連載資金調達の週報
AIを活用したタブレット型教材「atama+」を展開するatama plusが累計20億円を調達──押さえておきたい資金調達ニュース
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。
全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。
今週は日本から4社をピックアップした。
2019年5月13日〜2019年5月19日分
- TEXT BY HAYATE KAWAJIRI
- EDIT BY MONTARO HANZO
atama plus:500以上もの教室で導入。AI活用のタブレット型教材「atama+」を提供する
資金調達概要
調達額 |
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15億円 |
調達先 |
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ジャフコ |
DCMベンチャーズ |
サービス概要
全国の塾や予備校向けに、AIを活用した中高生向けタブレット型教材「atama+」を提供している。生徒一人ひとりの得意不得意をAIが分析し、個々人に最適化された「自分専用レッスン」を配布。より効率化された学習を実現する。
大手学習塾の栄光、学研塾ホールディングス、ティエラコムなど既に500以上もの教室に導入されており、教室で集めたデータをもとに、アルゴリズムやコンテンツを最適化している。今後は、駿台教育センター、Z会エデュース、城南進学研究社などで、新しく「atama+」に特化したコースが開設される予定だ。
今回の発表により、ラウンド累計での調達額は20億円となった。生徒の満足度を最大化すべく各教科のコンテンツを拡充するほか、学習塾各社へのサポート体制の強化をする。
10X:直接オンライン注文もできる、献立アプリ「タベリー」を開発
資金調達概要
調達額 |
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2.5億円 |
調達先 |
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DCM Ventures |
非公表の個人投資家ら |
サービス概要
10秒で献立が作成できるサービス「タベリー」を展開する。同アプリでは、個人の嗜好や条件にあった献立をつくるだけでなく、必要となる材料の買い物リストを簡単に作成できる。
資金調達と合わせて、買い物リストに追加した1週間分の食材をそのままオンライン注文できる、新機能の追加が発表された(現在はiOSのみ、Androidは今年9月に実装される見込み)。対応するネットスーパーについては随時拡大する計画で、今後は各生協などへの対応も予定している。
調達した資金は、プロダクトの成長や人材の採用へ投じる。10Xではプロダクトを通じて、さらなる社会の課題解決に向けて努めていく。
カクテルメイク:リッチな動画広告を簡単につくれる「RICHKA」を展開
資金調達概要
調達額 |
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2.1億円 |
調達先 |
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NOW |
みずほキャピタル |
新生企業投資 |
ドリームインキュベータ |
マネックスベンチャーズ |
FFGベンチャービジネスパートナーズ |
サービス概要
専門知識がないユーザーでも、パフォーマンスの高い動画コンテンツを作成できるSaaS型動画広告自動生成ツール「RICHKA」を運営する。素材となる画像とテキストを入れるだけで、スピーディーに動画広告を作成できる。画像認識システムを通じて最適な画像位置を判定するなど、AIを用いた制作サポート機能が搭載されている。
既に200社以上に導入されており、月間の動画生成数は5000本を突破。2019年2月には、広告代理店向けの「RICHKA for Agency」をリリース。サービス上の動画フォーマットを営業資料として持ち歩き、自社のオリジナルWebカタログとして使用できる仕組みも整えた。
資金調達によって、誰もが簡単に高品質の動画を制作できるよう、サービス内容の強化や改善を推進する。また、培ってきたノウハウやデータを活用し、2020年末までに、ハイクオリティでリッチな動画を「100万本」生成することを目指す。
TABILABO:「NEW STANDARD」に社名変更し、新たに事業拡大を目指す
資金調達概要
調達額 |
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非公表 |
調達先 |
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D4V |
電通ベンチャーズ |
株式会社アカツキ |
みずほキャピタル株式会社 |
サービス概要
カルチャーからライフスタイル、トレンドにテクノロジーまで、ミレニアル世代が求めるコンテンツを発信するスマートフォンメディア「TABI LABO」を運営している。2017年からはメディア運営の知見を活かした「BRAND STUDIO事業」を展開し、成長し続けている。
今回の資金調達と合わせて、2019年8月に「NEW STANDARD株式会社」へ社名変更の予定を発表。今後は、「MEDIA STUDIO事業」、「BUSINESS DESIGN & BRAND STUDIO事業」、「PRODUCT STUDIO事業」を柱として、さらなる事業拡大を目指していく。
投資先となる、D4Vや電通ベンチャーズ、アカツキとは事業戦略パートナーとなり、新社名のリブランディングおよび事業戦略の策定から、既存事業やD2Cなどの新規事業開発までを実施する。
こちらの記事は2019年05月22日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
川尻 疾風
ライター・編集者(モメンタム・ホース所属)。在学中に、メルマガ・生放送配信やプロデュース・マネジメント支援を経験。オウンドメディアやSNS運用などに携わったのち、現職へ。起業家やクリエイターといった同世代の才能と伴走する存在を目指す。
姓は半蔵、名は門太郎。1998年、長野県佐久市生まれ。千葉大学文学部在学中(専攻は哲学)。ビジネスからキャリア、テクノロジーまでバクバク食べる雑食系ライター。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
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