

こちらの記事は2025年02月28日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。

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執筆

山根 榛夏

写真

藤田 慎一郎

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