連載資金調達の週報
押さえておきたい資金調達ニュース──スマホでできるARシューティングアプリや、NTTドコモから30億円を調達した飲食店向けサービスなど
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。今週は日本から4社をピックアップした。
2018年12月10日〜2018年12月16日分
- TEXT BY MASUMI OSAKI
- EDIT BY TOMOAKI SHOJI
Graffity : 新感覚ARシューティングアプリ
資金調達概要
調達額 |
---|
8000万 |
調達先 |
---|
國光宏尚氏 |
佐藤裕介氏 |
古川健介氏 |
中川綾太郎氏 |
伊藤将雄氏 |
大冨智弘氏 |
その他エンジェル投資家2名 |
ベンチャーキャピタル1社 |
サービス概要
スマホから楽しめるARシューティングアプリ「ペチャバト」を開発。
Graffityは、AR×コミュニケーション領域で複数のプロダクトを手がけてきた2017年創業のスタートアップだ。12月12日にリリースしたペチャバトは、スマホを使って友達と楽しむARシューティングゲーム。ドッチボールのような感覚で、画面をタップしながら球を投げたり避けたりしながらスコアを競い合うことができる。
まずはiOS版のみのスタートとなるが、Android版の開発や海外展開も考えているようだ。
WACUL : SaaS型のデジタルマーケティングツール
資金調達概要
調達額 |
---|
5.6億円 |
調達先 |
---|
リコー |
マイナビ |
TIS |
みずほキャピタル |
個人投資家など |
サービス概要
SaaS型のデジタルマーケティングツール「AIアナリスト」を開発。
AIアナリストの特徴はGoogleアナリティクスのアクセス解析データと連携するだけで、AIが大量のデータを分析しサイトの診断を行うこと。サイトの課題発見から改善方針の提案までを自動化することで、Webマーケターやデータアナリストがいないような企業でもWebサイトの改善に取り組める環境を整えた。
2015年4月のサービスインから約3年半で2.5万サイトが導入。今回調達した資金を活用して販路を拡大するほか、自動化の対象となる領域の拡大やプラットフォーム化を目指す。
なお、調達先のリコーとは協業契約も締結している。
キャディ : 製造業の受発注をスマートにするサービス
資金調達概要
調達額 |
---|
10.2億円 |
調達先 |
---|
DCM Ventures |
WiL |
グローバル・ブレイン |
グロービス・キャピタル・パートナーズ、および個人投資家 |
サービス概要
製造業の受発注をスマートにするプラットフォーム「CADDi」を開発。
CADDiは独自で開発した自動見積もりシステムによって、加工品の発注者と加工工場の最適なマッチングを実現するサービスだ。発注者は特注板金加工品の3DCADデータをアップロードして数量や材質などのパラメータを指定するだけ。条件に基づいて価格と納期が約7秒で算出される。
発注者にとっては調達工数やコストの削減につながるだけでなく、高品質な加工品を安定的に発注できる点がメリット。一方の加工工場も相見積もりによる失注がなくなり、自社に合った顧客が見つかるチャンスになる。
現在サービスの利用社数は2000社を超え、全国の提携加工会社数も約70社に及ぶ。今後は受発注の領域だけでなく、製造業の設計から製造、物流、販売までのバリューチェーン全体を支えるプラットフォームの構築を目指す。
トレタ : 飲食店向けの予約/顧客台帳サービス
資金調達概要
調達額 |
---|
30億円 |
調達先 |
---|
NTTドコモ |
サービス概要
飲食店向けの予約/顧客台帳サービス「トレタ」を開発。
テクノロジーを活用することで、飲食店の現場の予約管理や顧客管理をスムーズにしてきたトレタ。予約を入れていくだけで完成する予約台帳や予約情報から自動で作成される顧客台帳を軸に、現場のオペレーションを効率化。蓄積されたデータの集計や分析機能も備える。
現在は約1.2万店舗で導入。今回資本業務提携を結んだNTTドコモと共同で同サービスのさらなる普及を目指すほか、顧客がスマホから飲食店の予約、メニュー注文、決済までをワンストップで行える新たなサービスの開発にも取り組む計画だ。
今週は計4社の調達状況を紹介した。今後も、FastGrowは週次で調達状況を発信していく。
こちらの記事は2018年12月19日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
次の記事
連載資金調達の週報
執筆
大崎 真澄
編集
庄司 智昭
ライター・編集者。東京にこだわらない働き方を支援するシビレと、編集デザインファームのinquireに所属。2015年アイティメディアに入社し、2年間製造業関連のWebメディアで編集記者を務めた。ローカルやテクノロジー関連の取材に関心があります。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
おすすめの関連記事
「PMFまでの苦しい時に、資金と希望を与えてくれた」──ジェネシア・ベンチャーズ × KAMEREO、Tensor Energy、Malmeの3対談にみる、“シード期支援のリアル”
- 株式会社ジェネシア・ベンチャーズ