連載資金調達の週報
教育しづらい営業トークをAIが教育。
コグニティが累計5億円を調達──押さえておきたい資金調達ニュース
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。
全てを追いきれない読者のために、 FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。
今週も日本から4社をピックアップした。
2020年1月13日〜2020年1月19日分 過去の週報はこちら
- TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
- EDIT BY KAZUYUKI KOYAMA
コグニティ:AIが成約に繋がる営業トークを提案
資金調達概要
調達額 |
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5億円(2017年12月からの累計額) |
調達先 |
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XTech Ventures |
ディップ |
サービス概要
実際の営業トークを解析し、営業社員に対してトークの改善案を提示する「UpSighter」を運営。
営業成績の良いメンバーの営業トークを録音し、“お手本となるトークのパターン”を導出する。
これまで営業スタッフの教育においては経験値に頼る場面が多く、教育が属人化しがちであるとともに、成約に繋がる営業トークを明確に示すことが難しかった。
昨年12月には主に地銀などを対象とした金融業界向けサービスや、個人利用も可能なプレゼン解析サービスをローンチするなど様々な場面に対応したサービスも拡充している。
今回の資金調達により、UpSighterの分析機能をアップデートし、より高精度な分析・比較を可能にするそうだ。
フルカイテン:AIが小売店の販売施策を提案
資金調達概要
調達額 |
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1,7億円 |
調達先 |
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大和企業投資 |
京銀リース・キャピタル |
みずほキャピタル |
サービス概要
AIがSKUごとの在庫・販売データを分析し、販売/仕入れ施策提案をおこなうサービス「フルカイテン(FULL KAITEN)」を小売店向けに提供。
「何月何日に何個売れた」「売価はいくらだった」「その際の在庫はどの程度あった」といった販売・在庫データを分析。在庫が不良在庫か否かの判断や、在庫の最適化、狙うべき客単価の提案などをおこなう。
「アンダーアーマー(UNDER ARMOUR)」を運営するドームやジュン、フェリシモ、アシックスジャパンなどに導入されている。
調達した資金は人材採用と開発体制の強化に充て、サービス開発と普及のスピードアップを図る。
また、国内での展開に注力しつつ、ゆくゆくは海外進出も視野に入れているそうだ。
Moff:ウェアラブルデバイスによって最適なリハビリ体験を提供
資金調達概要
調達額 |
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総額7.6億円(2018年9月からの累計額) |
調達先 |
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未来創生2号ファンド |
サービス概要
独自のウェアラブルデバイス「Moff Band」を使った、高齢者のリハビリ支援サービス「モフトレ」、「モフ測」を運営。
「モフトレ」は、介護施設を利用されるユーザーに対し、効果的なリハビリやトレーニングを提案するサービス。「モフ測」はリハビリを行なっている患者の回復度合いをデータに基づき見える化を行うIoTリハビリ支援・見える化するサービス。
今後は、昨年12月に発表したトヨタ自動車との共同開発を通じ医療機関向けIoTリハビリ支援サービスを充実。国内において病院から介護施設および在宅までのシームレスなリハビリ支援サービスを実現するとともに、将来はアジアを中心とした海外にも展開していく。
POLYGLOTS:世界の時事ネタを使った言語学習
資金調達概要
調達額 |
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総額1億円 |
調達先 |
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HRテック投資事業有限責任組合 |
ディップ株式会社 |
SocialEntrepreneur3投資事業有限責任組合など |
サービス概要
BBC、The Japan Times、Techcrunchなどの英文ニュースメディアから引用した時事ネタを使った英語学習ができる「POLYGLOTS」を運営。
ローンチから4年を迎えたPOLYGLOTSはユーザ数100万人を突破している。POLYGLOTSユーザのうち、TOEIC/TOEFL受験者の94%がPOLYGLOTS 利用後に TOEIC/TOEFL のスコア向上を達成しているという。
昨年12月に、「AIによる学習カリキュラムの作成」と「POLYGLOTSTeacherによるレッスン」を開始し、さらなるサービスの拡充中。今回の資金調達により、家族やグループで語学学習が可能なプランの構築、学習者目線に立ったUI/UXの改善、認知度向上を加速するという。
また、資金の一部をアジア圏への進出の費用に充当し、IPOを視野に入れた人材獲得や組織強化も実施するとしている。
こちらの記事は2020年01月22日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
小酒井 圭祐
国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。
編集者。大学卒業後、建築設計事務所、デザインコンサル会社の編集ディレクター / PMを経て、weavingを創業。デザイン領域の情報発信支援・メディア運営・コンサルティング・コンテンツ制作を通し、デザインとビジネスの距離を近づける編集に従事する。デザインビジネスマガジン「designing」編集長。inquire所属。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
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