連載資金調達の週報
健康意識の高いペットフードD2Cで東アジアを狙え。
オネストフードが6000万円調達──押さえておきたい資金調達ニュース
資金調達が活況となり、日々のニュースが溢れている。
全てを追いきれない読者のために、 FastGrowでは週次で国内外スタートアップの資金調達ニュースを紹介。
今週も日本から4社をピックアップした。
2020年5月11日〜2020年5月17日分 過去の週報はこちら
- TEXT BY KEISUKE KOSAKAI
- EDIT BY KAZUYUKI KOYAMA
オネストフード:東アジアNO.1を目指すペットフードD2Cブランド
資金調達概要
調達額 |
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6,000万円 |
調達先 |
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XTech1号投資事業有限責任組合 |
basepartners 有限責任事業組合 |
サービス概要
ペットフード「レガリエ キャットフード」、「レガリエ ドッグフード」を展開する、オネストフード。
ペットフードのD2Cサービスで、無添加で、穀類を一切使わない「グレインフリーレシピ」や、食材本来の味わいや栄養素を残す「低温加熱製法」を取り入れるなど、品質や健康にこだわった商品を展開する。。2019年2月に販売開始し、販売量はすでに累計で40万食を突破した。
CEO 佐藤淳氏はオイシックスにて、オンラインデパチカ事業「Oiチカ」の立ち上げ責任者や、EC事業本部の販売推進室の責任者、社内ベンチャーファンド「フードテックファンド」の立ち上げ責任者を歴任しており、フードに関するプロフェッショナルだといえる。
今回の資金調達により、商品ラインナップの拡充、システム面を含めた運用体制の強化、海外展開への準備を進め、東アジアNO.1のペットフードD2Cブランドを確立するための準備をおこなう予定だという。
KOMPEITO:手軽で新鮮な野菜をオフィスに届ける
資金調達概要
調達額 |
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総額約4億円 |
調達先 |
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ニッセイ・キャピタル株式会社 |
株式会社iSGS インベストメントワークス |
静岡キャピタル株式会社 |
株式会社広島ベンチャーキャピタル |
日本政策金融公庫 |
サービス概要
オフィス向け”置き社食”サービス 「OFFICE DE YASAI (オフィスで野菜)」 を展開する、KOMPEITO。
オフィスに冷蔵庫を設置するだけで、健康と美味しさにこだわったサラダやフルーツ、お惣菜などが定期的に届けられる。従業員は商品を1個100円から、昼食時はもちろん、朝や残業中など好きな時に手軽に購入可能。2014年からサービスを開始し、2020年5月現在、累計1,500拠点以上に導入されている。
同様のオフィス社食サービスは徐々に数を増やしているがKOMPEITOの強みは、生鮮食品の物流網を確立していることだ。サラダなどの生鮮食品は摂氏10度以下で流通させなくてはならないが、それを実現させている同業者はほとんどいないという。また、株主であるキューピーから、工場や冷蔵で物流するためのノウハウなど多大な協力を得ているそうだ。
今回の資金調達により、OFFICE DE YASAIのCS機能、人員強化、商品・サービス強化、新規事業推進をおこなう予定だという。
any:社内のナレッジをいつでも素早く確認
資金調達概要
調達額 |
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総額8,000万円 |
調達先 |
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HENNGE株式会社 |
サービス概要
社内のナレッジ共有ツール「Qast(キャスト)」を展開する、any。
Q&Aとメモで社内のナレッジを一箇所に蓄積し、いつでも検索できる。SlackやMicrosoftのTeamsと連携することで、チャットツール上で流れる重要な情報も蓄積できるという。
CEO 吉田和史氏は、株式会社アイモバイル、グッディア株式会社を経て、any株式会社を起業しておりSaaSビジネスの経験はない。しかし、「わからないことはググればすぐに解決できるのに、なぜ社内のわからないことは検索できないのか?」という思いからQastをスタートさせている。吉田氏がQastを軌道にのせるまでのプロセスをまとめたnoteがあるので、ぜひご覧いただきたい。
今回の資金調達により、Qastの開発強化と人材採用、マーケティングをおこなう予定だという。
TRiCERA:世界中のアートを取引できるプラットフォーム
資金調達概要
調達額 |
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1億4,500万円(累計調達額) |
調達先 |
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株式会社DK Gate |
フジ・スタートアップ・ファンド2号投資事業有限責任組合 |
GA4号投資組合 |
その他個人投資家 |
サービス概要
現代アートのグローバル発表・販売プラットフォーム「TRiCERA.NET」を展開する、TRiCERA。
昨年3月のローンチから、1年少々で900名を超える世界中のアーティストが参加。総出品数5,000点を超え総取扱高は約12億円となるプラットフォームへと成長している。特徴的なのは、国外のアーティストの参加が全体の40%を占めるなど、市場が国内に絞られないことだろう。3年以内に参加アーティスト数10万人、アクティブユーザー数100万人/月を目指すという。
特殊な業界の事業を扱う際、必ず話題になるのがその業界の“インサイダー”を社内に積極的に集める会中だ。TRiCERAの場合、国立の美術大学出身者やアートマガジン副編集長といったアートバックグラウンドを持つメンバーも集めつつ、大手物流出身者やマーケのプロフェッショナルなど、ビジネス経験者もいるなど、バランスを取っている。アートとビジネスの両サイドの知見からアート市場をより拡大に力を入れているという。
今回の資金調達により、今回の調達先との協業、コンテンツ強化及び機能開発をおこなう予定だという。
こちらの記事は2020年05月20日に公開しており、
記載されている情報が現在と異なる場合がございます。
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執筆
小酒井 圭祐
国内スタートアップの資金調達ニュースをまとめていきます。トレンドの変遷を追っていくことに興味があります。趣味は筋トレとプログラミング。
編集者。大学卒業後、建築設計事務所、デザインコンサル会社の編集ディレクター / PMを経て、weavingを創業。デザイン領域の情報発信支援・メディア運営・コンサルティング・コンテンツ制作を通し、デザインとビジネスの距離を近づける編集に従事する。デザインビジネスマガジン「designing」編集長。inquire所属。
1986年生まれ、東京都武蔵野市出身。日本大学芸術学部文芸学科卒。 「ライフハッカー[日本版]」副編集長、「北欧、暮らしの道具店」を経て、2016年よりフリーランスに転向。 ライター/エディターとして、執筆、編集、企画、メディア運営、モデレーター、音声配信など活動中。
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