連載資金調達の週報
プログラミング不要でアプリ開発ができる「Yappli」が30億円を調達──押さえておきたい資金調達ニュース
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。
全てを追いきれない読者のために、FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。
今週は日本から4社をピックアップした。
2019年6月17日〜2019年6月23日分
- TEXT BY HAYATE KAWAJIRI
- EDIT BY MONTARO HANZO
ヤプリ:プログラミング不要で開発からユーザー分析まで。アプリ運用ツール「Yappli」を提供する
資金調達概要
調達額 |
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30億円 |
調達先 |
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グロービス・キャピタル・パートナーズ |
Eight Roads Ventures Japan |
SMBCベンチャーキャピタル |
YJキャピタル |
サービス概要
プログラミング不要でスマートフォンアプリの開発・運用を可能にするサービス「Yappli」を提供。既に300社以上の企業で導入がされており、解約率は1%以下を維持するなど、満足度も高い。サービス内で開発されたアプリの累計DL数は3500万を突破し、売上高は前年比約2倍で成長している。
今回調達した資金は、主にプラットフォームの拡大に必要なプロダクト開発と人材の採用、マーケティング活動へ投資する予定だ。店舗・Eコマース領域では、機能開発と共にに広告活動への投資をすることで、顧客基盤のさらなる拡大に注力する。
今後も、多岐にわたるニーズに合わせた機能開発を中心に、アプリプラットフォームの実現に向けて、開発・投資を進めていく。
maricuru:開始1年で急成長。花嫁コミュニティアプリを運営する
資金調達概要
調達額 |
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1.6億円 |
調達先 |
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ジェネシア・ベンチャーズ |
YJキャピタル |
DGインキュベーション |
サービス概要
花嫁限定コミュニティアプリ「maricuru」を運営する。面談を通過した約2,500人が「先輩花嫁アドバイザー」として参加し、結婚前や婚約したばかりの方々の悩みや疑問に回答してくれるサービスだ。サービス開始後1年で、投稿された結婚式レポート数は8万件、写真数は20万件にのぼった。またQ&Aの回答率は99%で平均回答数5件以上、合計回答数は1.3万件の規模に成長している。
2018年11月には「maricuru park」、2019年2月には「maricuru相談カウンター」を開始するなど、アプリでのコミュニティをベースにした新規事業にも取り組んでいる。今回の資金調達により、アプリの機能拡充やブランディングを強化し、コミュニティを活かしたさらなる新サービスの展開を目指していく。
WAKAZE:パリに酒蔵を設立し、世界へ日本酒市場の拡大を目指す
資金調達概要
調達額 |
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1.5億円 |
調達先 |
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Spiral Ventures |
ニッセイキャピタル |
中島董商店 |
永見世央氏 |
御立尚資氏 |
長尾卓氏 |
非公開の投資家 |
サービス概要
「日本酒を世界酒に」をビジョンに活動するスタートアップ企業。これまで、ワイン樽を活用して熟成させた日本酒「ORBIA(オルビア)」や、植物やスパイスを入れて風味づけをした新感覚のお酒「FONIA(フォニア)」など、自社の商品を開発・販売してきた。
2016年に創業した同社は、週に一度のペースで新しい銘柄を生み出す「日本酒のリーンスタートアップ的な製造体制」を確立。今回の調達資金は、フランス・パリでの製造拠点確保や、マーケティングなど、海外の日本酒市場の成長、拡大を目指していく。また国内事業においても酒販売のサブスクリプションサービスへの投資や、人材採用に注力し、事業拡大を強化していく。
Revive:アスリートとファンをつなぐコミュニケーションサービス「vibes.」を開発する
資金調達概要
調達額 |
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1.2億円 |
調達先 |
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ジャフコ |
アカツキ |
サービス概要
トップアスリートとファンを繋ぐコミュニケーションサービス「vibes.」を開発。今年1月に発表したβ版では、ビデオ電話で直接アスリートと会話ができる機能を実装した。同社では、社会人アメリカンフットボールチーム「オービックシーガルズ」に所属する前田眞郷氏が代表を務める。
今回の資金調達により、7月初旬の「vibes.」公式リリースに向け、ビデオチャットやライブ配信、グループチャットなどの機能を追加し、秋頃にはiOSアプリの公開を予定している。また新規事業としてアスリートの可能性を拡げるパートナーシップ事業「Athlete Creative Partner」 、次世代型アスリート人材の育成を目的としたアカデミー事業「vibes. Academy」の展開を目指す。
こちらの記事は2019年06月26日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
川尻 疾風
ライター・編集者(モメンタム・ホース所属)。在学中に、メルマガ・生放送配信やプロデュース・マネジメント支援を経験。オウンドメディアやSNS運用などに携わったのち、現職へ。起業家やクリエイターといった同世代の才能と伴走する存在を目指す。
姓は半蔵、名は門太郎。1998年、長野県佐久市生まれ。千葉大学文学部在学中(専攻は哲学)。ビジネスからキャリア、テクノロジーまでバクバク食べる雑食系ライター。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
校閲
佐々木 将史
1983年生まれ。保育・幼児教育の出版社に10年勤め、’17に滋賀へ移住。フリーの編集者、Webマーケターとして活動を開始。保育・福祉をベースにしつつ、さまざまな領域での情報発信や、社会の課題を解決するためのテクノロジーの導入に取り組んでいる。関心のあるキーワードは、PR(Public Relations)、ストーリーテリング、家族。
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